日本の投資信託(含むETF)分析

【ブログ更新】過去の運用実績は好調!?東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンを評判や組み入れ銘柄も鑑み徹底評価!

2022年5月15日

日本株に投資している様々なアクティブ投資信託が存在していますが、

なかなかインデックスに対してプラスのリターンを出せているファンドはありません。

➡︎ インデックス型投信(=パッシブ)とアクティブ型投資信託はどっちがおすすめ?成績や手数料を中心に金融庁データをもとに徹底比較!

 

しかし、その中でも運用開始以来高いパフォーマンスを出しているファンドも存在しています。

今回紹介する東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンもその1つです。

それでは、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの運用の特徴とパフォーマンスについて詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

投信撤退の話もあった東京海上の商品、ジャパン・オーナーズ株式オープンの特徴とは?

ではまず東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンの特徴についてお伝えしていきたいと思います。

 

オーナー企業に投資することが最大の特徴

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンは経営者が実質的に主要な株主であるオーナー企業を主要投資対象とするファンドです。

 

経営者が実質的に主要な株主である企業とは、経営者およびその親族、資産管理会社等の合計持株 比率(実質持株比率)が5%以上である企業とします。

参照:東京海上

 

オーナー企業に投資をすることで以下の2つのメリットがあるとしています。

  • 長期的な株主利益の追求
  • 迅速な意志決定

筆者も自分で会社を経営していて身を以て実感しているのですが、会社の利益の追求のために粉骨砕身することに苦痛を全く感じません。

利益が伸びれば、自分の資産が増加しますからね。

 

オーナー企業の場合は企業の経営者と株主の利害が一致するのです。

さらに、大株主が経営者であれ意志決定が早いのも魅力的です。絶えず変化する環境に即座に対応してくれるのです。

 

実際、役員等の合計持ち株比率が5%以上である企業の営業利益水準の推移は以下のとおり、東証一部上場企業の利益を上回り続けています。

オーナー企業の営業利益水準は高い

 

投資先は中小型企業が多くを占める

オーナー企業が多いので当然中小型株の構成比率が高くなります。

以下は2022年9月末時点の市場別・規模別資産構成になります。小型株が3%となっています。

 

市場 比率
プライム市場 93.70%
スタンダード市場 0.60%
グロース市場 3.00%
その他 -

 

実は、以下は2020年10月時点の構成比ですが、この頃は中型株、小型株の比率は大きく、大型株はなんと10%を下回っていました。

保守的な運用に切り替えたことがよくわかりますね。

 

東証 1部 大型株 9.5%
中型株 47.2%
小型株 35.5%
東証二部・マザーズ 4.0%
JASDAQ 2.0%

 

東証一部は2196銘柄上場企業が存在しますが、大型中型小型のくくりは以下の通りとなっています。

 

  • 大型︓TOPIX 100 (時価総額・流動性の高い100銘柄)
  • 中型︓TOPIX Mid 400 (TOPIX 100に次いで時価総額・流動性の高い400銘柄)
  • 小型︓TOPIX Small (上記以外)

 

構成上位組み入れ10銘柄(株価不調な銘柄も多数)

以下は構成上位銘柄の推移となります。結構、銘柄を入れ替えているのがわかりますね。

 

2022年12月 2022年9月 2022年4月 2021年3月
1 シスメックス コーセー エアトリ リゾートトラスト
2 エフピコ ロート製薬 SBSホールディングス パーク24
3 光通信 シスメックス 朝日インテック アウトソーシング
4 SBSホールディングス SBSホールディングス セガサミーホールディングス 日本電産
5 パンパシフィック 光通信 ユー・エス・エス ポーラ・オルビス
6 シップヘルスケア ラウンドワン リゾートトラスト エアトリ
7 ロート製薬 大塚商会 ソフトバンクグループ イズミ
8 大塚商会 日本電産 ファーストリテイリング フジシール
9 SMC パン・パシフィック・インターナショナル カシオ計算機 ユー・エス・エス
10 カシオ計算機 ブシロード パーク24 SBSホールディングス

 

2022年12月時点での構成上位銘柄は以下となります。

 

東京海上ジャパンオーナーの構成上位銘柄

 

首位のシスメックスの業績推移は以下となります。

シスメックスの業績推移

売上高 営業利益 純利益
2007/03 101,041 12,714 9,008
2008/03 110,724 15,033 9,131
2009/03 111,842 15,134 8,013
2010/03 116,174 15,708 9,764
2011/03 124,694 18,288 11,411
2012/03 134,743 19,205 12,007
2013/03 145,577 21,804 14,165
2014/03 184,538 32,870 20,573
2015/03 221,376 44,411 26,638
2016/03 I 252,622 60,729 39,278
2017/03 I 249,899 51,701 40,636
2018/03 I 281,935 59,078 39,222
2019/03 I 293,506 61,282 41,224
2020/03 I 301,980 55,284 34,883
2021/03 I 305,073 51,792 33,142
2022/03 I 363,780 67,416 44,093
2023/03予 I 420,000 77,000 51,000

 

非常に強いですね。ただ株価は直近は軟調な推移となっています。

 

シスメックスの株価推移

 

直近はバルエーションが高い銘柄が非常にペインとなっています。

➡︎ PERとPBRとROEとは?株式投資の重要な指標の見方や目安をわかりやすく解説する!

 

高い手数料

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンはアクティブ型の投資信託です。そのため手数料は基本的には高くなっているんですが、その中でも高い水準となっています。

 

購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:年率1.584%(税込)

重要なのはパフォーマンスですので、次項で詳しく見ていきたいと思います。

 

(速報ベース)ジャパンオーナーズの堅調な運用リターン

それではジャパンオーナーズのリターンについてお伝えしていきたいと思います。

 

運用成績

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンは以下の通り2013年4月の運用開始以降の運用実績です。

税引前分配金再投資後だと8年間で4倍になっています。

 

ジャパンオーナーズの基準価格の推移

 

実際には配当金を出した時点で20.315%の税金が自動的に支払わされます。

そのため、水色のようなリターンになります。実際は青と水色の真ん中のリターンとなります。

 

以下はジャパンオーナーズのデータです。

投資におけるリスク、つまり値動きの激しさを表す指標である標準偏差は非常に大きくなっています。

過去1年はマイナスに転じており下落耐性に不安が残ります。

 

1年 3年(年率) 5年(年率)
トータルリターン -16.84% 7.65% 13.80%
カテゴリー -16.17% 6.25% 3.56%
+/- カテゴリー -0.67% 1.40% 10.24%
順位 50位 30位 1位
ファンド数 85本 77本 67本
標準偏差 13.42 18.09 17.78
カテゴリー 16.73 18.94 18.28
+/- カテゴリー -3.31 -0.85 -0.5
順位 17位 36位 26位
ファンド数 85本 77本 67本
シャープレシオ -1.26 0.42 0.78
カテゴリー -0.96 0.35 0.2
+/- カテゴリー -0.3 0.07 0.58
順位 68位 30位 1位
ファンド数 85本 77本 67本

 

 

日経平均とTOPIXとリターンを比較!期間別で紐解く

東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンは設立以来の成績はTOPIXや日経平均を大幅に上回っています。

 

ジャパンオーナーズの運用開始以降の日経平均株価とTOPIXの比較

 

しかし、右側をみると直近は軟調なことがわかりますね。

過去1年のリターンでみると以下の通り日経平均、TOPIXに劣後した成績となっています。

一時-20%まで掘っており、2023年以降はしばらく試練の時期になりそうですね。

 

ジャパンオーナーズの過去1年の日経平均株価とTOPIXの比較

 

掲示板での口コミや評判

掲示板での口コミや評判もみていきましょう。

 

口コミ①

年初には一時期3万を超えていたことを考慮すると、下げすぎだし戻りが弱いですね。
日銀のPKOの対象になる重厚長大企業が少ないことも影響しているかも知れません。

 

以下のような書き込みも見られますが、これは次の項目でお伝えしますが完全に円安に助けられただけです。

 

口コミ②

ただ米国株なんかと比べると軒並み下がっていても
ここだけは下がらず踏みとどまっている事が多いんで
S&P500や世界株のインデックス・ファンドを中心としておくのは当然だけど
3〜4番手としてポートフォリオに組み込んでおくのは全然ありだと思う。
今年がこんな状況下でありながら伸び率だけなら
fang銘柄にも負けてないのは
国内株式でありながら優秀だと思う。

 

ジャパンオーナーズの今後の見通し

重要なのは今後の見通しです。

ジャパンオーナーズはTOPIXや日経平均と同様の動きをしています。そのため、日本株全体の見通しがどうなるかという点が重要になります。

日経平均は2022年を通じてS&P500指数に比べて下落を耐えています。

 

青:日経平均
赤;S&P500指数

2022年の日経平均とS&P500指数の推移

 

これはなにも日本経済が米国経済より優れていたからであありません。

ドル高円安が進んだことで見た目上、日経平均が耐えているようにみえるだけです。

 

日経平均と円建のS&P500指数を比べたものが以下となります。

円建でみるとS&P500指数に劣後した成績となっているのです。

青:日経平均
赤;S&P500指数(円建)

円建のS&P500指数と日経平均の比較

 

2022年は円安によって支えられましたが、2022年の末から以下の2つの要因で日米金利差が縮小して152円から127円まで急激に円高に調整しています。

  • 米国の景気後退を見越した米金利の低下
  • 日銀の政策変更で緩和解除となる観測の上昇

今後もこの流れは続いていくことが想定されます。しばらくはジャパンオーナーズも今後は厳しい展開が想定されます。

 

まとめ

東京海上・ジャパンオーナーズ・株式オープンについて纏めると以下となります。

 

  • 株主が経営者となっているオーナー企業に投資
  • 投資先は現在は大型株主体
  • 投資銘柄は高PER銘柄が多い
  • 手数料はアクティブ型投信の中でも高い水準
  • 運用開始以来のリターンは日経平均やTOPIXを大幅に凌駕
  • ただ過去1年は日経平均に劣後

 

素晴らしい投信ではありますが、下落するときは大幅に下落するところが欠点としてあげられます。

長期的に資産を形成するためには暴落を免れながら安定的な7%-10%のリターンをだすほうが魅力的です。

締め括り

 

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資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

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しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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