今回も投資信託を分析していきます。
世の中には様々なファンドが存在しますが、一つ一つしっかりと分析し、本当に優秀なファンドなのかを見極める必要があります。
株式投資と実は同様に、ファンド探しも難しいのです。しかし多くの人はなんとなくで投資をし、損をしています。今回取り上げるファンドは「ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド」です。
結論としては、他にもっと良い選択肢があるかと思われます。
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ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドとは?
概要
商品分類:
- 単位型・ 追加型:追加型
- 投資対象 地域:内外
- 投資対象資産 (収益の源泉):株式
属性区分:
- 投資対象資産:その他資産 (投資信託証券 (株式 一般))
- 決算頻度:年1回
- 投資対象地域:グローバル (含む日本)
- 投資形態:ファンド・オブ・ファンズ
- 為替ヘッジ:なし
ファンドオブファンズ形式のグローバルな投資をおこなっていくファンドであることがわかりました。ファンドオブファンズの場合、投資家からの資金集めのための箱としてファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドを設立しているのか?
本当に個人投資家がリーチできない優秀な世界のファンドに代わりに投資してくれているのかが気になるところですね。
ファンドの特色と組入銘柄:長期的な値上がり益の獲得をめざして運用(組入銘柄の株価は?)
「長期的な値上がり益の獲得 をめざして運用」と目論見書で謳っており、まさに株式市場よりも企業の成長可能性、世界のトレンドの移り変わりを捉える、といったファンドですね。
未来への目利きが必要となりますので、辛抱強く10年、それ以上忍耐強く、投資を続けなければならないファンドであると覚悟しましょう。
ただし、過去のリターンからその将来を読み解く力が本当にあるかどうかはある程度わかりますので、そちらでファンドの実力を見極めましょう。
さて、ポートフォリオはどのような形になっているのでしょうか?最新の23年4月末時点の状況を見ていきます。まずはセクターです。
生活必需品と情報技術セクターがやはり大きくなってきますね。また、66.9%が米国の企業への投資となっています。
なんとなくですが、FANGMAN(Facebook Apple Nvidia Google Microsoft Amazon Netflix)への投資が多いのではないでしょうか?
インデックス投信とリターンが変わらない可能性がすでに懸念されます。
23年4月末時点の具体的なポートフォリオは以下です。結構、上位銘柄が入れ替わっているのがわかりますね。株価の上下が原因かと思います。
2023年4月末 | 2022年12月末 | 2022年9月末 | 2022年6月末 | |
1 | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト | マイクロソフト |
2 | ノボノルディクス | ノボノルディクス | アマゾン | ノボ・ノルディスク |
3 | ロレアル | ロレアル | アップル | フィリップ・モリス・インターナショナ ル |
4 | アイデックスラボラトリーズ | フィリップ・モリス | アルファベット(GOOG) | ロレアル |
5 | ストライカー | アイデックスラボラトリーズ | アクセンチュア | エスティローダー |
6 | LVMH | エスティーローダー | アメリカン・タワー | アイデックスラボラトリーズ |
7 | フィリップ・モリス | ストライカー | パロアルトネットワークス | ペプシコ |
8 | エスティーローダー | ペプシコ | KLAコーポレーション | マコーミック |
9 | ペプシコ | LVMH | エクイニクス | ストライカー |
10 | メタ・プラットフォームズ | マコーミック | シスコシステムズ | オートマチック・データ・プロセシン グ |
現在の構成上位銘柄は以下となります。
銘柄 | 国・地域 | 業種 | 比率(%) | |
1 | マイクロソフト | 米国 | 情報技術 | 7.6 |
2 | ノボノルディクス | デンマーク | ヘルスケア | 7.4 |
3 | ロレアル | フランス | 生活必需品 | 5.5 |
4 | アイデックスラボラトリーズ | 米国 | ヘルスケア | 5.2 |
5 | ストライカー | 米国 | ヘルスケア | 4.7 |
6 | LVMH | フランス | 一般消費財・ サービス | 4.6 |
7 | フィリップ・モリス | 米国 | 生活必需品 | 4.6 |
8 | エスティーローダー | 米国 | 生活必需品 | 4.3 |
9 | ペプシコ | 米国 | 生活必需品 | 4.0 |
10 | メタ・プラットフォームズ | 米国 | コミュニケーショ ン・サービス | 3.8 |
マイクロソフトは2023年はAIブームで反発していますが、実際にファンド全体でリターンが出ているのか確認していきましょう。1銘柄だけではファンドリターンにおいては限定的です。
ファンドの特色:ファンドスミスSICAV- ファンドスミス・エクイティ・ファンドが運用
ファンドスミスSICAV- ファンドスミス・エクイティ・ファンドが運用することになっています。
つまり、実質的にはファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドは個人投資家から資金を集める箱であることがわかります。
無駄に手数料が掛からなくて良さそうですね(多少はかかるとは思います)。
ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドの手数料
ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドはアクティブファンドであり、インデックスファンドに比べると手数料は当然高くなります。
ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドの購入手数料は購入時の基準価額に対して3.3%(税込)、信託報酬が年率1.8335%(税込)となります。
ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドの基準価格チャート推移、利回りとリスク(運用実績)
それでは見ていきましょう。基準価額は現在10,527円です。まだマシな運用をしているようにも見えます。設定来5%程度ですね。明らかにインデックスにボロ負けしていることは明らかですが、他テーマファンドよりかはだいぶマシですね。
筆者から言えることはシンプルで、あまりにも運用実績が短くて評価不可能ですが、流石にインデックスは上回っていて欲しかったです。
より細かいデータは以下です。やはり2022年は壊滅的ですね。-11%のマイナスは+11%では補いきれず、損切りが推奨されるのはこのためです。取り返すには時間がかかるのです。2023年の1-3月期は短期的な反発ですね。ナスダックのAD Lineを見ると大型株しか上昇しておらず、これは長い下落相場が続くことを示唆しています。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
2023年 | 10.73% | -- | -- | -- | -- |
2022年 | -5.17% | -6.03% | -0.42% | -0.41% | -11.63% |
ADライン(Advance Decline Line)とは、株式市場の勢いを見るための指標です。 株価指数の構成銘柄のうち、上昇した銘柄数と下落した銘柄数を足し合わせて作られた線で、ADラインが上に向けば上昇している銘柄が多く、下に向くほど少なくなります。
もう少し、実績を積み、最低でもあと4、5年ほどは観察した上で投資判断を決めたいものです。筆者も応援したいファンドです。ただ今買うのは実績的にもキャリア的にも流石に無理ですね。
もっと良い選択肢が絶対にあります。
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対象となる株価指数(=インデックス)との比較
以下はインデックスとの比較ですが、上記で述べた通りアンダーパフォームしています。
青:ファンドスミスグローバルエクイティファンド
赤:eMAXIS Slim 全世界株式
あくまで、まだまだ短期運用ですので、ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドをそこまで批判はできません。
ポートフォリオの銘柄も他ファンドは想像通りの内容なのですが、ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドは比較的ファンドマネジャーの意志のある銘柄選択を行なっており、将来的には化けるファンドになる可能性を感じますが、買い時は今ではないでしょう。
ファンドスミスの掲示板などでの口コミ
あまり参考にはなりませんでしたが、Yahoo!ファイナンスの口コミは以下です。まだ若いファンドなので、数年後の結果に期待です。
こりゃ当分ダメだ
9月22日以降の投稿が全く無し
所有者から見放されたかな⁉️
不安ドスミス、頑張ってくれよ‼️基準価額9492円プラス➕69円
良く頑張ってくれた!明日の晩には、此処にも超特大の台風が吹き荒れる!
今日は若干上がるかな?天でエリザベス女王が見待って下さっているかも?
昨日のは晩は個別銘柄が上げて12日の基準価額は10000円回復か?エリザベス女王が天から見てくださっているか?ファンドスミス頑張って!
ファンドの今後とまとめ
ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドについてまとめました。
まだまだ運用期間が非常に短いファンドではありますが、将来的に可能性は感じました。
ただし、2022年〜2023年、または2024年までは金融引き締めが続く可能性があり、そもそも米国株は厳しい環境です。
この金融引き締めが終わり、ファンドスミス・グローバル・ エクイティ・ファンドのリターンを再度確認した時に、
素晴らしい成績を出していたら是非とも投資を検討したいですね。
市場環境によらず既に長年結果を出しているファンドについては以下で紹介していますのでご覧いただければと思います。
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