2020年から2021年にかけて米国を中心にバブル相場となり株式投資が大変盛況となりました。多くの億り人がでて、FIREという言葉が盛り上がりましたね。
投資信託も盛り上がっている市場をテーマとしてファンドを組成するので米国株を取り入れたファンドを大量に組成しました。
以前、当ブログでも以下のようなテーマファンドを取り上げています。
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しかし2022年に相場はバブル相場の上昇を吐き出し、2023年は一旦のリバウンドを経験するものの、いまだに金融引き締めによって苦しい相場展開が続いています。
今回はテクノロジーテーマファンドであるネットウィンについて、実態と今後の見通しを解説していきたいと思います。
結論としてはしばらくは厳しい展開になりそうなので、もっと良い投資先を模索するのが良いかと思います。
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ネットウィン(=netWIN GSテクノロジー株式ファンド)の特徴とは?
ネットウィンの特徴とはどのようなものかをまずは列挙していきます。
ネットウィンの投資哲学
目論見書では投資哲学について以下のように述べられています。
「よりよい投資収益は、長期にわたって成長性の高い事業へ投資することにより獲得される」
つまり、長期的に高いリターンが見込める企業に投資しているということですね。
イメージとしてはバフェット的な銘柄選択を行なっているという感じですね。主に重視するポイントは以下としています。
強固なビジネス展 | 確立されたブランド 高水準の市場シェア 商品の価格支配力 継続的な収益構造 高い投下資本利益率 |
優秀な経営陣 | 合理的な資本配分 一貫性のある事業業績 株主と同じインセンティブ |
優れた長期見通し | 予測可能かつ持続的な成長性 長い製品ライフサイクル 強固な競争優位 人口動態から見た優位性 |
ゴールドマンサックスとは?
ゴールドマンサックスという名前は就活で外資系金融へトライしたことがある方なら知らない方はいないでしょう。
JPモルガンと共に米国を、いや世界を代表する証券会社です。
ゴールドマンサックスに入社さえすれば、2年目には年収1000万円、30代まで生き抜けば1億円も見えてきます。
つまり、世界のエリートが集う会社だということです。
王道銘柄中心の構成上位銘柄
では具体的にネットウィンがどのような銘柄に投資しているか見ていきましょう。
以下は2023年7月末時点でのネットウィンの構成上位銘柄です。
アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、アップルと時価総額100兆円超えの超巨大IT企業でずらりと固められています。
これはもはや時価総額加重平均指数ですね。アクティブファンドといえる代物ではありません。ほぼナスダック100指数です。
2023年4月末時点までの構成順位は以下となります。顔ぶれはあまりかわらず長期投資をしていることがわかりますね。
2023年7月末 | 2023年4月末 | 2022年12月末 | 2022年9月末 | 2022年6末 | |
1 | アルファベット | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト |
2 | マイクロソフト | アルファベット(GOOG) | アマゾン | アマゾン | アマゾン |
3 | アマゾン | アマゾン | アルファベット(GOOG) | アップル | アルファベット(GOOG) |
4 | エヌビディア | アップル | エヌビディア | アルファベット(GOOG) | アップル |
5 | アップル | エヌビディア | アップル | アクセンチュア | アドビ |
6 | マーベル・テクノロジー | ビザ | KLAコーポレーション | アメリカン・タワー | アメリカン・タワー |
7 | KLAコーポレーション | マーベル・テクノロジー | ビザ | パロアルトネットワークス | アクセンチュア |
8 | ビザ | アドビ | アクセンチュア | KLAコーポレーション | KLAコーポレーション |
9 | アドビ | エクイニクス | アメリカンタワー | エクイニクス | パロアル |
10 | パロアルトネットワーク | KLAコーポレーション | エクイニクス | シスコシステムズ | エクイニクス |
一貫して超大型銘柄を組み入れています。ゴールドマンサックスの名前でコーティングしたインデックスファンドみたいなものです。
セクター別でみると以下の通りハイテク銘柄中心の情報技術セクターが多くなっています。
セクター | 比率 |
情報技術 | 60.80% |
金融 | 10.50% |
コミュニケーションサービス | 9.90% |
一般消費財 | 9.00% |
不動産 | 5.40% |
コミュニケーションサービス | 6.10% |
資本財 | 1.30% |
現金 | 3.10% |
情報技術セクターの銘柄が集中している2022年からのナスダックの株価チャートは以下です。
2023年はリバウンドしていますが、大型株のみが上昇し指数を引き上げてしまっているので、非常に腰が入っていない相場上昇となっています。
このような小型株を置き去りにした指数の上昇は今後の大きなショックを起こす可能性を秘めており、緊張感のある相場となっています。
以下の下段はAD Lineという指標で、指数の中で上昇した銘柄数から下落した銘柄数を差し引いて求められます。
AD Lineが下落するということは指数の中で下落している銘柄の方が多いということで相場の基調的な弱さを映し出していっます。
ネットウィンの手数料
ネットウィンの手数料は以下となります。
購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:年率2.09%
ネットウィンの運用実績をチャートで確認(どこまで上がる?)
では最も重要なネットウィンの運用実績についてみていきたいと思います。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
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2023年 | 14.81% | 14.23% | -- | -- | -- |
2022年 | -12.96% | -25.41% | -6.58% | -4.50% | -42.08% |
2021年 | 0.53% | 13.57% | 0.51% | 5.44% | 20.98% |
2020年 | -8.90% | 25.13% | 10.65% | 11.17% | 40.22% |
2019年 | 16.70% | 5.93% | -1.21% | 9.99% | 34.34% |
1999年から運用して分配金再投資後でも2倍にしかなっていませんね。運用開始直後にITバブル崩壊に巻き込まれて80%下落を被っているのが大きいわけですが。
ただ直近は2020年からの空前のハイテク株バブルの恩恵もあって勢いよく資産をのばしましたが、2022年に大きな調整を被弾しています。
各種インデックスと比較したチャートが以下となります。(2023年7月末)
青:ネットウィン
赤:ナスダック
緑:S&P500
S&P500指数にも全世界株式にも負けた成績となっていますね。アクティブファンドとしては非常に情けない水準となっています。
さきほど構成銘柄から考えると、ほぼインデックスと言いましたが訂正します。インデックスの下位互換です。
直近は上昇していますが、これは一過性のものです。
先ほどお伝えした通り多くの銘柄が下がっているのに一部の銘柄によって支えられている相場は基本的に長続きしません。
2023年8月まで上昇してきたのは一部のAI関連銘柄がブームとなっているからです。しかし、一つのセクターで相場を牽引しつづけることはできません。
相場全体の動きを考える時に重要なのはFRBの金融政策です。現在、FRBは当面金利を高水準で維持していると宣言しています。
それどころか直近はインフレの再加速が懸念され、さらなる引き締めも必要という声も高まっています。
このような状況で株式市場が上昇を続けるのは非常にハードルが高いのです。
筆者としては、このように不安定な相場の中で値動きの激しいテクノロジー銘柄に投資をしているネットウィンに投資をするのは合理的とは考えません。
大きな資産を長い年月をかけて形成するためには暴落をこうむらずに安定したリターンを積み上げることが重要だからです。
そのような選択肢として筆者が注目しているのがヘッジファンドです。
ヘッジファンドは以下の通り暴落を免れながらインデックスを上回る安定したリターンを積み上げていっています。
以下では筆者が投資しているファンドを含めて魅力的なものをお伝えしていますのでご覧いただければと思います。
ネットウィンの5chやYahoo finance掲示板やTwitterでの評判や口コミ
今後の見通しについて見ていく前に、まずは評判について紐解いていきたいと思います。
5ch
コロナで失われた10年とかになりかねなくてワロエナイ
売るのが正解なんでしょうねー売らないけど。
米国テック企業の株価の好調さが伺えます。ただ、仮に積立投資を100人が開始して、20年間継続出来た人が何人いるのか、知りたいです… / 積み立て20年で投資元本が5.8倍に ゴールドマン「ネットウィンB」
Yahoo 掲示板
楽観的な書き込みが散見されますが、この銘柄は19〜21年くらいまでの難易度が稀に見る低い時代の情報に基づいているのだと思います。
今年は第二次大戦後最も難易度が高い相場。近年の理屈を当てはめないほうがいいでしょう。NETWINGSは、グロースでも情報産業に集中投資する銘柄です。今最も難易度が高い銘柄群で構成されています。リートと組み合わせてヘッジする必要があるほどの状況です。
Yahoo 掲示板
円高来てますね。
月曜かなり下がっちゃうかな。
どこまで上がる?2023年以降の今後の見通し
では今後の見通しについてお伝えしていきたいと思います。先ほどの口コミにも出ていましたが、正直今後しばらく厳しいと思います。
状況は2000年からのITバブルの崩壊に非常に似ているからです。コロナショックをへて金融緩和で金利が下落して株式のバリュエーションがあがり株価は大きく上昇していきました。
特に金利低下の影響が大きいハイテクグロース銘柄の上昇が顕著でした。さらに、実際にパンデミックを機に生活スタイルが変化してハイテク企業のサービスに注目があつまり企業業績も急成長しました。アマゾンも成長スピードが異常に加速し5年分先取りしたといわれています。
しかし、2021年後半からこれらの状況が逆転し始めました。40年ぶりのインフレが発生していることで中央銀行は金融緩和を取り下げ引き締めに転じています。
さらにハイテク企業は2020年から2021年の高成長の反動で2022年以降、成長率が低下しています。
これらの影響でハイテク企業は2021年後半から大きく暴落しています。2023年になってもこの状況は続いています。
しかし、ITバブルの崩壊が複数年つづいたことから分かる通り、問題の根は深く今後しばらくは厳しい可能性が高いとみています。
筆者としてはいついかなる市場環境であってもリターンが見込める銘柄こそ長期投資に適した銘柄だと考えています。
以下で詳しく纏めていますのでご覧いただければと思います。
まとめ
今回のポイントをまとめると以下となります。
ポイント
✔︎ネットウィンはハイテク銘柄に投資
✔︎ハイテク銘柄中心に投資
✔︎調子がいい時はよいが悪い時はかなり大きな下落となる
✔︎今後の見通しもしばらくくらいことが見込まれる