【分析ブログ】暴落に弱い?やばい?成績は凡庸と評判の「さわかみファンド」への投資は魅力あり?さわかみ投信を今後の見通しや口コミを含めて徹底評価!

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【さわかみ投信】暴落に弱い?やばい?売り時?評判の「さわかみファンド」を今後の見通しや口コミを含めて徹底評価!

2022年5月20日

日本には様々な独立系投資信託が存在していますが最も歴史がふるいものが「さわかみ投信」です。

さわかみ投信は澤上篤人氏によって1996年に設立されました。彼はパナソニック退職後に以下の経歴を辿りました。

  • スイス・キャピタルインターナショナル(ファンドアドバイザー)
  • 山一證券(ファンドアドバイザー)
  • ピクテ銀行(日本代表)

 

パナソニック後は金融の専門家として歩んできたことになります。現在は息子の澤上龍氏が社長を勤めています。

さわかみ投信は「さわかみファンド」1999年から運用を開始し、現在純資産額は3640億円という規模に成長しています。

さわかみ投信の1999年からの純資産の推移

 

上記をご覧になっていただければわかると思いますが、何度も暴落を繰り返しながら徐々に基準価格を上げてきてはいます。

ただ、巷では凡庸なファンドであるとの評判をちらほらとウェブ上でみかけます。

本日は「さわかみファンド」は投資をする魅力がある投資信託なのかという点についてお伝えしていきたいと思います。

 

さわかみファンドの特徴とは?

では、まずさわかみファンドの特徴について見ていきたいと思います。

 

CIO(最高投資責任者)は草刈貴弘氏から黒島光昭氏に交代

ファンドマネージャーは澤上篤人氏でも澤上龍氏ではありません。

2022年8月までは草刈貴弘氏です。

前CIOの草刈貴弘氏

前CIOの草刈貴弘氏

 

皆さんこう思われたことと思います。イケメンだと。それもそのはず、彼は芸能プロダクション出身で舞台俳優を行なっていたのです。

元々金融の専門家ではなく、道を諦めて「さわかみ投信」に入社して研鑽しファンドマネージャーになったのです。

 

草刈氏は01年に大学の建築学科を卒業後、在学時から所属する芸能プロダクションで舞台俳優の道を歩み始めた。25歳でその道をあきらめ、就職活動の厳しさも味わいながら住宅ローン販売会社に入社。数カ月後にさわかみファンドのセミナーに参加したことが大きな転機となる。一般的な投資セミナーなら「うちのファンドを買えという話になるが、将来の子供や孫、社会に還元するために頑張れと言われ、衝撃的だった」とファンド創業者との出会いを振り返る。カリスマの存在に引かれて08年にさわかみ投信へ入社、業務管理部門を担当しながら投資をゼロから学び、アナリストを経て10年11月にファンドマネジャーになった。

参照:Bloomberg

 

彼が2013人にファンドマネージャーに就任以来方針を大幅に転換しました。

 

  • 350銘柄近くあった保有銘柄を100銘柄に厳選
  • 1銘柄あたりの投資金額を増額
  • 時価総額5000億円以下の企業に発行済株式に対する保有比率を1%以上とする
  • ITや海外企業も投資対象とする

 

しかし、2022年8月に突如として草刈氏は解任され、黒島光昭氏がCIOに抜擢されました。

新CIOの黒島光昭氏

新CIOの黒島光昭氏

 

筆者としてはやはりファンドマネージャーは競争が厳しい金融業界でキャリアを培ってきた方に担当してほしいところではあります。

100%株主であり創業者の澤上篤人氏の独断だったそうです。さわかみファンドの企業風土と合致していないという理由です。(イマイチぴんときませんね)

 

彼は元廃水処理の研究者から2008年に突如としてキャリアチェンジをして「さわかみファンド」に入社し運用調査部で2012年までの4年間経験を積みました。

その後、一旦退社してNPOやベンチャー支援などを行なった上で2022年に10年間のブランクを経てCIOにいきなり抜擢されました。

今後の手腕が注目されます。

 

投資手法は長期バリュー株投資

「さわかみ投信」の投資方針はバリュー株投資です。

運用にあたっては、経済の大きなうねりをとらえて先取り投資することを基本とし、その時点で 最も割安と考えられる投資対象に資産を集中配分します。その投資対象資産の中で、将来価値か ら考えて市場価値が割安と考えられる銘柄に選別投資し、割安が解消するまで持続保有する「バ イ ・ アンド ・ ホールド型」の長期投資を基本とします。

参照:交付目論見書

バリュー株投資は手法は様々ではありますが、超長期のリターンとしてはグロース株投資を上回る成績を出しています。

→ バリュー株投資とグロース株投資はどっちがおすすめ?あらゆるデータから両者を徹底比較する

 

ただ、実態はバリュー株投資とはいえない内容になっています。

 

さわかみファンドの構成上位銘柄

以下は2023年3月末の構成上位銘柄と、過去の比較です。

上位銘柄の顔ぶれは殆ど変わりませんね。もっと前から見ていても、あまり銘柄の顔ぶれはかわりません。長期投資をしていることがポートフォリオからもわかりますね。

 

2023年12月末 2023年9月末 2023年7月末 2023年3月末 2022年11月末 2022年9月末 2022年2月末
1 信越化学工業 信越化学工業 ダイキン工業 ダイキン工業 ダイキン工業 ダイキン工業 日本電産
2 ディスコ ディスコ 信越化学工業 浜松ホトニクス 浜松ホトニクス ブリヂストン ダイキン工業
3 ブリヂストン ダイキン工業 ディスコ 信越化学工業 テルモ 日本電産 信越化学工業
4 ダイキン工業 浜松ホトニクス ブリヂストン ブリヂストン ブリヂストン テルモ 浜松ホトニクス
5 トヨタ自動車 ブリヂストン 浜松ホトニクス テルモ 信越化学工業 信越化学工業 テルモ
6 テルモ トヨタ自動車 テルモ トヨタ自動車 日本電産 浜松ホトニクス TOTO
7 浜松ホトニクス テルモ トヨタ自動車 ディスコ トヨタ自動車 トヨタ自動車 花王
8 INPEX ニデック ニデック ニデック 花王 INPEX ブリヂストン
9 花王 INPEX INPEX TOTO TOTO 花王 トヨタ自動車
10 セブン&アイ 花王 TOTO デンソー デンソー TOTO 三浦工業

 

上記ご覧いただければわかる通りどちらかというとグロース株投資的側面が大きい構成銘柄になっています。

約1年、1位をキープしていたダイキンは皆さんの家庭に絶対にあるエアコンのメーカーですね。世界大手です。売上、営業利益、純利益ともに右肩あがりとなっています。

ダイキンの業績推移

 

予想PERは29.1倍程度となっておりこれは高い水準ですが、株価はここ5年で2倍と順調に上昇しています。長らくさわかみファンドの上位銘柄に君臨するだけありますね。

ただ、直近決算で大きく売り込まれています。

ダイキン工業の株価推移

 

現在の1位は信越化学工業と老舗銘柄が再びトップに返り咲きました。株価が鰻登りですからね。

生成AIがブームになるにつれて半導体需要が高まり株価に追い風が吹いています。

信越化学工業 株価

 

ただ、正直このような上位銘柄が堅調でも全体に占める比率はすくないのでパフォーマンスに与える影響は小さいと言わざるを得ません。

 

さわかみファンドの手数料

さわかみ投信の手数料形態は以下の通りとなっています。

購入手数料:無し
信託手数料:1.1%(税込)

水準としては「ひふみ投信」と同じですね。

【今からは危ない】やめたほうがいい?まだ上がる?幾度の暴落を経験し直近の運用成績がひどい「ひふみプラス」「ひふみ投信」の時代は終わった!?過去に評判だった投信の最近の不調の原因と今後の見通しを徹底評価!

 

「さわかみファンド」の運用実績とは?

肝心の「さわかみファンド」の運用実績について確認していきましょう。

さわかみファンド単体の運用実績

最初にお伝えした「さわかみファンド」のチャートをご覧ください。現在は運用開始から3倍の基準価額にまで成長しています。

さわかみ投信の1999年からの純資産の推移

 

ただ、リーマンショックやチャイナショック、今回のコロナショックのような市場の暴落局面で大きく基準価額を下げています。

価格の変動幅は非常に大きいのがデメリットとなっています。

一応この20年は2008年のリーマンショックまでは相場は軟調だったものの、リーマンショック後の異次元緩和、アベノミクスが実行されたことにより日本株市場は天国でした。

 

その結果、さわかみ投信は2013年以降から上昇気流に乗っていますね。ただやはりコロナショックやチャイナショックの際に大きく下落しており、コロナショック後にバブル相場が発生しなければ凡庸なリターンで終わっていました。

そして、今後はまた2000-2008年頃の、本当に腕の立つファンドマネジャーしかリターンが出せない時代が到来しています。コロナバブルが終わったばかりですからね。

今後我々投資家が投資先を選定する上で重要なのが、ボラティリティが少ない運用でプラスリターンを確保できる投資先を見つけることです。

 

そこで筆者が注目しているのがヘッジファンドという選択肢です。ヘッジファンドは以下のとおり下落を抑制しながら指数を大幅にアウトパフォームする成績を残しています。

ヘッジファンドの安定したリターン

 

以下では価格変動幅が大きくない銘柄で安定して高いリターンを出しているファンドをまとめていますので参考にしていただければと思います。

 

 

 

さわかみファンドのリターンを日経平均と比較

「さわかみファンド」と日経平均のリターンの比較が以下です。さわかみファンドは日経平均に劣った成績となっています。動きとしては日経平均株価の指数を買っているような感じですね。

青:さわかみファンド
赤:日経平均

さわかみ投信と日経平均の比較

 

更に上記の日経平均は配当金を加味しない値です。実際は更に日経平均の方が高いリターンとなっているのです。

また、殆ど動きは日経平均と連動した動きとなっています。大型株にばかり投資をしているので必定といえばそれまでですが。

問題なのは殆ど日経平均とおなじ動きをするのに、少し劣後して更に手数料は高いという点です。アクティブファンドに投資している意味がありませんよね。

→ インデックス型投信(=パッシブ)とアクティブ型投資信託はどっちがおすすめ?成績や手数料を中心に金融庁データをもとに徹底比較!

 

「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」を比較

ではその他の高い成績を残しているファンドと比較してみましょう。

 

 

以下は過去10年の比較となっています。

青:さわかみ投信
赤:ひふみ投信
緑:ジェイリバイブ

過去10年のさらかみ投信とひふみ投信とジェイリバイブ のチャートの比較

 

過去10年でみると圧倒的に「さわかみ投信」が低いリターンとなってしまっていますね。一方、過去5年のリターンは以下となります。

青:さわかみ投信
赤:ひふみ投信
緑:ジェイリバイブ

過去5年のさわかみファンドとひふみ投信とジェイリバイブ のチャートの比較

 

殆ど変わらないレベルですね。注目すべきは過去3年だと3ファンドとも日経平均に劣った成績になっているのです。

「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」は元々は素晴らしい成績を残しているのですが、資金が流入してファンドの規模が大きくなると凡庸な成績となってしまうのです。

 

 

「さわかみファンド」の今後の見通しは暗い?

ここまでみてきたとおり、「さわかみファンド」「ひふみ投信」「ジェイリバイブ 」は殆ど日経平均と同じ動きとなっています。

ファンド規模が大きくなってくると必然的に大型株への分散投資となるので、日経平均と同様の動きとなる傾向にあるのです。

 

日経平均はS&P500指数、香港ハンセン、DAX(ドイツ)に比べて過去2年は優れた成績となっています。

青:日経平均
赤:S&P500
緑:香港ハンセン
黄:DAX

過去2年の日経平均と他の株価指数との比較

 

世界中で中央銀行が金融引き締めを行なっている中で日銀だけ金融緩和を行い円安が進行していることが主因です。

実際、円建のS&P500指数と日経平均の比較は以下の通りです。円建でみるとS&P500指数の方がパフォーマンスが僅かながらよいですし、どちらも同じ動きをしています。

日経平均は円建のS&P500指数と同じ動き

日経平均は円建のS&P500指数と同じ動き

 

しかし、今後は米国で高インフレと高金利に耐えかねて景気後退が発生する可能性が高まっています。

すると米金利は下落します。更に2024年3月から4月に日銀がマイナス金利政策を解除することも円高要因ですね。

日米金利差が低下することでドル円は下落していきます。

更に米国を起点とした世界的な景気後退で企業収益も下落していきます。そうなってくると日経平均の下落は他の指数に比べて強烈になります。

あくまで、今ままで円安で下駄を履いてきただけなのです。

→ 【2024年】一番儲かる投資信託とは?これから上がる今買いの投資信託銘柄をランキング順に紹介!

 

掲示板での口コミや評判

掲示板での口コミや評判は以下となります。やはり成績が芳しくないので厳しい指摘が多くなっていますね。

 

口コミ①

全体下降トレンドの中、更に今後の金融政策が不透明であるため、暫く投資信託をやめた方が良いではないか!ここは近年運用成績も芳しくないですね。

 

口コミ②

能力の無い、世襲さわかみファンド
解約するしかないやろ
経歴みても、他社で高パフォーマンスゼロ
プー太郎社長じゃないのか?

 

口コミ③

澤上篤人元社長による『日経マネー』の連載。「お騒がせ」の経緯の説明もなにもなく、しれーっと体裁変えて連載していました。説明すれば良いのに。なんだかんだいっても、所詮は隠蔽体質なんだなと理解できました

 

 

まとめ

「さわかみファンド」は1999年から運用されている最古参の独立系投資信託です。今回のポイントは以下となります。

 

  • ファンドマネージャーは舞台役者出身で元来金融の専門家ではない
  • バリュー株投資を謳うも、実際はグロース株投資
  • 成績は凡庸な結果となっており、度々暴落に見舞われている
  • ただ日経平均に手数料を払って投資しているという結果になっている

 

あえて「さわかみファンド」に大切な資金をまかせる妙味はないと筆者は考えます。

 

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締め括り

 

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資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

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しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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