やめとけ!儲からない!と評判のキャピタル世界株式ファンドは本当におすすめできる?過去の利回り・運用成績と今後の見通しは?掲示板やブログ等の口コミ含め網羅的に評価!

日本の投資信託(含むETF)分析

やめとけ!儲からない!と評判のキャピタル世界株式ファンドは本当におすすめできる?過去の利回り・運用成績と今後の見通しは?掲示板やブログ等の口コミ含め網羅的に評価!

2022年6月25日

投資信託への投資は、プロが運用してくれると思いつつ気軽に投資をしては失敗してしまいます。

米国のインデックスファンドでさえ、見通しは誰にもわかりません。しかし、どういうわけか軽い気持ちで投資をしてしまう個人投資家が後を絶ちません。シンプルでわかりやすいものに多くの人々は飛びつき、失敗するのが世の常です。

S&P500大暴落

 

株式投資を自分で実践するよりも、有名な大手金融機関が運用してくれる投資信託で運用を選ぶのはわかります。しかし、投資信託にはそれぞれテーマがあり、そのテーマに沿った運用が行われます。そして、そのテーマは個人投資家が自分で選ばなければなりません。

 

つまりは、相当なマーケットの状況、景気見通し、トレンド(昨今ではAIや暗号通貨でした)を読む力がなければならないのです。

実は、非常に難易度の高い投資であることを認識しましょう。そして、まさにトレンドが終わり基準価額の下落が止まらないとの声が止まない「キャピタル世界株式ファンド」について今回は分析してみようと思います。

 

キャピタル世界株式ファンドとは?

ファンドの概要

商品分類:

  • 単位型・ 追加型:追加型
  • 投資対象 地域:内外
  • 投資対象資産 (収益の源泉):株式

属性区分:

  • 投資対象資産:その他資産 (投資信託証券 (株式 一般))
  • 決算頻度:年1回
  • 投資対象地域:グローバル (含む日本)
  • 投資形態:ファンド・ オブ・ ファンズ
  • 為替ヘッジ:なし

 

今回はキャピタル世界株式ファンドのシグネチャーファンドを取り上げるので、為替ヘッジはなしです。投資形態はファンズ・オブ・ファンズと、投資信託に投資を行うファンドであることがわかりますね。

 

ファンドの特色:新興国 を含む世界各国の株式に投資

特色というほどではないですが、世界中の株式を対象に中長期で運用を行います。どのような属性の株式に投資をしているのかはポートフォリオを確認しましょう。

以下は最新2022年11月末時点でのポートフォリオです。まずは業種ですが、引き続き情報技術セクターが最大の比率を占めています。次いでヘルスケア、一般消費財サービスとなっています。ヘルスケアと一般消費財の比率が8月と逆転しました。これは容易に想像できるのですが、アマゾンの株価が大きく下落しているからでしょうね。バブル時期の上昇を全て吐き出してしまいました。(後続でちゃんと確認します)

業種名 比率(11月末) 比率(8月末) ±
1 情報技術 17.90% 19.40% -1.50%
2 ヘルスケア 17.00% 14.80% 2.20%
3 一般消費財・サービス 13.80% 17.00% -3.20%
4 金融 10.50% 10.30% 0.20%
5 資本財・サービス 10.40% 9.20% 1.20%
6 生活必需品 6.90% 6.30% 0.60%
7 コミュニケーション・サービス 5.70% 6.50% -0.80%
8 エネルギー 4.70% 3.50% 1.20%
9 素材 4.60% 5.10% -0.50%
10 公益事業 1.20% 1.30% -0.10%
11 不動産 0.60% 0.60% 0.00%
現金・その他 6.70% 5.90% 0.80%
合計 100.00% 100.00% -

 

上位の組み入れ銘柄は以下となっています。テスラが最大のポーションとなっています。時価総額が世界トップ10に入る同社ですが、ボラティリティが激しい銘柄であり、EVバブルが終わった銘柄でもあります。現在は2023年1月ですが、テスラは大暴落を続けています。キャピタル世界株式のパフォーマンスが高いはずがないですね。アマゾンはポートフォリオ上位の遥か圏外にいってしまいました。

 

銘柄名 国名 業種名 比率 概要
1 テスラ 米国 一般消費財・サービス 6.20% 電気自動車と関連部品、ソーラーパネルなどの設計、製造、販売を手掛ける。充電・蓄電の電力システムも製造。
2 マイクロソフト 米国 情報技術 4.20% ソフトウェア製品の開発、製造、ライセンス供与、販売およびサポートを手掛ける世界的なソフトウェアメーカー。
3 台湾セミコンダクター・ マニュファクチャリング 米国 コミュニケーショ ン・サービス 2.80% 世界最大級の半導体受託製造企業。半導体の小型・軽量化、高機能化に貢献する最先端の技術を有し、情報技術の発展に不可欠な部品供給に貢献。
4 ASMLホールディング 台湾 情報技術 2.50% 世界的な半導体製造装置メーカー。子会社を通じて半導体産業向けリソグラフィー装置の開発、製造・販売、関連サービスを手掛ける。
5 ノボルディスク 米国 コミュニケーショ ン・サービス 2 1.70% 世界的に事業展開する医薬品メーカー。糖尿病のケアに注力しているほか、止血管理、成長障害、だいたいホルモン治療などの分野も手掛ける。
6 イーライリリー オランダ 情報技術 1.70% 米国に本社を置くグローバルの研究開発型製薬会社。糖尿病、がん、自己免疫疾患などに対する治療薬の製造・販売を手掛ける。
7 アストラゼネカ 米国 一般消費財・サー ビス 1.60% 英国大手製薬会社。強力な製薬パイプラインを有し、循環器疾患、呼吸器疾患、がん領域の分野で高いシェアを誇る。
8 ネスレ 米国 ヘルスケア 1.30% スイスを本拠地とする加工食品、飲料会社。菓子類、飲料水など広い範囲にわたる食品の製造・販売
9 アルファベット 米国 情報技術 1.30% インターネット検索、広告、地図、ソフトウェア・アプリケーションなどを手掛ける「グーグル」などを傘下に置く持株会社。
10 AIAグループ デンマーク ヘルスケア 1.30% 保険および金融サービス会社。アジア地域を中心に生命保険、傷害疾病保険、年金プランならびに健康管理サービスを提供。

 

テスラはこの1年で-71.79%の大暴落です。そもそもEVバブル×異次元金融緩和バブルの掛け算で急騰していた銘柄でしたので、流石に限界でしょう。
テスラ株価

アマゾンも大暴落ですがテスラよりはマシですね。

アマゾン 株価

 

以下はポートフォリオの遷移です。わかりやすく暴落したアマゾン、メタ(フェイスブック)がポートフォリオからいなくなり、アルファベットが3位から9位に後退しました。

明らかにインターネットという米国の成長ドライバーの衰退を感じますね。筆者は米国インデックスファンドの今後の行方に懐疑的なのも、成長ドライバーの不在を理由として主張しています。

11月末時点 8月末時点 5月末時点
1 テスラ テスラ テスラ
2 マイクロソフト マイクロソフト マイクロソフト
3 台湾セミコンダクター・ マニュファクチャリング アルファベット アルファベット
4 ASMLホールディング 台湾セミコンダクター・ マニュファクチャリング 台湾セミコンダクター・ マニュファクチャリング
5 ノボルディスク メタプラットフォーム メタ・プラットフォームズ
6 イーライリリー ASMLホールディング ASMLホールディング
7 アストラゼネカ アマゾン・ドット・コム アマゾン・ドット・コム
8 ネスレ アストラゼネカ アストラゼネカ
9 アルファベット ネスレ ブロードコム
10 AIAグループ ノボルディスク AIAグループ

 

GAFAM(Google/Amazon/FB・META/Microsoft/Apple)などテック大型株は2000年のITバブル期から成長し、2020年の金融緩和もあり大幅に株価を上昇させてきましたが、これが未来永劫続くわけではありません。

米テック大型銘柄はプラットフォームを提供することで成長してきましたが、世界はすでに次のステージへ向かっています。

上記のプラットフォームビジネスはWeb2です。そして今後はプラットフォーマーが存在しない、ブロックチェーンを活用した分散型ネットワークを活用した世界になります。Web3の時代ですね。

検索エンジンでさえ消失するかもしれないテクノロジー(ChatGPTなど)が今日も生まれています。米国のGAFAMの支配は終わらないという少し愚鈍な投資家は多いですが、それでは投資では勝てません。次なるトレンドの入り口に立つ必要があるのです。

 

米国自身が巨大テック企業のM&Aを規制するなどすでに独占を阻止する動きは明るみになっており、これは今後加速します。キャピタル世界株式ファンドも、近い将来でポートフォリオの入れ替えは必要になってくるのではないかと考えています。

テック一辺倒で勝てる時代は終わりました。今思えば、2020年からのテック企業の暴騰は明確にバブルでしたね。バブルとは終わって振り返った時に気づくものです。

キャピタル世界株式ファンドのファンドマネジャーが心を入れ替え、そしてテック偏重のポートフォリオを入れ替えない限り、個人投資家としてキャピタル世界株式ファンドを買える日は訪れません。

 

 

キャピタル世界株式ファンドの手数料

アクティブファンドであり、世界中の株式を調査し投資をしているのでインデックスファンドに比べると当然高くなります。

キャピタル世界株式ファンドの購入手数料は購入時の基準価額に対して3.3%(税込)、信託報酬が年率1.701%(税込)となります。

 

キャピタル世界株式ファンドの基準価格チャート推移、パフォーマンス(運用実績)

では肝心の運用実績を見ていきましょう。キャピタル世界株式ファンドは為替の影響を受けます。

設定来基準価額

 

上記は運用が開始された2007年からの運用実績となりますが、2021年11月以降の下落は米国株の大幅下落を円安で防いでいる状況とも言えます。

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2022年 -3.74% -10.01% -1.15% -- --

 

限定為替ヘッジの場合は以下の通りのパフォーマンスとなっています。壊滅的です。

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2022年 -7.98% -17.62% -5.36% -- --

 

限定為替ヘッジの有無

参考:限定為替ヘッジの有無

 

 

円安がありながらもこれだけの下落なので、そして上記で述べたようにポートフォリオ1位のテスラが2022年末より暴落が加速していること、ドル円も円高が進んでしまったことから、現状はとても厳しいです。

テスラ株価

 

これまで米国株インデックスの日本人投資家は円安に資産が支えられていましたが、ついに凋落しています。

米ドル/円

米ドル/円チャート

 

為替に関しては米国の利上げが据え置きになる局面で、日本側からまさかのYCC見直しのサプライズ政策が発表されました。実質利上げですので、さらに円高の機運は高まるかと思います。

イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用の見直し

 

そもそもキャピタル世界株式ファンドは2000年から続くテックバブルの後半の一番美味しい部分を刈り取ってパフォーマンスを上げてきたファンドです。しかし、テックバブル、すなわち米国の成長ドライバーは衰退し始めています。これはGAFAM各銘柄の決算、売上や利益の成長率を見れば明らかです。

すでにパイを取り切ったため、これ以上の成長は見込めず、次の時代へ移っていきます。それは米国ではなくインドなどを筆頭とした新興国かもしれませんし、投資家は次なる成長を探す旅に出る必要があります。

キャピタル世界株式ファンドのポートフォリオマネジャーも次なる成長を見込んだ投資ができず、テック株にこだわるようであれば、今世で日の目を見ることはないかもしれません。キャピタル世界株式ファンドは明確に売りです。

 

他ファンドとの比較(eMAXIS 全世界株式インデックス

キャピタル世界株式ファンドはアクティブファンドですので、インデックスファンドのリターンを超えている必要があります。そのため同じく全世界を対象としたインデックスに投資しているeMAXIS全世界株式インデックスと比べてみたいと思います。

そうでなければ、投資家がわざわざインデックスファンドよりも高い手数料でアクティブファンドを購入する理由がないからです。

 

運用開始以降のリターンは以下となります。殆どインデックスと同じですね。結果としては全世界株式インデックスに劣後しています。

青:キャピタル世界株式ファンド
赤:eMAXIS全世界株式インデックス

キャピタル 世界株式ファンドとemaxisslimの比較

 

直近1年の比較でみるとキャピタル世界株式ファンドは圧倒的にeMAXIS全世界株式インデックスに劣後しています。

キャピタル世界株式ファンドとeMAXIS全世界株式インデックスの過去1年の比較

 

相当な調査をしているにも関わらず調査なしのファンドに負けるのは少し情けない結果となっています。また、どうしても世界の景気動向により利回りが簡単にマイナスになってしまうので、複利を活かした飛躍的なリターンが獲得できるかどうかは神のみぞ知るというところですね。

アクティブファンドは利回りを作っていくプロ、インデックスファンドは神頼みとしての側面が強いです。利回りを作れないプロにわざわざ自分の大事な資金を預ける理由はありません。神頼みは怖いです。

利回りを作っていけるプロに厳選したファンドを筆者の長年の経験をもとに作成した記事もありますので参考にしてみてください。

【2022年】日本国内の優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ先を紹介!選択に必要な知識と魅力的な金融商品をランキング形式で初心者にもわかりやすく解説
【2023年】日本国内の優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ先を紹介!選択に必要な知識と魅力的な金融商品をランキング形式で初心者にもわかりやすく解説

続きを見る

 

今後の見通しは?

今後の見通しは殆ど全世界的な株式がどうなるかという見通しを行うことと同じだということが先ほどの運用実績からご理解いただけるかと思います。

現在の全世界の株式市場の動向を整理すると以下となります。

 

チェックリスト

  • コロナ禍でのばら撒きの影響で強烈なインフレが発生
  • インフレはおさまる気配を全くみせていない
  • 日本を除き世界中で金融引き締めを断行している
  • 更に米国では財政引き締めも実行している
  • 景気後退懸念が台頭してきている
  • 企業収益は今後しぼむことが想定されている
  • 円高が進みパフォーマンスはさらに悪化する見込み
  • IT・テックという成長ドライバーを失い、長年停滞する可能性も高い

 

このような状況は1970年代後半と似ています。ここから株価が上昇していくことは想定しにくい状況となっています。

筆者としてはいかなる局面でもリターンを目指すことができるヘッジファンドという選択肢を選び投資をしています。

 

ヘッジファンドは上昇局面をしっかりととりながらも、下落時でもリターンをとったり損失を抑制したりして堅実にリターンを積み上げています。

ヘッジファンドとは?

 

【2022年】日本国内の優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ先を紹介!選択に必要な知識と魅力的な金融商品をランキング形式で初心者にもわかりやすく解説
【2023年】日本国内の優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ先を紹介!選択に必要な知識と魅力的な金融商品をランキング形式で初心者にもわかりやすく解説

続きを見る

 

 

掲示板での口コミや評判

成績が芳しくないこともあり批判的な意見が大きくなっています。

まずはYahoo financeからです。

 

Yahoo掲示板①

お付き合いで少し買っているがここだけマイナスなんだよね

3年で見て欲しいとのことでもう少し続けてみようと思いますが手数料も高いし逆転は難しいと思うがはてさて

 

Yahoo掲示板②

あまり成績良くない。今後の動向で解約も視野に入れます

 

5ch掲示板③

キャピタル世界積二ーで買い始めたけど現状オルカンと比べてぐぬぬって感じ
まあ長期実績で見たらオルカンより全然いいから積み立てるのみだが

 

これに関してはキャピタル世界株式ファンドが販売資料で提示している、1972年から運用を実施した場合の仮想リターンを信じてしまっているのでしょうか?

あくまで仮想であり、「たら」「れば」を一番よく解釈した場合の、ありえないリターンです。以下の図を鵜呑みにしないほうが賢明でしょう。絵に描いた餅です。

仮想的なキャピタル世界株式ファンドのリターン

実態としては殆どインデックスと同じで、手数料だけ払う結果となっていることを忘れてはいけません。

 

まとめ

キャピタル世界株式ファンドは評判が良いように聞いていました。

しかし、インデックスファンドに負けておりわざわざアクティブファンドの手数料を払ってまで投資をする先なのかとそこは疑問が生じました。

 

筆者は景気動向に関係なく常にマイナスを出さない、プラスリターンで複利効果が実感できる投資先を追い求めています。

資産の飛躍は、複利以外にありえないからです。

 

キャピタル世界株式ファンドの直近のリターンも、完全に米国の歴史上類を見ない規模の金融緩和により獲得したリターンです。

これから難易度がどんどん上がっていく相場で、インデックスファンドに負けるファンドが優秀な成績を挙げられるのかというと非常に疑問です。

 

以下ではインデックスの下落局面を抑制しながら高いリターンを出しているファンドを紹介していますのでご覧ください。

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

-日本の投資信託(含むETF)分析