BMキャピタル(BM CAPITAL)

【解散済み?解約は可能?】BMキャピタルの合同会社の社員権募集という出資形態は怪しいのか?懸念されるポンジスキームの可能性も検証。

2022年5月16日

日本におけるヘッジファンドの先駆者としての地位を確固としているBMキャピタル。

証券会社が大々的に宣伝をうって販売を行う公募ファンドではなく、口コミで広がっていく私募ファンドということであまり内容が表に出てきません。

筆者は2013年からBMキャピタルに投資して10年を超えるのですが、最初は怪しいファンドなのかと疑っていました。

 

信頼できる先輩からの紹介だったので最終的には投資を決断しましたが、投資を検討されている方の中には不安に思われている方もいるかと思います。

本日は筆者がBMキャピタルに投資をする際に安全性について検証したポイントについてお伝えしていきたいと思います。

 

合同会社の社員権募集という形の出資スキームは問題ないか?

まずBMキャピタルは合同社員の社員権募集という形式で投資家から資金を集めて運営しています。

合同会社の社員権の募集による出資スキーム

 

このスキームについて怪しくないか疑問に思われる方もいらっしゃると思います。

この点についてまずは説明していきたいと思います。

 

合同会社は一般的な会社形態

合同会社というと聞きなれない言葉だと考える方が多いと思います。

しかし、自分で会社を立ち上げた方ならさほど驚く会社形態ではないことは理解いただけるかと思います。

会社を立ち上げる際に、合同会社と株式会社を選択することができるからです。

 

合同会社の方が低い金額で登記できるので合同会社を立ち上げる人も結構いらっしゃるのです。

更に、米国では合同会社は「LLC」と表記され、かなりの会社が合同会社で登記しています。

 

日本でも例えば以下の会社が合同会社で運営されています。

アマゾンジャパン合同会社
Apple Japan合同会社
Google合同会社
合同会社 西友
合同会社 DMM.com

 

外資系の日本法人だけでなく、西友やDMMなども合同会社として運営されているのです。

 

その他にも、海外の投資ファンドで合同会社形態(LLC)は通常ですし、日本でも有名企業が合同会社スキームを使ってファンドを設立するケースも多いです。

JR九州の合同会社設立事例

JR九州の合同会社設立事例

 

当社は、下記の通り地域特化型ファンド「合同会社 JR九州企業投資」(以下、本ファンド)を設立しましたのでお知らせいたします。本ファンドでは、九州に事業基盤を置く、中小企業、地域に根差した商品やサービスを提供する企業を対象に投資を行い、投資先企業の事業継続と更なる成長を支援することで、地域の発展と成長に繋げる取り組みを進めてまいります。また、本取り組みはJR九州グループとジェイ・ウィル・グループ(以下、JWグループ)との共同投資のスキームによるものです。地域のインフラであるモビリティサービスを担うJR九州グループとファンド事業において豊富な経営支援の実績を有するJWグループと一体で九州の持続的な発展に貢献してまいります。

地域特化型ファンド「合同会社 JR九州企業投資」を設立

 

海外超一流ヘッジファンドのシタデルやタイガーグローバルなんかもLLC(合同会社)ですね。

シタデルLLC(旧社名:シタデル・インベストメント・グループLLC)は、米国の多国籍ヘッジファンドおよび金融サービス企業である[1]。1990年にKenneth C. Griffinによって設立され、2022年5月現在、運用資産は500億米ドル以上[1]。 従業員数は1,400人以上で、シカゴに本社、マンハッタンに運用本部、北米、アジア、欧州にオフィスを構える。創業者でありCEO兼Co-CIOのケネス・C・グリフィンが約85%の株式を保有している[4]。

タイガー・グローバル・マネジメント(Tiger Global Management, LLC)は、米国の投資会社です(旧名:タイガー・テクノロジー)。主にインターネット、ソフトウェア、消費者向け、金融テクノロジー業界を対象としている。

 

 

合同会社と株式会社の違いとは?

では、合同会社と株式会社は何が違うのでしょうか?

 

合同会社と株式会社の違い

 

一番大きいのは、所有と経営に対する考え方です。株式会社は所有者である株主が必ずしも経営者であるわけではありません。

特に創業社長が経営している会社以外の大企業の多くは株主が選任した取締役などの経営陣が経営を担っています。

 

一方、合同会社は出資者が経営者になります。また、株式会社は出資している金額に応じて議決権があたえられますが合同会社は原則1人1票の議決権が与えられています。

ただ、合同会社の利益の配分比率は出資者である社員毎に定款で自由に決めることができるのです。

BMキャピタルは出資した金額に応じて運用で得られた利益を配分しているわけですね。

 

合同会社の社員権販売によって運用資金を募集するのは合法

通常、ファンド運用を行うためには金融庁の登録が必要となります。

しかし、登録を得るためには多大なコストが必要となりますし、運用手法も金融庁によって規制され自由な運用が出来なくなります。

 

そこで、BMキャピタルは合同会社の社員権を販売する形で運用資金を投資家から集めています。

結論からいうと、この手法は完全に合法であり行政書士や弁護士も認めています。

 

株式や債券等、「有価証券」そのものでなくても、金融商品取引法上のみなし有価証券の私募については原則として金融商品取引業の登録が必要です。

しかし、合同会社が自らの資金調達のため、社員権を自ら募集又は私募する行為は、金融商品取引業の登録を受けずに行うことができます(金融商品取引法2条8項7号参照)。

これが、「合同会社の社員権募集スキームが金融商品取引法の登録の例外」といわれるゆえんです。

参照:
匿名組合設立代行センター
代表:フロンティア総合国際法務事務所代表行政書士「田上 創」

 

合同会社の社員権を、自ら販売する場合には、金融商品取引業の登録が必要がありません。そのため、資金調達の手段として、合同会社の社員権販売が行われているのです。

参照:弁護士「中野秀俊」

 

金融庁対応や、運用の規制をうけずにファンドマネージャーが辣腕を振るうことができるという点で優れた形態ということができるでしょう。

ファンドマネージャーには運用に集中してもらった方がいいですからね。尚、米国トップ5ヘッジファンドと言われている「Scion Asset Management LLC」、「Citadel LLC」、「Renaissance Technologies LLC」なども合同会社形態ですね(LLC=Limited Liability Company、合同会社)。

蛇足ですがルネサンステクノロジーのメダリオンファンドは31年間、ドットコムバブル崩壊、リーマンショックでさえもマイナスを出したことがない伝説のファンドです。

筆者もメダリオンファンドに投資をしたいところですが、運用総額が増えすぎると手法が機能しなくなるため同社CEOのシモンズ氏は早々に投資家の募集を閉じました。

medalion fund performance

 

公募で募集して投資信託として運用するとアクティビスト戦略を実行する際に支障がある

BMキャピタルが公募で運用していない大きな理由の一つとして戦略上の問題もあるそうです。以下は営業から聞いた話をまとめたものです。

投資信託は投資信託協会の「デリバティブ取引等に係る投資制限に関するガイドライン」から以下のような制限を課されています。

 

一般社団法人投資信託協会の規則に定める一の者に対する株式等エクスポージャー、債 券等エクスポージャー及びデリバティブ等エクスポージャーの信託財産の純資産総額に対 する比率は、原則としてそれぞれ 10%、合計で 20%以内とすることとし、当該比率を超えることとなった場合には、一般社団法人投資信託協会の規則に従い当該比率以内となるよう調整を行うこととする。

 

つまり、運用資産の最大10%までしか1銘柄を保有することができないということです。

BMキャピタルは超割安株に投資をおこない、大株主として経営者に株式価値を引き上げる提言を行い株価を上昇させるアクティビスト戦略を実行しています。

→ BMキャピタルの組み入れ銘柄は?過去のバリュー株投資事例(アクティビスト活動含む)

 

この戦略を実行するためには1つの銘柄にい大きな金額を投じる必要がある局面もあります。

このような場合に上記のような制限を受けてしますとアクティビスト戦略を実行できなくなってしまいます。

自由に運用を実行するためにもヘッジファンドとして運用するのが最適であるということですね。

 

BMキャピタルは何度も解散しているけど大丈夫?

国税庁の法人番号公表サイトでビーエムキャピタルと調べると以下の通り過去に4回解散していることが読み取れます。下から2番目は住所が違うので別法人だと思います。

BMキャピタルは何度も解散している

 

何度も解散しているのでポンジスキームなのかなと筆者も最初は怪しみました。

しかし、次の項目で確認している通り投資の実態もありますし、10年やってきてポンジスキームなら訴訟や炎上があるはずですが見当たりません。

 

この点について営業との面談の際に聞いてみたのですが納得いく回答が得られました。

ここでは簡単にお伝えするのですが、合同会社の社員権販売スキームは499人までしか投資家を募ることしかできません。

そのため最低出資金の1000万円を集めたとすると5億円程度しか資金が集まりませんよね。

 

そこで499人に達した時に特別な措置をして対応しているそうです。この点について興味のある方は面談で聞いてみることをおすすめします。

→ BMキャピタルに問い合わせを行い実際に面談をした時の体験談を元に紹介!5chでも話題のヘッジファンドへの申し込み方法をわかりやすく解説。

 

BMキャピタルはポンジスキームかを徹底検証

詐欺ファンドの典型的な例としてポンジスキームというのがあります。BMキャピタルがポンジスキームに該当するかどうかを検証していきたいと思います。

そもそもポンジスキームとは?

ポンジスキームとは集めた資金を運用せずに、新規出資者から引き受けた資金を既存出資者に分配するスキームです。

新規出資者からの資金の流入が多い期間はポンジスキームは継続します。

ポンジスキームとは?

 

しかし、新規出資者より既存出資者の方が大きくなると、資金をプールしているファンドが減少していきます。

その段階になった時にファンドを運用している主体は資金を持ち逃げして蒸発してしまうのです。

 

ポンジスキームが蒸発する時

 

つまりポンジスキームを運営する詐欺団体としては、できる限り新規投資家からの資金を集める必要があります。そのため、以下の特徴を有しています。

  • 異常に高い利回りを喧伝している
  • 投資している実態が確認できない
  • 運用歴が短い
  • 解約に何かしらの制限がある

 

ではBMキャピタルにこれらの特徴があるのかを確認していきたいと思います。

 

異常に高い利回りを喧伝していないか?

まずポンジスキームの一番大きな特徴として誇大広告が挙げられます。

  • 年率50%近いリターン
  • 月利3%以上のリターン
  • 日利1%etc

 

先ほどお伝えしたとおり、どれだけ新規投資家を集められるかがポンジスキームの勝負です。できる限り魅力的な言葉を並べ投資家を募っているのです。

しかし、世の中甘い話はありません。覚えておいて欲しいのは投資の世界で神様とよばれるウォーレンバフェットですら長期の平均リターンは20%程度だということです。

 

高い利回りを喧伝しているファンドは正直非常に怪しいと思っておいた方がよいでしょう。

一方BMキャピタルは下落を免れることを第一優先としながらも年率10%以上のリターンを謳っています。

誇大広告をしているどころか、堅実なリターンを謳っているということができるでしょう。

 

 

投資している実態があるか?

次に投資をしている実態があるか?

という点も非常に重要になります。ポンジスキームは先ほどお伝えした通り、投資を行わずに集めた資金を既存の投資家に分配しています。

投資をしている実態が確認できるかを重視しましょう。BMキャピタルは以下の通り、実際に投資をしている形跡を見ることが出来ます。

ダントーHD[5337] 株式買付 買付人

淡路交通 買付数…224万株(7.7%)
応募株主
Black Clover Ltd…214.2万株 ・
BMキャピタル…9.8万株

参照:@nicoDisclosure

 

萬世電機の株主欄にいつのまにかBMキャピタルが入っていた。ブラッククローバーは12月に買い増したし、光通信もまだ1.5%持っているのだろう。 バリューファンドが集う…。

参照:@boss_value

 

この他、大株主として媒体に時折出現します。大株主となって経営陣に提言する必要があるため、大量保有報告書を提出し、アクティビスト活動を進めています。運用規模が大きいので、アピールしなくてもどうしてもメディアには出てしまいますね。本当の富裕層は自発的に発信しなくても、どうしても名前が出てしまうという話に似ています。

大株主

 

また、四半期毎に配布されるレポートでは、Deal Doneとなった銘柄について、投資をする経緯から利益を確定した理由について詳細にレポーティングしてくれます。

投資をしているのは間違いないとみてよいでしょう。

 

運用歴が短くないか?

ポンジスキームの場合、できる限り早く大量の資金を集めて蒸発することでファンドを組成している詐欺業者は大きな利益を得ることができます。

ポンジスキームで5年以上運用できているところは殆どないとみてよいでしょう。

BMキャピタルは既に運用12年目にさしかかっていることを考えるとポンジスキームである可能性はないと断言できるレベルですね。

 

解約はしっかりできるか?

ポンジスキームの中には解約による元本の引き出しを制限する条項を契約に盛り込んでいるところがあります。

例えば以下の例が考えられます。

  • 元本の引き出しは禁止で毎月配当金だけが分配される
  • 元本の引き出しは抽選制で引き出しできるとは限らない

 

とにかくポンジスキームを組成している側が一番抑制させたいのは元本の引き出しです。

あの手この手で元本が引き出せないようにしている姿勢が見て取れたら危険とみてよいでしょう。

BMキャピタルは四半期に一回、出資並びに解約を投資家から受け入れています。特に条件もないことから、しっかりと運営されていることが分かりますね。

関連:BMキャピタルの気になる評判や口コミとは?老舗ヘッジファンド「BM CAPITAL」の口コミを紹介する!

 

まとめ

BMキャピタルについて今回のポイントは以下です。

  • 合同会社の社員権販売による資金を集めるという形態は合法的な手段
  • あらゆる観点からBMキャピタルがポンジスキームである可能性はないと断言できる

 

BMキャピタルについては網羅的に以下でまとめていますので参考にしていただければと思います。

 

 

締め括り

 

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