金融後進国である日本の金融市場にもグローバル化の波は押し寄せています。
現在では日本の証券会社からでも海外の株式が購入できるようになっています。
それに伴い様々な外国株に投資する投信が組成されています。当サイトでも様々な投信をお伝えしてきました。
以下は一例です。
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本日お伝えするのはインベスコ世界厳選株式オープン(愛称:世界のベスト)です。
それでは詳しく見ていきましょう。
インベスコ世界厳選株式オープン(愛称:世界のベスト)の特徴
それでは説明資料を元にインベスコ世界厳選株式オープンの特徴についてみていきたいと思います。
そもそも運用会社のインベスコとは?
長期的な世界の成長を享受する株式を厳選!「成長」「配当」「割安」を追求!
一言に投資といっても、1日で取引を終えるデイトレードや、数週間から数ヶ月のスイングトレード、長期にわたり保有する長期投資と期間によってスタイルがあります。
世界のベストは特定の国や地域にのみ投資対象を限定せずに、短期的な市場の変動に一喜一憂せず長期的な投資を行うと宣言しています。
つまり、トレードではなく長期投資ということですね!
狙う銘柄は成長と配当と割安を追求しているとしていいます。
ちょっと矛盾している内容ですね。基本的に成長企業というのは割高ですから。
いいとこどりだけをすると明言していますが、それが出来れば誰も苦労しません。
→ バリュー株投資とグロース株投資はどっちがおすすめ?あらゆるデータから両者を徹底比較する
運用プロセスとファンドマネージャー
世界のベストの運用プロセスは「投資アイデアの発掘」→「ファンダメンタルズ分析」→ 「ポートフォリオ構築」のながれで先進国企業20,000社から約50銘柄を選定します。
運用は英国拠点の運用チームがになっており、ファンドマネージャーはベテランのスティーブン・アネスが担当すると述べられています。
グローバルな運用会社ならではの情報網や分析力を駆使しているとしていますね。
4つのパターンが存在
世界のベストは以下の四つがあります。
- 為替ヘッジあり・毎月決算型
- 為替ヘッジあり・年1回決算型
- 為替ヘッジなし・毎月決算型
- 為替ヘッジなし・年1回決算型
為替ヘッジがないバージョンではドル円が上昇すると基準価額が上昇します。一方、ドル円が下落すると基準価額が下落します。
構成上位銘柄
構成上位銘柄は以下となります。
構成銘柄 | 国名 | 業種 | 構成比率 |
3iグループ | イギリス | 各種金融 | 5.8% |
ベラリア | フランス | 素材 | 5.6% |
マイクロソフト | アメリカ | ソフトウェアサービス | 4.5% |
アメリカン・タワー | アメリカ | 不動産 | 4.5% |
コカ・コーラ | アメリカ | 食品・飲料・タバコ | 4.1% |
友邦保険 | 香港 | 保険 | 4.1% |
ハーク・ホールディングス | アメリカ | 資本財 | 3.7% |
ブロードコム | アメリカ | 半導体 | 3.6% |
コネ | フィンランド | 資本財 | 3.3% |
チューリッヒ | スイス | 保険 | 3.1% |
マイクロソグロとコカコーラとチューリッヒ以外は聞き覚えがない企業ですね。
3iグループは英国の投資会社です。非公開企業に投資するPE事業では一般消費財・サービスやヘルスケア分野の企業、インフラ事業では欧州の企業を中心に投資を行なっています。
2位のベラリアはフランスの大手容器メーカーです。
購入手数料と信託手数料
手数料は以下となっています。
購入手数料:税込3.3%
信託手数料:年率税込1.903%
インベスコ世界厳選株式オープンの運用実績
世界のベストの運用実績は以下となります。以下は為替ヘッジありの年一回決算型です。
ベンチマークであるMSCIワールド・インデックスに劣後した成績となっています。アクティブ投信として不甲斐ない成績ですね。
1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 | |
ファンド | 4.59% | ▲10.07% | ▲8.36% | ▲16.32% | 1.57% | 0.19% |
ベンチマーク | 6.25% | ▲4.94% | ▲8.38% | ▲17.02% | 15.37% | 16.90% |
世界のベストは2020年のバブルを経験した上で殆ど増えていないという残念な結果になっています。
なぜ、上記でヘッジありの運用実績にしたかというと、今後ドル円が下落する確度が高いので「ヘッジなし」のリターンは今後厳しい局面を迎えると考えるからです。
そのため、現時点で投資するのであれば、「ヘッジあり」が妥当な選択肢になると考えてお伝えしています。
現在、ドル円は150円を超えて上昇したあと、大きく下落して現在では138円台まで押し戻されています。
しかし、年初の115円だったことを考えるとまだまだ大きな円安水準です。
ドル円は単純に日米の金利差拡大を受けて拡大してきました。
しかし、上昇を続けた米金利も、不況到来の確度が高まってきたことを受けて、下落基調に転じています。
結果としてドル円は下落に転じているのです。今後、この流れは本格化します。
ここからは、どのような投資信託であっても「ヘッジあり」を選ぶ方が懸命でしょう。
掲示板での評判や口コミ
掲示板は年一回決算型ではなく、毎月決算型の方が賑わっています。
未だに日本の金融リテラシーは低く、毎月分配型の投信が選好されていますが複利が毀損するので全く合理的ではありません。
また、多くの毎月分配型投信においては元本から払い出す特別分配金をだしているので注意が必要です。
世界のベストも、為替ヘッジの有無に関わらず特別分配金となっています。
分配金をもらえているはずが、実際は元本から払い出されているという事態になっていることに気づいていない方がたくさんいます。
例えば以下の方です。基準価額が減少しているのをしっかり確認できているのでしょうか?
H無の口コミ
皆さんのおっしゃる通り、安心の分配で人気ですね
他の投信からの移動も含めこれからもどしどし買い増しして行こう!
また、「為替ヘッジあり」で購入した方は以下のように嘆いていますが、先ほど説明したように今後は「為替ヘッジあり」の方が良い成績を叩き出す確度が高いです。
H有の口コミ
リアルに証券屋のミスでこっちを持つことになってしまいました、、本当はH無がほしかったです。
どなたかこの銘柄の良いところ教えてくださいませんでしょうか?よろしくお願い致します
今後の見通し!欧米を中心に今後の見通しは暗い!?
重要なのは今後の見通しです。現在の「世界のベスト」の組入上位5カ国は以下となります。
国名 | 純資産比 |
アメリカ | 47.2% |
イギリス | 15.5% |
オランダ | 7.3% |
香港 | 6.5% |
スイス | 6.2% |
アメリカ、イギリス、オランダだけで全体の70%を占めていますね。スイスも含めると80%近くになります。
つまり欧米の株式市場の動向が非常に重要になってきます。
2022年後半になっても欧米はともに10%近い猛烈なインフレに悩まされています。日本の3%のインフレなんて比ではありません。
そのため、欧米の中央銀行は利上げを行い必死で景気を沈めてインフレを抑制することに躍起になっています。
2022年の年初には0%だった政策金利が米国では4%を超え、欧州中央銀行も2%の水準にまで金利を引き上げました。
しかし、長期間超低金利で過ごした世界は金利の上昇に対応することはできません。
2023年には本格的な世界不況が陥る可能性が高くなっています。
不況になると株価は大きく下落していきます。現在の欧米の株式の下落はまだ序の口です。
筆者としては世界の株式市場は深刻な打撃を受けると見込んでいます。
そのため、株式市場に影響をうけずに安定したリターンをだしてくれるヘッジファンドに投資して資産運用を行なっています。
以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。