日本の投資信託(含むETF)分析

【ジェイリバイブ】一斉を風靡したSBI中小型割安成長株ファンド(jrevive)の今後とは?復活するのか?過去非常にリターンが高く評判が高かったが不調に苦しむ投資信託を徹底評価!

2022年5月15日

SBI中小型割安成長株ファンドは高い成績を収めている日本株アクティブファンドとして評判を集めている投信です。

ジェイリバイブという愛称で親しまれています。

ジェイリバイブは評判のひふみ投信よりも長期でみるとリターンをあげています。以下、ジェイリバイブひふみ投信の比較チャートです。

 

ジェイリバイブとひふみ投信の過去10年比較

ジェイリバイブとひふみ投信の過去10年比較

 

本日は人気のジェイリバイブがどのような投資信託なのか?

という点を紐解いた上で今後の見通しについてお伝えしていきたいと思います。

 

【ジェイリバイブ】SBI中小型割安成長株ファンドとは?どんな投信?

まずは、ジェイリバイブがどのような投資信託かという点について見ていきましょう。

投資対象は日本の魅力的な中小型株

ジェイリバイブの投資対象は以下の通り目論見書で説明されています。

 

株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も安定しており、わが国の経済 社会に貢献すると考えられる企業の株式に厳選投資します。

参照:ジェイリバイブ目論見書

 

あくまで株価が下落した銘柄の中から、銘柄選定をしているのが面白いですね。ジェイリバイブが投資する対象を図解したものが以下となります。

ジェイリバイブの投資対象

つまり利益成長率が低いけどもPERが低く割安な銘柄か、PERが高いけども利益成長率が高い銘柄を選定しているということですね。

日本の上場銘柄数は3500銘柄以上あり、大半が中小型株で占められています。

中小型株は大手証券会社の調査対象外なので、魅力的であっても放置されている可能性があるのです。

日本の上場企業数

 

日本株の投資対象としては中小型株にこそ勝機があるのは間違いないので素晴らしい領域を投資対象にしていると言えます。

また投資対象は約9割が東証一部となっています。

 

ジェイリバイブの市場別組入比率

 

組入上位10銘柄の顔ぶれとは?

ジェイリバイブの2024年3月時点の構成上位は以下の通りとなっています。

ジェイリバイブの組入上位比率

 

ちなみに2022年4月からの構成上位銘柄の変遷は以下の通りとなっています。

2年経過していますが、東京精密、デクセリアルズ、サイゼリヤ、MCJなどずっと上位にいる銘柄があります。

長期保有していることがわかりますね。

 

2024年3月末 2022年4月末
1 東京精密 SHOEI
2 MCJ マークラインズ
3 デクセリアルズ 東京精密
4 ビーウィズ 扶桑化学工業
5 藤森工業 くら寿司
6 レック システナ
7 ドウシシャ デクセリアルズ
8 大塚商会 MCJ
9 サイゼリヤ サイゼリヤ
10 I-PEX ホシザキ

 

 

分配金の方針は?

投資信託の中には毎月分配するような投資信託も存在しています。

毎月分配する場合は複利効果が失われたり余分な税金をはらったり、中には元本から分配金を拠出している悪質な投資信託も存在しています。

しかし、ジェイリバイブは分配金は出していません。長期的な資産形成を目指した投信としては非常に良心的ですね。

 

高い手数料が懸念

ジェイリバイブは指数に対してプラスのリターンを狙うアクティブ型の投資信託です。

一般的にアクティブ型投信は高い手数料となっているのですが、ジェイリバイブの手数料は非常に高くなっています。

 

購入手数料は3.3%で、信託報酬は年率1.87%となっています。つまり、初年度は年間5.17%の手数料が発生し、翌年度以降は1.87%の手数料が発生します。

 

他のアクティブ型投信と比べても高い手数料水準となっています。

関連:インデックス型投信(=パッシブ)とアクティブ型投資信託はどっちがおすすめ?成績や手数料を中心に金融庁データをもとに徹底比較!

 

投資比率上位の東京精密ってどんな会社?

東京精密は精密機器メーカーで、科学、医療、産業分野に製品を提供しています。

主力製品には、分析機器、測定器、光学機器が含まれ、高い品質と信頼性で知られています。

また、環境保全や健康向上に貢献する製品も展開しておりグローバル市場での競争力を維持しています。

 

業績は以下の通り近年右肩上がりで上昇しています。

 

東京精密の業績推移

東京精密の業績推移

売上高 営業利益 純利益
2007/03 100,322 14,086 8,741
2008/03 91,823 10,450 4,813
2009/03 45,741 -2,466 -11,198
2010/03 30,735 -1,567 -3,512
2011/03 49,676 6,679 6,103
2012/03 57,727 9,704 8,607
2013/03 51,013 7,505 3,995
2014/03 55,268 8,466 5,858
2015/03 66,445 12,124 8,993
2016/03 70,274 13,222 9,704
2017/03 77,792 13,659 9,909
2018/03 88,194 17,283 12,717
2019/03 101,520 20,221 14,665
2020/03 87,927 12,282 7,156
2021/03 97,105 15,562 12,175
2022/03 133,277 28,550 21,441
2023/03 146,801 34,494 23,630
2024/03予 133,000 25,000 18,000

業績に連動する形で株価も堅調に推移しています。

東京精密の株価推移

 

ジェイリバイブのリターンとは?

では重要なジェイリバイブのリターンについて紐解いていきます。

非常に高いジェイリバイブの長期リターン

以下は設定来のジェイリバイブの価格推移です。2018年までは大きく上昇していますが、そこからはずっと停滞していますね。

 

ジェイリバイブの基準価格の推移

ジェイリバイブの基準価格の推移

 

同様の投信の平均である分類平均を大きくアウトパフォームしているのが分かります。しかし2018年以降にフォーカスすると、また見え方が変わってきます。

2018年からですとむしろ分類平均から劣後した成績となってしまっているのです。

2018年以降のジェイリバイブと日経平均株価

2018年以降のジェイリバイブ日経平均株価

 

ひふみ投信や日経平均株価と比較する

単体の成績だけみていても優秀な投資信託なのか見えてきません。

以下はジェイリバイブのチャートをひふみ投信日経平均と比較したものです。

 

過去10年のジェイリバイブの成績をひふみ投信と比較

 

評判のひふみ投信よりもさらに高い成績を残していますね。

ただ、先ほどと同様に直近の成績をみると見え方が変わってきます。

ひふみ投信や日経平均に比べて大きく下落していることが分かりますね。ここ数年は苦境にあえいでいることが分かります。

青:ジェイリバイブ 
緑:ひふみ投信
赤:日経平均

2018年以降のジェイリバイブの成績をひふみ投信と比較

 

→ やめたほうがいい?幾度の暴落を経験した「ひふみ投信(プラス)」の時代は終わった!?評判のアクティブ投信の近年の不調の原因と見通しを徹底評価!

 

比較的高いリスク

ジェイリバイブは比較的高いリスクの投信となっています。投資におけるリスクというのは平均リターンに対するブレ幅のことを意味します。

→ 投資におけるリスクとは?統計学的に標準偏差を図解で理解してシャープレシオの高い投資を実践しよう!

投資におけるリスク

 

以下はジェイリバイブのリスクとリターンです。

 

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン 20.46% 4.21% 8.08% 12.94%
標準偏差 11.52 13.16 16.36 16.77

 

過去5年のリターン8.08%と標準偏差16.36%の場合、今後1年のリターンは確率毎に以下となります。

 

【68%の確率で以下のリターンに収まる】
▲8.28%(=8.08%-16.36%) 〜 24.44%(=8.08%+16.36%)

【95%の確率で以下のリターンに収まる】
▲24.64%(=8.08%-16.36%×2) 〜 32.72%(=8.08%+16.36%×2)

【99.7%の確率で以下のリターンに収まる】
▲41.00%(=8.08%-16.36%×3) 〜 49.08%(=8.08%+16.36%×3)

 

最大で50%以上の下落があることは十分に注意をしておいた方がよいですね。

 

まとめとジェイリバイブの見通し

ジェイリバイブは日本株の中小型株に投資をする投資信託で、過去長期リターンは高いですが近年は不調にあえいでいます。

株式市場が軟調に推移している時は小型株は勢いよく下落します。しかし、株式市場が堅調に推移する状況となれば勢いよく上昇を開始します。

 

ただ、2024年3月にマイナス金利を撤廃しており、いよいよ金融引き締めに転じる構えを見せています。

金融引き締めとなると当然小型のグロース株にとっても厳しい環境となることが想定されます。しばらく今後の見通しも厳しいと言わざるを得ません。

 

重要なのは、どのようあ局面であっても資産を守り育てることができるファンドに投資をすることです。

以下のランキングでは筆者が実際に投資している銘柄を含めて、以下の観点でまとめています。

  • 下落耐性の強さ
  • 安定したリターン
  • 優秀なファンドマネージャー
  • ファンドの将来性

ぜひ参考にしていただければと思います。

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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