悪い評判が目立つグローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドは投資妙味があるのか徹底評価!今後の見通しや口コミを含めて紐解く。

日本の投資信託(含むETF)分析

掲示板で悪い評判や口コミが目立つグローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドを徹底評価!今後の見通しを含めて紐解く。

2022年8月5日

2020年からのハイテクグロース株の暴騰を受けて、日本でも様々なテーマ投信が組成されました。

当ブログでも様々なファンドを取り上げてきました。以下は代表的な例です。(ほんの一部です)

 

 

本日取り上げるのは日興アセットマネジメントが運用するグローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドです。

名前に「グローバル」と「イノベーション」が入っており、名前からは儲かる雰囲気がただよってきますね。

本日は同ファンドについて、

  • どのようなファンドなのか?
  • 今後を見据えて投資妙味はあるのか?

という観点を中心にお伝えしていきたいと思います。

 

グローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドの特徴(受託会社:みずほ信託銀行、運用会社:日興アセットマネジメント)

まずは、どのようなファンドなのかという特徴についてみていきたいと思います。

 

破壊的イノベーション銘柄に投資

投資対象は世界の破壊的イノベーション関連企業としています。

破壊的イノベーション?

と疑問に思われた方もいらっしゃると思いますが、米国株投資をしていれば馴染み深い単語です。これは次の項目で明らかにします。

破壊的イノベーションとは以下であると目論見書にて定義しています。

 

商品やサービスの性能をより高める「持続的(継続的)イノベーション」に対して、既存の技術やノウハウの価値を 破壊し、まったく新しい商品やサービスを生み出すものと当ファンドでは定義しています。

参照:目論見書

 

また、特にSDGs関連の銘柄を集中的に選定していると宣言しています。

 

アーク社(ARK)の調査力を活用

「破壊的イノベーション」といえば「アーク(ARK)」といっても過言ではありません。

アーク社の旗艦ファンドARKK(=ARK Innovation ETF)は破壊的イノベーション銘柄に投資を行い2020年に一斉を風靡しました。

ファンドマネージャーのキャシー氏は一躍時の人となりました。この顔に見覚えはないでしょうか?

キャシーウッド

 

アグレッシブなパワフルウーマンといった感じです。

以下は旗艦ファンドであるARKKのチャートです。2020年に大相場に完全にのりバブル的な動きとなったあと、停滞して暴落しています。

結果的に2019年と同水準に落ち着いています。

ARKKの株価推移

 

グローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドが組成された2021年初頭はまだ調子がよかったのでアークにあやかろうとしたわけですね。

因みにARKの助言を受けているのはグローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドだけではありません。

最初に挙げたゼロコンタクトもARKの助言を受けています。

 

ARKKと殆ど同じ構成上位銘柄

構成上位銘柄の推移は以下となっています。構成上位は殆どかわっておらず株価の上下で微妙に順位が入れ替わっているといった感じですね。

2022年12月末 2022年9月末 2022年6月末
1 ブロック テスラ テスラ
2 テスラ ブロック ブロック
3 ズーム ズーム ズーム
4 イグザクトサイエンシズ ROKU CRISPR
5 トリンブル CRISPR ROKU
6 ユーアイパス トリンブル トリンブル
7 ロク COINBASE イグザクトサイエンシズ
8 パシフィックバイオサイエンシズ イグザクトサイエンシズ UiPath
9 CRISPRセラピューティクス UiPath COINBASE
10 TWILIO TWILIO TWILIO

 

ちなみに以下の通り殆どARKKの構成上位銘柄と同じです。以下は2023年1月21日時点の最新なので若干異なるとは思いますが、殆ど同じ銘柄に投資しています。

 

構成銘柄 比率
イグザクトサイエンシズ 9.36%
ズームビデオ 8.39%
テスラ 7.67%
ロク 6.87%
ブロック 6.39%
ユーアイパス 5.37%
シッピファイ 4.77%
コインベース 4.68%
テラドック 4.19%
トゥイリオ 3.88%

 

ARKKは日本の証券会社からは購入できないので、個人投資家がARKKを買えるように投資信託として仕立てて販売したということですね。

ここから想定されるようにリターンは厳しいものとなっています。追ってお伝えします。

 

購入手数料と信託手数料

購入手数料と信託手数料は以下となります。

購入手数料:3.3%
信託手数料:1.6675%

 

グローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドの運用実績

では肝心な運用実績についてみていきましょう。

 

グローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドの運用実績

 

先ほどのARKKのチャートの悪い部分だけを見事に体現しています。

ただ、為替ヘッジをしていない分、ドル円の上昇に助けられて、まだ少しは下落を抑制されているという状況です。

 

以下はS&P500(円建、配当込み)とナスダック総合指数(円建)と比較したものです。

 

青:S&P500指数(円建て、配当込み)
黄:ナスダック総合指数(円建て)
赤:グローバルエクスポネンシャルイノベーションファンド

グローバルエクスポネンシャルイノベーションファンドとナスダックとS&P500指数の比較

 

大幅に指数に負けていますね。ARKKと同じです。要は沈む船にオールを渡してしまったということです。

 

掲示板やSNS上での口コミや評判

では評判や口コミについてみていきたいと思います。

Twitter

みずほのグローバルエクスポネンシャルイノベーションファンド。 売り出し時10000円だったのが現在ではその半額近くまで落ちてる。 買い時といえばそうだけど、販売当初に買った人たちからすればひとたまりもない。 資産運用を勧める銀行が自ら「投資信託=危険」という状況を作り出してるのは痛い

@むぅ

 

Yahoo finance掲示板

まあそうですね、相対的に組み入れ銘柄が上向くと瞬間的に安心しますね。
でももはや5000円のバーに自分が慣れてしまってきたのと、上げ幅以上に下げ幅が大きいこの投信の動きに楽しみがまるで無くなりました。そして4000円台への落ち込みリスクがいつまでも払拭できないこの感覚。嫌になります。

@Yahoo finance

 

勧めてきた証券会社に対して不満を述べる書き込みも多く見られました。

 

Yahoo finance掲示板

何処もかしこも上がってるのに。
何故ここは。
ガッカリ過ぎる。
選んだ自分が悪いのだが
M社には物申したい。

Yahoo finance掲示板

オレにも根拠のない希望的観測と青写真の説明電話がありました。

 

5ch掲示板

キャシー詐欺またやんのかよ
どうせテスラ・ロク・ズームだろ
プロスペクティブの仕切り直しじゃん

5ch掲示板

 

今後の見通しは暗い?

今保有している方や今後購入を考えている方にとって重要なのは今後の見通しかと思います。

 

現在、破壊的イノベーション銘柄が売り込まれている理由は以下の2点です。

✔︎ 2020年から2021年前半の成長率を維持できなくなっている。中にはマイナス成長の銘柄も。
✔︎ 高インフレに対応するためにFRBが金融政策を引き締めている

この2点が解消されるまでは浮上することはありません。

 

現在2023年1月時点では若干反発していますが、上記2点が解決していないので今後また沈むものと考えています。

わかりやすいのが以下の現在のARKKとITバブル崩壊時のナスダックのチャートです。

 

当時のナスダックは現在のARKKのように若い成長企業ばかりで占められていました。GAFAがまだ小型グロースだった時代です。

以下の通り一旦自立反発しても、その後売り込まれていきました。

 

現在のARKKと2000年代のナスダックの値動きの推移

 

人間の本質は変わりません。

今後も残念ながら暫く期待することはできません。

 

テーマ株やグロース株は調子が良い時はいいのですが、一度ブームが終わるとバブルは崩壊します。

長期的に資産を形成するためには、どの時代でもリターンを見込むことができるファンドに投資をすることをおすすめします。

以下の記事で詳しくお伝えしていますので、ご覧いただければと思います。

 

 

 

まとめ

今回のポイントをまとめると以下となります。

ポイント

✔︎ アークが監修しておりARKKと同じ値動き
✔︎ 運用開始から下落しており調子が良い時はない
✔︎ 今後も暫くマクロ環境要因で厳しい展開の継続が見込まれる

締め括り

 

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資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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