評判のティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド(愛称:アメリカンロイヤルロード)の今後の見通しは!?ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドと比較しながら評価!

日本の投資信託(含むETF)分析

評判のティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド(愛称:アメリカンロイヤルロード)の今後の見通しは!?ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドと比較しながら評価!

2022年11月26日

リーマンショック後の米国株の快進撃を受けて、様々な米国株に投資を行う投資信託が組成されました。

当サイトでも様々な米国株投信を分析してきました。(米国の比率が高い投信も含んでいます)

 

 

本日お伝えするのはティー・ロウ・プライスが運用するティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンドとティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドです。

本日は両者を比較しながら、分析していきたいと思います。

 

そもそもティー・ロウ・プライスとは?

そもそもT.RowePriceという名前について聞き覚えのない方も多いかと思います。

日本人としては知名度は低いですが、本場の米国においては大手の資産運用会社の一つです。

 

1937年に設立され、米国ボルティオアに本拠を置くグローバルな投資運用会社となっています。

16カ国にサービスを展開しており、グループ全体の運用資産残高は1.23兆ドルと巨額になっています。

 

ティーロウプライス

 

日本には1982年に東京に駐在事務所を開設、2003年に東京支店を開設以降現在に至っています。

 

ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド(愛称:アメリカンロイヤルロード)

ではまずティー・ロウ・プライスは米国成長株式ファンドについて特徴を見ていきましょう。

愛称はアメリカンロイヤルロードとして親しまれています。

「持続成長」「循環成長」「特殊な成長」を実現する企業を組み合わせて投資

対象は米国の成長株ですが、以下の3パターンの成長を実現する企業を組み合わせて運用しているとしています。

 

持続成長 圧倒的な技術力、卓越したビジネスモデル、価格支配力などを強みに成長する企業
循環成長 景気変動に影響をうけるも業績回復期にV字型回グクを示す企業等
特殊な成長 構造変革などの特殊要因により成長する企業

 

つまり、いわゆるグロース株だけでなく景気循環株にも投資をしているということですね。

 

組み入れ上位銘柄

2024年1月31日時点の組み入れ上位銘柄は以下となります。

銘柄名 セクター 構成比
1 マイクロソフト 情報技術 米国 8.90%
2 アップル 情報技術 米国 8.70%
3 アルファベット コミュニケーションサービス 米国 7.40%
4 アマゾン 一般消費財 米国 7.00%
5 エヌビディア 情報技術 米国 6.20%
6 メタ ヘルスケア 米国 3.50%
7 ビザ 金融 米国 3.10%
8 イーライリリー コミュニケーションサービス 米国 2.90%
9 マスターカード 金融 米国 2.60%
10 ユナイテッドヘルス 情報技術 米国 2.20%

 

2023年3月末からの組み入れ上位銘柄の推移は以下となります。

 

2024年1月末 2023年6月末 2023年3月末
1 マイクロソフト マイクロソフト アップル
2 アップル アップル マイクロソフト
3 アルファベット アルファベット アルファベット
4 アマゾン アマゾン アマゾン
5 エヌビディア エヌビディア エヌビディア
6 メタ ユナイテッドヘルス ユナイテッドヘルス
7 ビザ ビザ ビザ
8 イーライリリー メタプラットフォーム マスターカード
9 マスターカード マスターカード インテュイット
10 ユナイテッドヘルス インテュイット ASMLホールディング

 

アップルやマイクロソフトやアルファベット、アマゾンとGAFAMのFacebook(現:Meta)以外が組み入れられています。

2020年から相場を沸かせたテスラも入っていましたが、株価の下落により上位からは外れていますね。

大型優良株が組み入れられているので、ほぼナスダックと同じ動きなのではないかと推察されます。つまりはしばらくはリターンを見込むのは難しいということです。

 

手数料

手数料は以下となります。

購入手数料:税込3.3%
信託手数料:年率1.463%

 

ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンド

グロース株と対比されるのがバリュー株です。

→ バリュー株投資とグロース株投資はどっちがおすすめ?あらゆるデータから両者を徹底比較する

グロース株に有利な相場でも、バリュー株に有利な相場でも投資できるようにティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドを組成しています。

 

もともとティー・ロウ・プライスを設立したトーマス・ロウ・プライスJrは成長株で投資を収めた投資家でした。

しかし、景気循環の過程でグロース株を補完する存在としてバリュー株の重要性に気づいて1985年からバリュー株にも取り組んでいるそうです。

 

割安局面での逆張り買いを遂行

ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドは名前の通り割安な局面で株式を購入します。

株価が下落した時に優良株式を割安な価格で購入して、割高局面で利益を確定するというシンプルな手法をとるとしています。

 

ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドの投資する銘柄の特徴

 

選ぶ対象は以下の3パターンとしています。

  • 景気回復局面において業績回復が期待される企業
  • 個別の要因により一時的に株価が低迷している優良企業
  • 業界の構造変化により利益成長が見込まれる企業

 

ティー・ロウ・プライス割安優良株式ファンドの投資対象

 

組み入れ上位銘柄

2023年6月時点の構成上位銘柄は以下となります。

 

順位 銘柄名 セクター 構成比
バークシャーハサウェイ 金融 3.75%
1 JPモルガンチェース 金融 3.34%
2 エレバンスヘルス ヘルスケア 2.82%
3 ファイサーブ 金融 2.38%
4 バンクオブアメリカ 金融 2.60%
5 Kenvue Inc 生活必需品 2.86%
6 センコーラ ヘルスケア 2.50%
7 ハリバートン エネルギー 2.87%
8 モンデリーズインターナショナル 生活必需品 2.52%
9 コノコフィリップス エネルギー 2.86%

 

2023年3月末のからの銘柄の変遷は以下となります。あまり銘柄に変遷はありませんね。

 

2024年1月 2023年6月 2023年3月
1 バークシャーハサウェイ エレバンスヘルス エレバンスヘルス
2 JPモルガンチェース バークシャーハサウェイ バークシャーハサウェイ
3 エレバンスヘルス JPモルガンチェース サザン
4 ファイサーブ ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) エクソンモービル
5 バンクオブアメリカ エクソンモービル JPモルガンチェース
6 Kenvue Inc フィリップ・モリス・インターナショナル ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
7 センコーラ サザン アルファベット
8 ハリバートン アルファベット フィリップ・モリス・インターナショナル
9 モンデリーズインターナショナル ブロードコム バンク・オブ・アメリカ
10 コノコフィリップス バンク・オブ・アメリカ モンデリーズ・インターナショナル

 

割安株投資の王であるウォーレンバフェットのバークシャーハサウェイが入っていますね。またエクソンモービル、JPモルガンなどバリュー代表銘柄が並びます。

 

手数料

  • 購入時手数料:3.3%(税抜3.0%)
  • 運用管理費用 (信託報酬):年1.4575%(税抜1.33%)

となっています。

ティー・ロウ・プライス米国成長株式の購入時手数料は3.3%(税抜3.0%)を上限、運用管理費用 (信託報酬)は年1.463%(税抜1.33%)でした。

 

両者の運用実績とインデックスを比較

ティー・ロウ・プライス米国成長株ファンド(以下、グロース株)とティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンド(以下、バリュー株)とS&P500指数の値動きを比較していきます。

 

バリュー株は「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」の2パターンがあります。

グロース株は「為替ヘッジなし」しかないので、バリュー株も「為替ヘッジなし」で比較しています。

 

青:ティー・ロウ・プライス米国成長株ファンド(グロース株)
赤:ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンド(バリュー株)
緑:S&P500指数(円建)

ティー・ロウ・プライス米国成長株ファンドとティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドとS&P500指数の値動きを比較

 

2022年の年初からドル円が115円から150円まで急激にすすんだことに支えられ、意外にも堅調な推移になっています。

ドル建でみると大きな下落んなっています。特に成長株はドル建だと▲40%程度になる計算になります。完全に円安に助けられていますね。

 

グロース株にとって2022年は金利上昇によって非常に厳しい期間でした。

しかし、バリュー株にとってはグロース株よりは投資しやすい環境であったこともありバリュー株がグロース株に対してプラスになっています。

 

ただ、冷静に考えてみてください。

バリュー株とグロース株を混ぜ合わせたものがS&P500指数です。つまりS&P500指数は平均成績ということですね。

 

グロース株がS&P500指数に大きく劣後しているのであれば、バリュー株はS&P500指数を大きくアウトパフォームしている必要があります。

しかし、上記のチャートを見ればわかる通りティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドは僅かにS&P500指数に優った成績と残念な結果に終わっています。

アクティブファンドとしてはどちらもダメですね。

→ インデックス型投信(=パッシブ)とアクティブ型投資信託はどっちがおすすめ?成績や手数料を中心に金融庁データをもとに徹底比較!

 

掲示板での口コミや評判

Yahoo financeの掲示板での口コミや評判は以下となります。

 

口コミ

ナスダック銘柄ばかりなので下がるばかりですね。我慢して保有してますが、復活あるのかな? 銘柄見直し欲しいところです。

口コミ

現金化することは、いいことと思います。
中長期の考えで、なかなか部分解約を
することは、決断できませんでしたが、
これだけ停滞するとは、考えられませんでしたが、少し身軽になって、投資に、
臨めるようになりました。

口コミ

担当者は、相談したら、必ず
中長期で保有して下さいというと思います。
去年のアメリカの利上げ騒ぎから、
投信の成績は、最悪でした。
お金が、溶けるというのが、毎日続きました。
4銘柄保有していましたが、今は、
整理して、ESG、netWin B、2銘柄にして
あとは、積み立て投信を、はじめて
信託報酬を、下げました。
貯蓄ではないので、アメリカの状況によって、毎日価額が変わるので、上昇
している時はいいんですけど。
でも、ティーロウプライスは、持っていてよかったです。

口コミ

M証券だけで、取引していたので、
同じ銘柄ですね。
信託報酬が、高いのも考えず、購入していました。
公募価額でしたので、それはそれで、
儲かっていたんですが、去年は、最悪でした。
ティーロウは、気にいっていたんですが、利益があるうちに、売却しました。
ちょっと寂しく思います。
皆様のご健闘をお祈りします。

 

グロース株は1年以上厳しい環境が続いているので厳しいコメントが続いています。

まだ、マシな成績を残してるバリュー株でも厳しいコメントが続いています。

 

口コミ

この投信もっていてもこれから大丈夫ですか?
どなたか教えてください。

 

口コミ

やっと反発したと思ったらプラス0・72だって

リンクの穴にでもハマッてジャンプ失敗か?

久々の投稿で愚痴(^_^)
始めて半年
手数料払ってきただけだな

 

2024年以降の今後の見通し!

重要なのは今後の見通しです。結論からういうと今後しばらく米国株は厳しいことが想定されます。

理由としては、2023年になりインフレが沈静化したとしても、そのあとリセッション(=景気後退)が訪れるからです。

インフレと金利の上昇で米国の庶民の生活は既に限界達しているからです。

 

日本でもインフレが発生していますが、欧米のインフレは日本よりも深刻です。

既に貯蓄は尽きて借金にたよって自転車操業している状態なのです。

ここから強力なリセッションで企業の収益は低下して株価はさらに下落していくことが見込まれます。

 

さらに日本の投資家にとって重要なのは、今後ドル円は下落する確度が高いということです。

ドル円は日米の金利差に注目され150円まで上昇していきました。

ドル円と日米金利差

ドル円と日米金利差

 

しかし、景気後退となれば米国の中央銀行は金利を下げるので日米金利差は低下してドル円は急激に円高に修正されます。

さらに日本側で進展し始めたインフレ率が上昇してきていることもあり、金融緩和が修正される恐れがあり日米金利差が縮小し円高修正の追い風が吹いている状況です。ドル円の上昇で支えられた基準価額は大きく下落することが見込まれます。

 

今までよかったという理由で米国株を選択するのは安易であるといえるでしょう。

米国株は以下の通り10年毎に好調な時期と不調な時期を繰り返しています。1980年代からのS&P500指数のチャートです。

インデックス投資には好調時と不調時がある

 

そして、今後注目されている株式市場があります。それが日本です。

 

日本株を取り巻く相場環境は約30年ぶりとも言えるような変化に見舞われており、投資家は大きなトレンドの反転に備えるべきだ。設定来約600%のパフォーマンスとなっている「JPMザ・ジャパン」の運用者はこう訴える。

JPモルガン・アセット・マネジメント株式運用本部の中山大輔ポートフォリオ・マネジャーはブルームバーグとのインタビューで、「日本のファンダメンタルズは日本が強かった1990-91年以来とも言えるようなヒストリカルで良い方向に来ている」と前置きし、日本株には今後十数年続きそうな「ビッグチェンジが今まさに起きている」と述べた。

参照:Bloomberg

 

日本株であれば為替リスクを気にする必要もありません。

以下では筆者が投資しているファンドを含めて、安定して高いリターンが狙える日本株ファンドを紹介していますのでご覧いただければと思います。

 

関連記事:【2024年】一番儲かる投資信託とは?これから上がる・今買いの銘柄をランキングで紹介!

締め括り

 

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資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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