【愛称:The 5G】人気の投資信託「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」を徹底評価!評判通り今後の見通しも明るいのかを含めて解説。

日本の投資信託(含むETF)分析

【愛称:The 5G】人気の投資信託「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」を徹底評価!評判通り今後2023年以降の見通しも明るいのか?売り時を含めて解説。

2022年7月8日

2020年からの米国ハイテクブーム(というよりバブル)によって、日本でも様々なハイテク投信が組成されました。

その中の1つに「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」があります。「The 5G」の愛称で親しまれています。

 

5Gでできること

高速・大容量 通信速度は4Gの100倍。移動通信料は4Gの1000倍。
多数同時接続 多数端末との同時接続が飛躍的に拡大
超低遅延 映像や音声等の送信速度の遅が劇的に解消

 

日本でも2020年から5Gが導入されて当時は話題になりました。既に世界では5Gは当たり前になっています。

本日はThe 5Gについて概要、運用実績などから今後の見通しを紐解いていきたいと思います。

 

次世代通信関連世界株式戦略ファンド(愛称:The 5G)の特徴とは?

The 5Gの特徴についてまずみていきたいと思います。

 

投資対象は5Gに関連するすべての領域

投資対象は以下の通り5Gに関連するあらゆる銘柄です。

インフラの整備や導入期、普及期すべてに関わる銘柄を選定しています。

 

The 5Gの投資対象

 

カテゴリー 主な事業分野
通信インフラ関連 ✔︎アンテナ
✔︎ネットワーク機器
✔︎光ファイバー
通信サービス関連 ✔︎無線通信
✔︎クラウド関連
✔︎ソフトウェア
IoT機器・装置関連 ✔︎センサー
✔︎レーダー
✔︎IoT最終製品

 

投資対象は日本だけでなく、世界の株式となっています。

 

コラム:5Gの進展で可能となること

5Gの普及で可能となることについてみていきましょう。具体的には以下のことが実現可能となります。

  • 自動運転の普及
  • 機械同士が相互に通信・連携(IoTの促進)
  • 健康管理の高度化、遠隔手術の実現
  • VR(仮想現実)体験の充実

 

例えばIoTが進展することで以下のことが可能となります。

 

✔︎エネルギーマネジメント
✔︎セキュリティ
✔︎家事自動化
オフィス ✔︎労働者モニタリング
✔︎エネルギーモニタリング
✔︎ビルセキュリティ
工場 ✔︎オペレーション最適化
✔︎予測的メンテナンス
小売 ✔︎自動会計
✔︎配置最適化
✔︎在庫管理

 

実質的な運用はニューバーガー・バーマン・グループが担当

販売しちえるのは三井住友信託銀行ですが、実質的に運用を行なっているのはニューバーガー・バーマン・グループです。

ニューバーガー・バーマン・グループは1939年創業の資産運用会社です。

 

世界の運用拠点にて約650名の運用担当者が資産運用サービスを提供しています。

運用資産残高は総額約53兆円となっています。

あとで手数料についてお伝えしますが、三井住友とニューバーガーの両方に手数料が徴収されることとなります。

 

構成上位銘柄とその株価

11月30日時点の「The 5G」の構成上位銘柄は以下となります。

 

銘柄 業種 産業分野 比率 会社概要
1 マーベル・テクノロジー 米国 情報技術 通信インフラ関連 4.28% 米国の半導体メーカー。通信基地局やデータセンター向 けの半導体に強みを有する。
2 ASMインターナショナル オランダ 情報技術 IoT機器・装置関連 4.25% オランダの半導体製造装置メーカー。半導体ウエハー 上に回路の素材となる膜を形成する成膜装置に強みを 有する。
3 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 米国 情報技術 通信インフラ関連 4.18% 米国の半導体メーカーで、CPU(演算処理半導体)や GPU(画像処理半導体)に強みを有する企業。
4 キーサイト・テクノロジーズ 米国 情報技術 通信インフラ関連 3.88% 世界中の通信関連企業を顧客に持つ電子計測機器 メーカー。ネットワークの通信状況を計測するテスト機器 に強み。
5 サービスナウ 米国 情報技術 通信サービス関連 3.66% クラウドを通じて業務支援ソフトウェアを提供するプラット フォームに強みを有する。業務支援ソフトウェアの分野 におけるグローバルリーダー。
6 ノキア フィンランド 情報技術 通信インフラ関連 3.49% 基地局などの通信インフラの敷設において中心的な役 割を担う世界的な通信機器メーカー。
7 ハブスポット 米国 情報技術 通信サービス関連 3.47% オンラインマーケティングに必要なソフトウェアを手掛け る。中小事業者向け製品に強みを有する。
8 タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング 台湾 情報技術 IoT機器・装置関連 3.27% 台湾の半導体受託製造専業企業。スマートフォンやデータセンター向け最先端半導体の受託製造に強み。
9 スターパワー・セミコンダクター 中国 情報技術 IoT機器・装置関連 3.19% 中国の半導体メーカー。IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)と呼ばれる、電力の制御、供給を担う半導体に強みを有する。
10 TモバイルUS 米国 情報技術 通信サービス関連 3.10% ワイヤレス通信プロバイダー。米国全国規模の携帯電 話事業者の大手一角。

 

2022年の大暴落銘柄のオンパレードです。よく握ってられるな・・・と筆者は思いました。しかし、超長期の投資であればアリなのかもしれません。そんなことを言い始めるとどのファンドのポートフォリオも肯定されてしまうのですが。(遠い未来はわからないですからね)毎年コンスタントに利益を出すポートフォリオにしてほしいものです。テーマ投信なので無理があるのかもしれません。

<ポートフォリオ1位銘柄:マーベル・テクノロジー>

マーベル・テクノロジー 株価

 

<ポートフォリオ2位銘柄:マーベル・テクノロジー>

ASMインターナショナル 株価

<ポートフォリオ3位銘柄:アドバンスト・マイクロ・デバイセズ>

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 株価

 

ちなみに9月末は以下でした。そこまで大きな異動はありませんね。株価で上下動はあります。

銘柄 業種 産業分野 比率 会社概要
キーサイト・テクノロジーズ 米国 情報技術 通信インフラ関連 4.56% 世界中の通信関連企業を顧客に持つ電子計測機器 メーカー。ネットワークの通信状況を計測するテスト機器 に強み。
ASMインターナショナル オランダ 情報技術 IoT機器・装置関連 4.00% オランダの半導体製造装置メーカー。半導体ウエハー 上に回路の素材となる膜を形成する成膜装置に強みを 有する。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 米国 情報技術 通信インフラ関連 3.81% 米国の半導体メーカーで、CPU(演算処理半導体)や GPU(画像処理半導体)に強みを有する企業。
マーベル・テクノロジー 米国 情報技術 通信インフラ関連 3.69% 米国の半導体メーカー。通信基地局やデータセンター向 けの半導体に強みを有する。
サービスナウ 米国 情報技術 通信サービス関連 3.53% クラウドを通じて業務支援ソフトウェアを提供するプラット フォームに強みを有する。業務支援ソフトウェアの分野 におけるグローバルリーダー。
アリスタネットワークス 米国 情報技術 通信インフラ関連 3.52% ネットワーク機器メーカー。主にデータセンターやクラウ ドコンピューティング向けのスイッチ製品等に強みを有 する。
TモバイルUS 米国 情報技術 通信サービス関連 3.37% ワイヤレス通信プロバイダー。米国全国規模の携帯電 話事業者の大手一角。
ノキア フィンランド 情報技術 通信インフラ関連 3.30% 基地局などの通信インフラの敷設において中心的な役 割を担う世界的な通信機器メーカー。
ハブスポット 米国 情報技術 通信サービス関連 3.29% オンラインマーケティングに必要なソフトウェアを手掛け る。中小事業者向け製品に強みを有する。
ルクスシェア・プレシジョン・インダストリー 中国 情報技術 IoT機器・装置関連 3.20% 中国の電子機器受託製造企業。米国大手スマートフォ ンメーカーを顧客に持ち、ウェアラブルや周辺機器等を 製造。

 

 

国別でみると米国が全体の60%を占めています。インフレが止まらず利上げを急ピッチで行っている国への投資が最大というのは投資戦略としておかしいのですが、テーマ投信ですから変えられないということも理解できます。つまり、個人投資家がうまくトレードしなくてはならないのです。テーマ投信とは本当に難しいのです。

国地域 比率
1 米国 63.34%
2 日本 8.07%
3 台湾 6.46%
4 中国 5.95%
5 オランダ 4.25%
6 フィンランド 3.49%
7 スペイン 2.48%
8 韓国 2.34%
9 - -

 

売り時はいつかというと、それは2021年の中盤でした。まだ保有してしまっている人は、どうしようもないのですが、しばらく上がりそうにもないのは事実なので一旦売却して良い投資先に投資をするか、10年スパンを覚悟して塩漬けにするしかありません。そこまで大きな資金でないなら保有していることすら記憶から消してしまうくらいがちょうど良いかと思います。

10年後くらいにリターンをのぞいてみましょう。遠い未来は誰にも読めないのでどうなってるかはわかりません。宝くじ的な感じです。

 

The 5Gの手数料

「The 5G」の手数料は以下となります。

購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:年率1.188%程度

信託報酬は1.188%程度ですが、実質的にニューバーガーに支払う手数料も含めると実質的な手数料は年率1.848%程度となります。

アクティブ投信の中でも高いレベルですね。

 

「The 5G」の運用実績とは?

以下は「The 5G」の運用実績の推移です。

 

基準価額の推移

以下はThe 5Gの基準価額の推移は以下となります。

The 5Gの基準価額の推移

 

1カ月 3カ月 6カ月 1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率) 設定来
トータルリターン -8.10% -8.15% -11.06% -34.49% 2.24% 5.10% -- 29.18%

ここ1年はひどいパフォーマンスで、2020年の超バブルで稼いだ分をかなり吹き飛ばしてしまっています。売り時は2021年の中頃でしたが、まだ持っている場合は悲惨な結果になっていると思います。

ちなみに-34%のマイナスですが、本来はもっと損失は大きいです。円安で誤魔化せていますが、実際のリターンは、これからドル高が剥がれ落ちていく間に明るみになっていきます。

米ドル/円

FRBがタカ派に転じたタイミングで綺麗に下落していますので売り時は明らかでした。このブログでもっと早めに警鐘を鳴らせればよかったのですが、なんだかすいません。

 

 

S&P500指数やナスダック総合指数と比較

次世代通信関連世界株式戦略ファンドと米国のS&P500指数とナスダック総合指数の比較です。

青色:The 5G
赤色:ナスダック総合指数
緑色:S&P500指数

 

次世代通信関連世界株式戦略ファンドとナスダック総合指数とS&P500指数の比較

 

ハイテク関連銘柄が多いナスダック総合指数に劣後し、S&P500指数と同等の成績となっています。

また、S&P500指数に比べて値動きの幅は大きいのでシャープレシオはS&P500指数の方が高くなっています。

 

 

他のハイテク投信と比較

同様のハイテク系投資信託とのリターンも比べてみましょう。

青色:The 5G
赤色:クリーンテック株式ファンド
緑色:ゼロコンタクト 
黄色:サイバーセキュリティ株式ファンド

次世代通信関連 世界株式戦略ファンドと他ファンドの比較

 

上記の通り、5Gは3番目のパフォーマンスです。ゼロコンタクトはひどいことになっていますね・・・。

 

 

 

投資信託「The 5G」の掲示板などでの評価

巷ではどのような評価を受けているのか、少しだけ覗いてみましょう。

Yahoo!ファイナンス掲示板

みんかぶによると売れ筋ランキング3299/3300位、一年リターン−18.94%、先月資金流出40億近く。今後に期待出来る要素はなんでしょう。教えて頂きたいです。

このアクティファンドは、一時的の上げはあったものの未だ16000以下。長期保有すると他のファンドの足元にも及ばない。この傾向はコロナ後からも酷いものでした。法外な手数料もその一因だと思いますが、資金の流出が酷いですね。5Gなど過去の話題。まだまだ資産は減るでしょう。

皆さんも同感と思います
今どこら辺を旅してるのか?
今日も大幅値下げで、このファンドの未来を皆気にしてると思いますが、引き続きご教示お願いしますm(__)m

 

かなり厳しい評価が多いですね。今は引き締め局面であり、下落耐性のないファンドですので当然ではあります。

 

投資信託「The 5G」の今後の見通しとは?

重要なのは今後の見通しです。結論からいうと、米国株は今後しばらくは厳しい局面が続きます。理由は高止まりし続けるインフレ率に対応するために、FRBが利上げを急速に行なっているためです。

 

2020年からの大規模な金融緩和で米国株は大きく上昇していきましたが、その副作用が2021年後半から出てきています。

ドルをばら撒きすぎたので、市場にドルが溢れてインフレが発生してしまっているのです。インフレは庶民の生活が困窮するので、中央銀行であるFRBは急速に利上げを行なって景気を冷ましています。

 

利上げを行う、市場から資金を吸収するだけでも株価は大きく下落しますが、加えて利上げにより景気後退懸念がでてきており企業の収益が下落する確度が高まっています。このような局面ではバリュー株は影響は少ないのですが、将来の利益に期待して買われているグロース株は難局を迎えることになります。

今回の5G関連銘柄もハイテク銘柄が中心となっているので今後も厳しい展開が予想されます。

 

そもそも、筆者としては特定のセクターに集中して投資をするファンドはおすすめできません。ブームに乗っている時はよいのですが、一度ブームが終わると売り込まれる傾向にあるからです。

ブームの際は良いパフォーマンスを出すのは事実で、今後インフレが収まり、買い場が来たとしてもその瞬間を捉えるにはかなりの経験を要します。投資信託はプロに任せると言いつつ、かなり個人の相場経験、知識、才覚が求められますので、簡単ではないのです。

 

長期的に資産を形成したいのであれば、臨機応変にどのような市場環境でもリターンが狙えるファンド、そして個人の才覚の有無が影響しない投資先に投資をするのが懸命といえるでしょう。

以下で詳しくお伝えしていますのでご覧いただければと思います。

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締め括り

 

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資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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