全世界の有望銘柄に投資できると評判のティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドとは?パフォーマンスなどから実態を考察

日本の投資信託(含むETF)分析

全世界の有望銘柄に投資できると評判のティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドとは?パフォーマンスなどから実態を考察

2022年11月30日

ティー・ロウ・プライスといえば運用残高も大きく、世界でも有名なアセットマネジメントです。

以前に2ファンド、このブログでも取り上げています。

評判のティー・ロウ・プライス米国成長株式ファンド(愛称:アメリカンロイヤルロード)の今後の見通しは!?ティー・ロウ・プライス米国割安優良株式ファンドと比較しながら評価!

 

今回は、ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドを取り上げていきたいと思います。

 

ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドの概要

投資対象は世界各国の株式

投資対象は全世界株式です。新興国の株式も含みます。世界インデックスとの違いが肝になってきますね。

 

運用の委託先は以下となっています。自社の運用チーム総出という感じですね。各チームが自分のエリアの株式銘柄を徹底的に投資していくという形になるのでしょう。ポートフォリオ配分を決める監督もいるはずで、世界株はこの役割がポイントになります。

  • ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ、インク(所在地 : 米国)
  • ティー・ロウ・プライス・インターナショナル・リミテッド(所在地 : 英国)
  • ティー・ロウ・プライス・香港・リミテッド
  • ティー・ロウ・プライス・シンガポール・プライベート・リミテッド
  • ティー・ロウ・プライス・オーストラリア・リミテッド ティー・ロウ・プライス・(カナダ)、インク

 

世界各国の株式(エマージング・マーケットも含む)の中で、成長性が高いと判断される企業の株式を中心に投資を行う。 銘柄選択に関しては、個別企業分析に基づく「ボトム・アップ・アプローチ」を重視した運用を行う。個別企業分析にあたっては、委託会社およびその関連会社のアナリストによる独自の企業調査情報を活用する。実質外貨建資産について、原則として対円での為替ヘッジを行う。ファミリーファンド方式で運用。3、9月決算。

 

セクター配分と組入上位10銘柄の顔ぶれとは?

2023/3末時点のデータです。

国別配分は以下となっています。ほとんど米国ですね。各国の株式市場の時価総額に近い数字です。10月末からカナダ、ドイツ、香港が増加していますね。フランスは外れました。あまり共通項が見出せませんが、保有銘柄の動向で動きが出ているのでしょう。

国別配分(上位10ヵ国)
2023/3末 構成⽐ 2022/10末 構成⽐
⽶国 57.66% ⽶国 58.51%
⽇本 7.02% ⽇本 6.05%
英国 4.70% 英国 7.10%
カナダ 3.67% カナダ 2.09%
ドイツ 3.46% ドイツ 2.45%
イタリア 2.45% イタリア 3.46%
香港 2.22% - -
中国 2.20% 中国 2.20%
インド 2.10% インド 2.22%
オランダ 2.09% オランダ 2.10%
その他6ヵ国計 6.57% その他6ヵ国計 6.57%
現⾦他 3.58% 現⾦他 3.58%
合計(16ヵ国) 100.00% 合計(16ヵ国) 100.00%

 

セクター配分は以下となっています。やはり情報技術が大きいですね。

米FRBが利上げしている間はどうしても厳しいと思います。

2023/3末 構成比 2022/10末 構成比
情報技術 24.61% 情報技術 21.92%
⾦融 17.76% ⾦融 15.99%
ヘルスケア 15.62% ヘルスケア 16.79%
コミュニケーション・サービス 10.61% コミュニケーション・サービス 8.83%
⼀般消費財・サービス 10.47% ⼀般消費財・サービス 12.44%
資本財・サービス 7.78% 資本財・サービス 8.74%
エネルギー 4.21% エネルギー 4.75%
素材 3.39% 素材 4.48%
⽣活必需品 3.02% ⽣活必需品 1.23%
不動産 0.94% 不動産 1.24%
公益事業 0.00% 公益事業 0.00%
現⾦他 1.59% 現⾦他 3.58%
合計 100.00% 合計 100.00%

組⼊上位10銘柄は以下となっています。金融銘柄が2位になっているのは利上げを受けて株価が上昇したのだと思います。

しかし、ここまで利上げがなされているのにアップルが1位銘柄なのは驚きですね。ロンドン証券取引所グループが上位にいるのは、金融引き締めを強く感じさせます。

銘柄名 セクター 通貨 構成⽐
アップル 情報技術 ⽶ドル ⽶国 4.18%
マイクロソフト 情報技術 ⽶ドル ⽶国 4.04%
第一三共 ヘルスケア ⽇本円 日本 4.00%
ロンドン証券取引所グループ ⾦融 英ポンド 英国 3.03%
ユナイテッドヘルス・グループ ヘルスケア ⽶ドル ⽶国 3.02%
イーライリリー・アンド・カンパニー ヘルスケア ⽶ドル ⽶国 2.87%
TモバイルUS コミュニケーション・サービス ⽶ドル ⽶国 2.62%
マスターカード ⾦融 ⽶ドル ⽶国 2.56%
アマデウスITグループ 一般消費財・サービス ユーロ スペイン 2.38%
チャブ 金融 ⽶ドル ⽶国 2.21%

 

過去からのポートフォリオの変化は以下となってます。チャールズ・シュワブはシリコンバレーバンクやファーストリパブリック銀行などの取り付け騒ぎの波に巻き込まれ、株価が下落し圏外になってしまいました。

2023/3末 2022/10末
アップル チャールズ・シュワブ
マイクロソフト 第⼀三共
第一三共 ユナイテッドヘルス・グループ
ロンドン証券取引所グループ アップル
ユナイテッドヘルス・グループ エアバス
イーライリリー・アンド・カンパニー TモバイルUS
TモバイルUS アマゾン・ドット・コム
マスターカード マスターカード
アマデウスITグループ ロンドン証券取引所グループ
チャブ マイクロソフト

 

チャールズ・シュワブ 株価

 

 

手数料

購入時手数料は3.3%(税抜3.0%)です。

運用管理費用 (信託報酬)は年1.683%(税抜1.53%)です。信託財産留保額はありません。

 

ティー・ロウ・プライス世界厳選成長株式ファンドのリターン・利回りとは?基準価額チャートもチェック

ファンドの真の実力を見るために為替ヘッジありで見ていきます。今年は円安が30%ほど進んでしまいましたからね。

■Aコース(資産成⻑型・為替ヘッジあり)運⽤実績の推移

 

基準価額は12,744円となっています。2019年5月から3年半で27%程度しか上昇していないということですね。

2020年〜2021年は(日本除く)世界中の株式市場がバブルだった中で、この成績は物足りない感じがします。

1カ月 3カ月 6カ月 1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率) 設定来
トータルリターン 1.01% 4.99% 9.84% -18.93% 37.78% -- -- 33.59%

 

この1年は-18.93%となっています。ベア相場には勝てないですね。下落耐性は弱いです。

まだまだ4年にも満たないファンドですので、正確な実力を測ることはできませんし、リターン自体もファンドが開始されてすぐに異次元金融緩和が始まってしまったので、まだまだまだ信頼感はありません。

 

 

掲示板での評判や口コミ

基本的には、直近1年のリターンが悪いのでマイナスなコメントが多いですね。

 

YahooFinance

今年4月に野村証券にすすめられて買いました。初心者です。
どこが売り時なんでしょうね
2,3年は様子を見た方が良いのでしょうか

YahooFinance

野村証券に勧められてかいました。
あと2.3年様子みます、、

YahooFinance

あんまり良いファンドとは言えなさそうですね。これなら手数料の安いインデックスファンドの方が良かった。

YahooFinance

なかなか上昇気流に乗りませんね

YahooFinance

難しい事は言わず 励まし 慰め 合いましょう 人生下り坂最高 正平❗

 

 

今後の見通し

ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式についてはまだ運用年数が3年半と短く、リターンもバブル相場で獲得したものであると容易に想像できる状況なので、もう少し本来の実力を見たいところです。

つまりは、最低でも5-7年ほどの運用期間は欲しいものです。

 

直近の見通しとしては、これは米国発となるインフレがどうなっていくのか、利上げがどこまで続くのかに尽きます。

実際に2023年3月末時点で住宅価格が上昇に転じるなどまだまだインフレが鈍化しておらず、、楽観視はできない状態です。連銀総裁のタカ派発言も続きますので、まだまだ全世界インデックスにも投資をしたいとは思えない状況であり、ティー・ロウ・プライス 世界厳選成⻑株式はさらにボラティリティが高いため、手を出したくないですね。

 

 

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

-日本の投資信託(含むETF)分析