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〈2024年は危ない?〉長期投資でJリート(J-REIT)をおすすめしない理由について解説。買い銘柄はコロナ収束→オリンピック後に出てくる?

2022年5月16日

「REIT」と聞くと、非常に底堅い投資先であるとイメージする人が多いですよね。

融資などを活用し、大きなお金を動かし不動産投資をやるのは怖いけど、リートのようにREIT法人に投資をして、分配を貰う方が安全であると考える人が多いからです。

 

「不動産」といえば投資の王様のような存在でもあります。リートはそんな不動産投資を新しいアプローチで投資をできるように提案している事業モデルです。

しかし実際に、新型コロナウィルス感染騒動の後でも、リートは良い投資なのでしょうか?

考察していきたいと思います。

 

リート(REIT)とは?

リートとは、投資対象を「不動産」としている商品です。

一般的な投資信託は株、債券やコモディティなど様々な資産を扱います。

リートは不動産に特化しています。

 

REITは「Real Estate Investment Trustの頭文字を取っています。

仕組みとしては、リート法人が一般投資家より資金を集め、その資金を元に不動産へ投資します。

投資リターンを個人投資家に分配していくというビジネスモデルの「不動産投資信託」です。不動産ファンドですね。

 

不動産投資信託証券とは

 

リートを買う際の判断は過去の実績や、そのリート法人がしっかりリターンをあげられるような目利き力があるのかどうかを確認する必要があります。

不動産投資ファンドに勤めている友人がいますが、彼が言っていたのはリートは運営者によって大きくリターンが異なるので、注意が必要とのことでした。

 

リートはおすすめできるのか?

リートはおすすめできるのかというと、個人的には気が乗らない投資先です。

新型コロナ感染拡大騒動で世界は変わりました。リート法人に期待したいのは都内オフィスビルなど、大企業などをお客さんとした、高収益物件によるリターンです。

 

しかし、今ではリモートワークが推進され、まだまだ着火したばかりではありますが、リロケーションブーム、つまり、都会脱出が進んでいくことが予想されます。

REIT指数を見てみると、投資家の意見も同様のような気がします。

 

リート指数のチャート

リート指数のチャート

 

上昇相場に乗っていくのが投資です。下落し、なかなか値を戻さないような状況であれば、数年は待つべきかと思います。

リロケーションはまだまだ日本では活発ではありませんが、米国では盛んに行われています。

 

[オークランド(米カリフォルニア州) 29日 ロイター] - 米国では人口が少なく安価な地域での在宅勤務を選ぶ人が増える中、主要都市から郊外に移る人が増加する見込みだ。フリーランサーと雇用主をつなぐアップワーク社が29日、調査結果を公表した。

調査では、1400万─2300万人が転居予定であることが分かった。大都市からの移動を検討している人が多かった。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け、公共交通機関で通勤し混みあった職場で働くことが危険になったことを踏まえると、こうした傾向は驚きでない。それでもここまで多くの人が転居予定であることは驚きだと、アップワークのチーフエコノミスト、アダム・オジメック氏は話す。

参照:米国で最大2300万人が転居も、在宅勤務普及で=調査

 

日本は出社文化ですが、これは毎度のことですが結局は米国のスタイルを日本が追従するのはいつものことです。

少しずつ、日本もリモートワークが今以上に浸透していくことは目に見えています。

落ち目の業界に投資をするというのは、最もやってはいけない行為です。

 

コロナ収束後、またその後のオリンピック後はどうか?と思っている人も多いと思いますが、リモートワークの普及は文化の導入です。

これは、オリンピックがあろうとなかろうと同じです。

そもそもこれまでリモートワークが普及していなかったこと自体が異常事態だったと考えても良いくらいです。

 

<小休止>不動産事業会社とREIT法人(不動産投資信託)の違い

三菱地所や三井不動産、住友不動産や野村不動産など都市開発、不動産投資事業を展開している企業と、リートはどう違うのでしょうか?

事業体であるかファンドであるかどうかです。

 

事業体であれば生み出したキャッシュで不動産投資以外の事業も展開可能であり、当たり前ですがホールディングスとして事業を創造することが可能です。

リートに関しては、利益の90%以上を配当金で拠出すれば法人税が免除されるというものがあります。

リートの仕組み

 

一般的にJ-REITは利益の大部分(税引前利益の90%超)を分配金として支払うことで、法人税が免除されます。法人税が免除されることから、J-REITの配当利回りは他の資産と比較して相対的に高くなっています。

 

ファンド特化することで、配当利回りが高くなるという算段ですね。

しかし、法人税を免除するために配当を出してしまうと、利益を源泉にした事業としての不動産投資の伸びは緩やかになってしまいます。

 

どういうことかというと、個人投資家より10億円を集めて、10億円の不動産投資をして、1億円の利益を生んだとしても、9千万円は配当で出します。

残高はこの時点で10億1000万円です。本来であれば法人税(35%程度)を払い、10億6500万円分の投資が次年度は可能な所、投資できる金額が減少するのです。

 

しかし、投資家は高配当利回りに魅力を感じているため、最初に集めたお金で投資した不動産のみで基本的には長年、回していくという前提なのでしょう。

不動産投資は私自身も行なっていますが、資金さえあれば非常に固い投資です。

その意味では、リートへの投資は良いかもしれません。安全面では。

 

ただし、今後リモートワークが盛んになる社会で、利回りの高いオフィスビル需要が明らかに減少していくことはわかっていますので、やはりおすすめするには気が重いですね。

 

リートの代表銘柄(ランキング)

以下は配当利回りランキングです。

 

順位 証券コード 投資法人名 運用資産 価格騰落率 分配金利回り NAV倍率 時価総額
(百万円)
1 3470 マリモ地方創生リート投資法人 総合型 -8.43% 5.91% 0.87 17,909
2 3451 トーセイ・リート投資法人 総合型 -10.36% 5.83% 0.88 41,269
3 3468 スターアジア不動産投資法人 総合型 -10.12% 5.75% 0.88 84,724
4 3476 投資法人みらい 総合型 -28.33% 5.63% 0.87 71,476
5 2971 エスコンジャパンリート投資法人 複合型 -6.21% 5.56% 1.04 34,637
6 3492 タカラレーベン不動産投資法人 総合型 -18.01% 5.42% 0.96 49,488
7 3488 ザイマックス・リート投資法人 総合型 -22.33% 5.27% 0.75 24,083
8 3453 ケネディクス商業リート投資法人 総合型 -4.23% 5.15% 1.03 139,728
9 3472 大江戸温泉リート投資法人 ホテル主体型 -18.30% 5.12% 0.67 17,439
10 3290 Oneリート投資法人 事務所主体型 -23.75% 5.05% 1.02 69,237
11 8975 いちごオフィスリート投資法人 事務所主体型 -27.62% 4.96% 0.99 128,865
11 3459 サムティ・レジデンシャル投資法人 住居主体型 -0.90% 4.96% 1.08 70,259
13 8956 プレミア投資法人 複合型 -14.78% 4.91% 1.01 176,872
14 8961 森トラスト総合リート投資法人 総合型 -28.40% 4.85% 0.98 185,724
15 2972 サンケイリアルエステート投資法人 事務所主体型 -18.96% 4.84% 0.90 39,498
16 3455 ヘルスケア&メディカル投資法人 ヘルスケア施設主体型 -0.60% 4.81% 1.11 41,519
17 3298 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 事務所主体型 -32.81% 4.80% 0.90 141,231
18 8964 フロンティア不動産投資法人 商業施設主体型 +0.33% 4.66% 1.03 230,101
19 3296 日本リート投資法人 総合型 -18.39% 4.49% 1.06 180,647
20 3292 イオンリート投資法人 商業施設主体型 -1.38% 4.47% 1.00 267,322
20 3295 ヒューリックリート投資法人 総合型 -17.27% 4.47% 0.95 220,022

 

2021年4月現在では、配当利回りは最高で5.91%ですね。

この程度の利回りであれば、米国のインデックス投資で7%を狙っていた方が有意義なのではないでしょうか。

 

 

さらに高いリターンを狙うなら

投資で高いリターンを狙うのであれば株式投資が王道であることはこのブログで散々述べてきました。

株式投資は歴史がそのリターンの高さを証明しています。

他の資産を劣後することが長年ありませんでした。1802年からその歴史は続きます。

資産別リターンの歴史

 

株式投資は平均で6.7%のリターン、上記のリートの高配当銘柄のリターンを優に越えています。しかし、株式投資はリスクが伴います。

そのことから、個別株投資で大きなリターンを狙わず、リートを活用して配当をもらいたいと考えるひとが多いことも理解できます。

リスクとリターンについて

 

しかし、リスクを抑える方法もあります。株で運用している投資信託やヘッジファンドを検討すれば良いのです。

 

投資信託

投資信託にはアクティブ型とインデックス型があります。

 

 

金融庁が公表しているアクティブ型の5年累計リターンは9.7%、インデックス型は22.6%です。

 

分類 5年累積
リターン平均(%)
5年シャープ
レシオ平均
全ファンド
(パッシブ)
22.6 0.4
全ファンド
(アクティブ)
9.7 0.2
国内株式
(パッシブ)
40.0 0.5
国内株式
(アクティブ)
30.9 0.4
先進国株式
(パッシブ)
37.0 0.47
先進国株式
(アクティブ)
12.0 0.23
新興国株式
(パッシブ)
15.2 0.24
新興国株式
(アクティブ)
12.8 0.20
グローバル株式
(パッシブ)
32.6 0.44
グローバル株式
(アクティブ)
8.2 0.17

 

これはつまり、インデックス型は年利回り4.15%程度、アクティブ型は1.84%程度が見込めます。

アクティブ型がインデックス型を劣後してしまっている現状は置いておいて、利回りだけをみるとリートに負けています。

リートの高配当銘柄はやはり比較的優秀なのかもしれませんが、長年その利回りを維持してくれるのかも検討する必要があります。

 

また、上記は国内のインデックス、アクティブ型投信のリターンですが、米国を代表する株価指数であるS&P500は、過去20年間ほど、平均利回り7%程度を出しています。

米国の成長は目を見張るもので、今後も右肩上がりを前提に多くの人が投資をしています。

未来が明るく利回りもリートより高いので、こちらの方が合理的な投資になるかもしれません。

S&P500指数の推移

 

株式投資はやはり強いですね。不動産も堅実なのですが。

 

ヘッジファンド

ヘッジファンドは下落局面でも上昇相場でも、徹底的なリターンを狙うファンドです。

投資信託などは長年の結果をみて利回りはこれくらいか?と判断するような属性です。

 

しかし、ヘッジファンドのファンドマネジャーは毎年最大のリターンを徹底的に追求しています。

私が運用している先のヘッジファンドは、リーマンショック、チャイナショックという下落相場でもリターンプラスで終え、通常時も「減らさない投資」として、順調に運用残高を増やしています。

 

 

ウォーレン・バフェットの名言に以下のようなものがあります。

 

「第1ルール、損しないこと。第2ルール、第1ルールを忘れるな」

 

このルールを徹底的に貫き、投資家は複利リターンを獲得しているのです。

ヘッジファンドについては詳しくは以下の記事で述べています。

 

基本的にヘッジファンドに出資できるのは機関投資家や富裕層のみです。

出資金額が大きいことが背景となっております。機関投資家や富裕層が満足するリターンをヘッジファンドはあげ続けていることがわかるデータは以下ですが、

ヘッジファンドとS&P500指数と世界株式指数のチャート

 

そのリターンの高さから、毎年右肩上がりでヘッジファンドの運用残高は増加していることがわかります。

ヘッジファンドの運用残高

 

ハーバード大学やイェール大学もヘッジファンドを積極的にポートフォリオに組み込んでおり、

欧米では王道の投資となっていますが、超富裕層、富裕層が年々増加している日本でもヘッジファンド投資は浸透していくでしょう。

 

富裕層数推移

 

以下、日本からでも投資ができるヘッジファンドについて筆者が投資しているものも含めてランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います!

 

 

まとめ

今回はリートについて紹介してきました。

特定の選択肢に縛られることなく、より高い合理的に利回りを目指せる投資を実行していきましょう。

 

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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