ブロックチェーンときくとビットコイン等お仮想通貨を思い浮かべる方は多いかと思います。
しかし、ブロックチェーンはデジタル革命の基幹技術として世界を変えるものであると期待されています。AIとともに今後の世界に革命を起こす技術として注目されています。
当サイトでも、グローバルフィンテック株式ファンドを分析しました。
→ 【2024年】グローバルフィンテック株式ファンドの株価の暴落の理由とは!?評判と2022年以降の今後の見通しを踏まえて徹底評価。
本日はインベスコが提供するインベスコ世界ブロックチャーン株式ファンド(愛称:世カエル)について取り上げたいと思います。
インベスコで運用している他のファンドについては以下をご参照ください。
→ 【世界のベスト】掲示板で評判?インベスコ世界厳選株式オープンを口コミや今後の見通しを含めて徹底評価!
以下は筆者が様々な投資信託を検討した上で魅力的なものをランキング形式でお伝えしているものですので参考にしていただければと思います。
そもそもフィンテックとは?
まずは「世カエル」について見て行く前にフィンテックとはなにかという点について見ていきたいと思います。
ブロックチェーンの特徴は以下となります。
ブロックチェーンの特徴
- ブロックチェーンは情報を安全につなげて管理する技術
- 暗号化されたデータのブロックを生成し、それぞれのブロックをチェーンのようにつないで管理する仕組み
- ブロックチェーン上のデータは参加者が皆で共有していることから一部のデータに改竄を試みても他の参加者が保有しているデータと照合して改竄を防止できる
- さらに仕組み上、全データの履歴も追跡可能なため情報の安全性・信頼性が高い
- 2009年のビットコインで実用化されインターネットで価値や資産の取引が可能となった
- 現在ではNFTなどにも拡
現時点では以下の分野での活用がなされていますが、今後広がり続けることが想定されています。
現金 | 現金のデジタル化 |
契約 | 契約やハンコの電子化 |
不動産 | 賃貸契約や引っ越しを一元化 |
相続 | 相続手続きの短期化 |
医療 | 電子カルテの一元化 |
物流・貿易 | 貿易手続きの効率化 |
ゲーム | インラインゲームのアイテム偽造防止 |
ブランド | 偽物排除 |
食品 | 安全管理 |
ブロックチェーンの市場規模は今後10年で200倍の142兆円になることが見込まれています。
インベスコ世界ブロックチャーン株式ファンド(愛称:世カエル)の特徴とは?
それでは「世カエル」の特徴についてみていきたいと思います。
投資対象はテーマ型のインデックス投信
世の中にはインデックス投信とアクティブ投信があります。
アクティブ投信はインデックスに対してプラスのリターンをだすことを目的として運用されています。
→ インデックス型投信(=パッシブ)とアクティブ型投資信託はどっちがおすすめ?成績や手数料を中心に金融庁データをもとに徹底比較!
前回分析したグローバルフィンテック株式ファンドはアクティブ投信でしたが、「世カエル」はインデックス投信です。「世カエル」は「コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(円換算ベース)」に連動するインデックス投信です。
ある特定のセクターにだけ投資をする、セクターインデックスということですね。
同インデックスはコインシェアーズ社が独自の分析に基づいて選定したブロックチェーン関連銘柄で構成されています。
インデックスとはいいながらも、かなりアクティブ要素が強いといえるでしょう。
構成上位銘柄
2024年1月末時点での構成上位銘柄は以下となります。9位のサムスン、6位のTSMCはどちらかというと半導体企業という側面が強い企業です。
ブロックチェーンど真ん中としてはクリーンスパークやコインベースやライオットが挙げられますね。
2022年10月末からの変動は以下です。
2024年1月末 | 2023年10月末 | 2023年6月末 | 2023年3月末 | 2022年10月末 | |
1 | クリーンスパーク | マイクロストラテジー | サムスン電子 | コインベース | コインベース |
2 | マイクロストラテジー | マネックスグループ | TSMC | TSMC | マネックスグループ |
3 | コインベースグローバル | SBIホールディングス | マネックスグループ | マネックスグループ | SBIホールディングス |
4 | マネックスグループ | サムスン電子 | マイクロストラテジー | カカオ | マイクロストラテジー |
5 | SBIホールディングス | TSMC | SBIホールディングス | SBIホールディングス | TSMC |
6 | TSMC | CMEグループ | クリーンスパーク | マイクロストラテジー | スタンダードチャーター |
7 | ライオットプラットフォーム | コインベース | カカオ | CMEグループ | CMEグループ |
8 | ビットファームズカナダ | クリーンスパーク | コインベース | インテル | ハイブ・ブロックチェーン |
9 | サムスン電子 | メルカドリブレ | CMEグループ | サムスン電子 | カカオ |
10 | カカオ | ライオットプラットフォーム | ライオットプラットフォーム | メタ・プラットフォームズ | リミックスポイント |
ずっと1位だった世界の大手暗号資産取引プラットフォーム企業のコインベースは株価が軟調で構成順位をおとしていきました。
かなり日本企業が入っていますね。国別構成比率は以下となります。
国名 | 比率 |
米国 | 41.20% |
日本 | 28.70% |
韓国 | 13.10% |
台湾 | 5.50% |
カナダ | 4.60% |
手数料
手数料は以下となります。
購入手数料:3.3%
信託手数料:年率1.573%
「世カエル」の運用実績をグローバルフィンテック株式ファンドと比較しながら評価
世カエルの運用実績は以下となります。グローバルフィンテック株式ファンドと全世界株式と比較しています。
青:世カエル
赤:グローバルフィンテック株式ファンド
緑:全世界株(円建)
一時は急激に上昇しましたが、2021年後半から大きく下落して結局全世界株に惨敗しています。
指数買った方がマシですね。グローバルフィンテック株式ファンドについてはあれだけのバブルを享受しながら、運用はマイナスとなっています。
フィンテック投信の中では「世カエル」はマシな成績といってもよいでしょう。
掲示板での口コミや評判
では掲示板での「世カエル」の評判についてみていきます。
フィンテック産業の今後が明るいことと、株価の未来が明るいことは必ずしも一致しませんが以下の通り希望の声がきかれます。
口コミ①
ようやく普通の状態に落ち着いたような印象です。
ここからジワジワと上がっていく未来が見えます。
ブロックチェーンの用途は暗号通貨だけではなく、個人の資産(貨幣的価値のあるもの以外に自分が発信したデータやデジタル世界内で培ってきた信用度など)を守るものだからです。
現実世界としての、地球というバースの住人ではなく、デジタル世界の個人の権利を守るもの。
国連などが世界中の国で禁止するでもしない限り、成長しかありません。
ただ、貯金の下落で諦めのような声も聞こえます。
口コミ②
web3終わりw
もうこれ人生終わりじゃんw
今後の見通しは明るい?
重要なのは今後の見通しですが正直言ってしばらくは厳しいです。その理由は3点あります。
ビットコインの好材料は出尽くして既にバブルの様相を呈している
まずビットコインのチャートですが以下の通り下落が一旦落ち着き反発傾向となっています。
今までビットコインの先物ETFは承認されていますが、現物ETFは今まで何回も却下されてきました。
しかし、ついに現物ETFが承認されました。以下はニュース記事です。
米証券取引委員会(SEC)は1月10日に、暗号資産(仮想通貨)で時価総額最大のビットコインの現物ETF11本を承認すると発表した。今回承認されたのは、米資産運用大手のブラックロックやフィデリティ、アーク・インベストメンツなどが申請していた10本と、グレースケール・インベストメンツが求めていたビットコインで運用する未上場投資信託のETF転換である。いずれもニューヨーク証券取引所など、米国主要市場に上場する。
さらに2024年4月にビットコインの半減期を迎えることで期待感から価格が急騰しています。
しかし、相場というのは期待で買って事実で売るものです。
半減期を迎えるとビットコイン価格は下落することが見込まれています。
米金融大手JPモルガンのアナリストは2月28日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の価格は4月に予定される半減期後に4万2,000ドル(約629万円)の水準まで下がる可能性があるとの見解を示した。同社のレポートを入手した海外メディアが報じた。
このアナリストの予測は、ビットコインの生産(採掘)コストに基づいている。今回は他にも、半減期でマイニング報酬が減少することで業界の再編が起きるとの見方も示した。
参照:コインポスト
リスク資産への投機熱が低下している
そもそも2020年にビットコインや世界中で株式が急騰したのは世界中でパンデミックに対応するために金融緩和と量的緩和を実施したためです。
大量にばら撒きが行われた結果、余ったマネーがリスク資産に向かい、歴史的な資産高を演出しました。
しかし、2021年後半からインフレが大きく上昇していきました。
そのためインフレをおさえるため、世界中の中央銀行がばらまいたお金を回収する金融引き締めを実施しています。
当然、資産価格も逆回転を開始し株価やビットコインなどのリスク資産は大きく下落しているのです。
そして、2024年2月現在、まだまだ米国のインフレ率は高く、FRBが目標とする2%とは程遠いレベルとなっています。
2024年度も前半は引き締めを続けると宣言しており、今年も厳しい環境となることが想定されます。
ただ、2024年は長引くインフレと高金利によって何かが引き金となって一気に景気後退に陥る可能性があります。
2024年3月現在では商業用不動産の問題が大きな火種として注目されています。
引き締め期間が長いというのは、それだけリスクが高くなっていくのです。
ドル円も下落することが見込まれている
世カエルは為替ヘッジなしなのでドル円が上昇すれば基準価額が上昇しますし、ドル円が下落すれば基準価額は下落します。
一時、ドル円は152円まで到達しました。これは完全に日米金利差が拡大してきたことに起因しています。
米国がインフレをおさえるために金利を上昇させてきた反面、日銀は金融緩和を継続したのでポリシーミックスに注目が集まりドル円も上昇していきました。
来年の世界景気の後退を織り込み始め米金利が下落することで逆回転を始めています。
しかし、現在の140円という水準はまだまだ序章です。本格的に景気後退が訪れると米長期金利は急落してドル円は100円をめざしていきます。
まとめ
「世カエル」はフィンテック関連銘柄に投資するインデックス型の投資信託です。2021年末から大きく下落し、ETF承認という期待で上昇するも高値はまだまだ遠いです。
来年は株価もビットコインも厳しく、ドル円も下落するので厳しい展開が想定されます。
以下では、どのような環境でも安定したリターンが狙える投資先についてまとめていますのでご覧いただければと思います。