リーマンショック後の米国株の快進撃を受けて、様々な米国株に投資を行う投資信託が組成されました。
当サイトでも様々な米国株投信を分析してきました。(米国の比率が高い投信も含んでいます)
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本日お伝えするのはティー・ロウ・プライスが運用するティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンドとティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドです。
本日は両者を比較しながら、分析していきたいと思います。
そもそもティー・ロウ・プライスとは?
そもそもT.RowePriceという名前について聞き覚えのない方も多いかと思います。
日本人としては知名度は低いですが、本場の米国においては大手の資産運用会社の一つです。
1937年に設立され、米国ボルティオアに本拠を置くグローバルな投資運用会社となっています。
16カ国にサービスを展開しており、グループ全体の運用資産残高は1.23兆ドルと巨額になっています。
日本には1982年に東京に駐在事務所を開設、2003年に東京支店を開設以降現在に至っています。
ティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド(愛称:アメリカンロイヤルロード)
ではまずティー・ロウ・プライスは米国成長株式ファンドについて特徴を見ていきましょう。
愛称はアメリカンロイヤルロードとして親しまれています。
「持続成長」「循環成長」「特殊な成長」を実現する企業を組み合わせて投資
対象は米国の成長株ですが、以下の3パターンの成長を実現する企業を組み合わせて運用しているとしています。
持続成長 | 圧倒的な技術力、卓越したビジネスモデル、価格支配力などを強みに成長する企業 |
循環成長 | 景気変動に影響をうけるも業績回復期にV字型回グクを示す企業等 |
特殊な成長 | 構造変革などの特殊要因により成長する企業 |
つまり、いわゆるグロース株だけでなく景気循環株にも投資をしているということですね。
組み入れ上位銘柄
組み入れ上位銘柄は以下となります。
銘柄名 | セクター | 国 | 構成比 |
アップル | 情報技術 | 米国 | 8.8% |
マイクロソフト | 情報技術 | 米国 | 8.7% |
アルファベット | コミュニケーションサービス | 米国 | 8.4% |
アマゾン | 一般消費財 | 米国 | 7.8% |
ユナイテッドヘルス | ヘルスケア | 米国 | 4.5% |
リビアン | 一般消費財 | 米国 | 4.0% |
テスラ | 一般消費財 | 米国 | 3.2% |
ビザ | 情報技術 | 米国 | 3.0% |
インテュイット | 情報技術 | 米国 | 2.8% |
マスターカード | 情報技術 | 米国 | 2.6% |
アップルやマイクロソフトやアルファベット、アマゾンとGAFAMのFacebook(現:Meta)以外が組み入れられています。
2020年から相場を沸かせたテスラも入っています。
大型優良株が組み入れられているので、ほぼナスダックと同じ動きなのではないかと推察されます。
手数料
手数料は以下となります。
購入手数料:税込3.3%
信託手数料:年率1.463%
ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンド
グロース株と対比されるのがバリュー株です。
→ バリュー株投資とグロース株投資はどっちがおすすめ?あらゆるデータから両者を徹底比較する
グロース株に有利な相場でも、バリュー株に有利な相場でも投資できるようにティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドを組成しています。
もともとティー・ロウ・プライスを設立したトーマス・ロウ・プライスJrは成長株で投資を収めた投資家でした。
しかし、景気循環の過程でグロース株を補完する存在としてバリュー株の重要性に気づいて1985年からバリュー株にも取り組んでいるそうです。
割安局面での逆張り買いを遂行
ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドは名前の通り割安な局面で株式を購入します。
株価が下落した時に優良株式を割安な価格で購入して、割高局面で利益を確定するというシンプルな手法をとるとしています。
選ぶ対象は以下の3パターンとしています。
- 景気回復局面において業績回復が期待される企業
- 個別の要因により一時的に株価が低迷している優良企業
- 業界の構造変化により利益成長が見込まれる企業
構成上位銘柄
構成上位銘柄は以下となります。成長株ファンドと比べると地味な銘柄が多いですね。
銘柄名 | セクター | 国 | 構成比 |
エレバンスヘルス | ヘルスケア | 米国 | 4.85% |
ベクトン・ディッキソン | ヘルスケア | 米国 | 4.14% |
バンク・オブ・アメリカ | 金融 | 米国 | 3.71% |
エクソンモービル | エネルギー | 米国 | 3.60% |
ジョンソン・アンド・ジョンソン | ヘルスケア | 米国 | 3.53% |
サザン | 公益事業 | 米国 | 3.06% |
ウェルス・ファーゴ | 金融 | 米国 | 3.02% |
チャブ | 金融 | 米国 | 2.98% |
フィリップ・モリス | 生活必需品 | 米国 | 2.83% |
アッヴイ | ヘルスケア | 米国 | 2.28% |
手数料
手数料は以下となります。
購入手数料:税込3.3%
信託手数料:年率1.4575%
両者の運用実績とインデックスを比較
ティー・ロウ・プライス米国成長株ファンド(以下、グロース株)とティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンド(以下、バリュー株)とS&P500指数の値動きを比較していきます。
バリュー株は「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」の2パターンがあります。
グロース株は「為替ヘッジなし」しかないので、バリュー株も「為替ヘッジなし」で比較しています。
青:ティー・ロウ・プライス米国成長株ファンド(グロース株)
赤:ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンド(バリュー株)
緑:S&P500指数(円建)
2022年の年初からドル円が115円から150円まで急激にすすんだことに支えられ、意外にも堅調な推移になっています。
ドル建でみると大きな下落んなっています。特に成長株はドル建だと▲40%程度になる計算になります。完全に円安に助けられていますね。
グロース株にとってこの1年は金利上昇によって非常に厳しい期間でした。
しかし、バリュー株にとってはグロース株よりは投資しやすい環境であったこともありバリュー株がグロース株に対してプラスになっています。
ただ、冷静に考えてみてください。
バリュー株とグロース株を混ぜ合わせたものがS&P500指数です。つまりS&P500指数は平均成績ということですね。
グロース株がS&P500指数に大きく劣後しているのであれば、バリュー株はS&P500指数を大きくアウトパフォームしている必要があります。
しかし、上記のチャートを見ればわかる通りティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドは僅かにS&P500指数に優った成績と残念な結果に終わっています。
掲示板での口コミや評判
Yahoo financeの掲示板での口コミや評判は以下となります。
グロース株①
ナスダック銘柄ばかりなので下がるばかりですね。我慢して保有してますが、復活あるのかな? 銘柄見直し欲しいところです。
グロース株②
現金化することは、いいことと思います。
中長期の考えで、なかなか部分解約を
することは、決断できませんでしたが、
これだけ停滞するとは、考えられませんでしたが、少し身軽になって、投資に、
臨めるようになりました。
グロース株は1年以上厳しい環境が続いているので厳しいコメントが続いています。
まだ、マシな成績を残してるバリュー株でも厳しいコメントが続いています。
バリュー株①
この投信もっていてもこれから大丈夫ですか?
どなたか教えてください。
バリュー株②
やっと反発したと思ったらプラス0・72だって
リンクの穴にでもハマッてジャンプ失敗か?
久々の投稿で愚痴(^_^)
始めて半年
手数料払ってきただけだな
今後の見通し
重要なのは今後の見通しです。結論からういうと今後しばらく米国株は厳しいことが想定されます。
理由としては、2023年になりインフレが沈静化したとしても、そのあとリセッション(=景気後退)が訪れるからです。
インフレと金利の上昇で米国の庶民の生活は既に限界達しているからです。
日本でもインフレが発生していますが、欧米のインフレは日本の3倍です。
既に貯蓄は尽きて借金にたよって自転車操業している状態なのです。
ここから強力なリセッションで企業の収益は低下して株価はさらに下落していくことが見込まれます。
さらに日本の投資家にとって重要なのは、今後ドル円は下落する確度が高いということです。
ドル円は日米の金利差に注目され150円まで上昇していきました。
しかし、景気後退となれば米国の中央銀行は金利を下げるので日米金利差は低下してドル円は急激に円高に修正されます。
ドル円の上昇で支えられた基準価額は大きく下落することが見込まれます。
今までよかったという理由で米国株を選択するのは安易であるといえるでしょう。
米国株は以下の通り10年毎に好調な時期と不調な時期を繰り返しています。1980年代からのS&P500指数のチャートです。
そして、今後注目されている株式市場があります。それが日本です。
日本株を取り巻く相場環境は約30年ぶりとも言えるような変化に見舞われており、投資家は大きなトレンドの反転に備えるべきだ。設定来約600%のパフォーマンスとなっている「JPMザ・ジャパン」の運用者はこう訴える。
JPモルガン・アセット・マネジメント株式運用本部の中山大輔ポートフォリオ・マネジャーはブルームバーグとのインタビューで、「日本のファンダメンタルズは日本が強かった1990-91年以来とも言えるようなヒストリカルで良い方向に来ている」と前置きし、日本株には今後十数年続きそうな「ビッグチェンジが今まさに起きている」と述べた。
参照:Bloomberg
日本株であれば為替リスクを気にする必要もありません。
以下では筆者が投資しているファンドを含めて、安定して高いリターンが狙える日本株ファンドを紹介していますのでご覧いただければと思います。