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ROEとROAの計算・目安をわかりやすく説明する!バフェットも注目する重要指標を証券アナリストが徹底解説。

2022年5月15日

Yahooファイナンスやネット証券でみると、ROEやROAやPBRやPERといった指標が出てきて混乱される方もいらっしゃると思います。

本日は株式投資を行う上で重要となる指標のうち効率性を表すROEとROAについて、詳しくわかりやすく書いていきたいと思います。

 

ROEとROAは企業が如何に効率よく利益を上げているかを図る指標です。両者はバフェットや日本の金融庁も重要視している指標です。

 

本日は両者がそれぞれどのような指標なのか?

何故、重要な指標なのか?

 

という点についてわかりやすく解説していきたいと思います。

 

ROEとは?

まずROEですが、これは Return on Equityの略です。よく本屋でもROE投資みたいな本がでてますよね。

では結局なんなのか、何故注目してるのか、注意しなければいけない点はあるのかという点を説明していきます。

 

ROEの概要と目安

ROEはReturn on Equityという名前の通り株主資本から一年間でどれだけの利益を上げれたかという指標です。計算式としては以下で表されます。

 

ROE
=
当期純利益 ÷自己資本

 

分かり易くすくいうと、あなたが1000万円をAさんに任せるとします。

その預けた人であるAさんが一年間でどれだけ稼ぎましたかという指標です。

 

100万円を稼げばROEは10%になりますし、200万円を稼いでくれればROEは20%になります。

当然一杯稼いでくれる方がいいので、基本的には高ければ高い方がいいです

 

因みに日本企業の平均ROEは8%と大変低く、10%を超えることを政府も望んでいます。

米国のROEは15%~18%、私が今最も注目しているイランのROEは25%と驚異的な数値を記録しており、大変有望な市場となっています。

 

なぜ注目されているのか?

実はこのROE、バフェットも大変注目している指標となります。

といいますのも、ROEが高ければ高いほど毎年の利益が純資産に積み増され、純資産が上昇するからです。

しかも、複利の効果で飛躍的に。

 

先程の例で見ていきましょう。例えばROEが20%で継続するビジネスだとします。

1000万円を元手にAさんが200万円を稼ぐとすると、元手である資本、つまり純資産は1200万円になります。

翌年はこの1200万円の20%を稼いでくれるので、240万円を稼いで、純資産は1440万円となります。

更に翌年は1440万円の20%を稼いでくれるので、288万円を稼いで、純資産は1728万円となります。

 

そして次の年には1728万円の20%で345万円を稼いで、2000万円を達成します。

ROEが20%の場合、わずか四年間で純資産が倍になるのですここで理論株価の式に戻りますと、理論株価は以下の式で算出されます。

 

理論株価の算定式

 

理論株価
=
(①現時点の純資産価値 ⤴+②今後の事業価値⤴ )
÷
③発行済株式数

 

ROEが高いと、当然毎年純資産が積みあがっていきますので、「①純資産価値」が飛躍的に上昇していきます。

また、「②今後の事業価値」も元となる純資産が増えれば稼げる金額が増えていくので上昇していきます。

つまり大きく理論株価は上昇させてくれるのです。

株価は長期でみると理論株価に収斂していきますので、ROEが高い銘柄程将来株価上昇余地が高くなっていきます。

 

ROEの目安とは?

ではROEの目安はどうなっているのでしょうか?

以下は日本と米国のROEの推移です。たしかに過去10年でかなり改善されていますが、それでも米国のROEと比べると大きく劣後した数値になっていますね。

 

日本と米国のROE推移

日本と米国のROE推移

 

平均的にやはりROEは10%を超えていて欲しいところです。

一般的にバフェット等が投資対象とする銘柄は最低でもROEが20%以上、高いものでは40%以上の銘柄に投資しています。

ROEを20%以上の銘柄でソートしてみるのも一つの手法ですね。

 

どんな企業がROEが高い?計算しよう

ではどんな企業のROEが高いのでしょうか。

まず一つは消費者独占型の企業です。

わかりやすい例ですと、バフェット氏が購入しているコカ・コーラです。なんとROEは30%程度で現在も推移しています。

 

まぜ消費者独占型の企業のROEが高いかというと、もうブランド化されていて誰もが買わざるを得ない状況となっている為です。

例えば貴方がコンビニの店長だとします。すると、コーラは絶対置きますよね。コーラを置く際にコカコーラを置かないという選択肢はあるでしょうか。

想像すればすぐ分かりますが、ありませんよね。

 

つまり人々の心を掴んで離さない企業には、需要が殺到するということです。

現在でこそ成長余地は限定的となってきましたが、バフェットが投資した1989年はまだまだ需要拡大余地が存分にあり、

圧倒的なブランドを確立した超有望銘柄だったわけです。

バフェットは当時PERが20倍程度と表面上は割安とは言えない水準でしたが、このROEの高さからくる成長率に着目し、コカコーラ株を購入しました。

 

バフェットは他にはウォルト・ディズニー社を魅力的であると述べています。

確かに私達関東圏の人たちも遊園地といえば、ディズニーというのが定着していますよね。大阪の人におこられてしまいそうですが。

このほかにROEが高くなる企業としては借入を行いレバレッジをきかせている企業がありますが、これは注意が必要です。次項で説明します。

 

レバレッジが高く結果的にROEが高くなっている場合は要注意

最初にROEは基本的に高いほうがいいといったのには訳があります、例えば以下のようなケースを考えてみましょう。

1000万円を預けた人Aさんが、貴方から預かった1000万円の他に銀行から2000万円を借り入れて最終的に500万円の利益を得たとしましょう。

するとROEは500万円 ÷ 1000万円 = 50%となります。然し、1000万円の資金に対して、2000万円の借金をし、レバレッジが3倍という状況になります。

 

一方3000万円をAさんに預け入れたとします。Aさんが借金をせずに500万円の利益を出した場合、ROEは500万円 ÷ 3000万円 = 16.6%となります。

つまり借金を行ってレバレッジを効かせれば効かせるほどROEは高くなるのです。そこで次項で説明するROAが重要になってきます。

 

ここは判断が難しく、成長著しい企業でしたら借入を大量に行ってでも、

ビジネス推進力を加速させた方が株主価値増大には賢明な手段となるので、このような企業の場合は推奨されます。

 

然し、成長力が弱い企業であれば借入を行うことによって金利の支払いが賄えなくなるリスクもあり、

結果的にROEをよく見せる為に財務的に苦しくなり破滅に向かっていくということも十分にあり得ます。

最低でも金利を賄える分の成長が出来ているかという分析が必要になります。

 

ROAとは?ROEとは何が異なるの?

ROAとは?

ROAはReturn on Assetの略です。ROEとは最後のEquityがAssetにかわっただけで、資産を活用して如何に設けているかを図る指標となっています。

算出式としては以下のようになっています。

ROA
=
当期純利益 ÷総資産

 

ROEが自己資本のみをみていたのですが、ROAは総資産で見ています。以下図を見て下さい。

総資産はいいかえれば、純資産と総負債の合計です。

借入金と自己資本とその他負債でいくら稼いでいるのかということを意味します。

ROAとROEの比較

つまりROEの例でいうと、

1000万円を自己資本で預入、2000万円の借金をして500万円儲けるケースも、

3000万円を自己資本で預入、借金無しで500万円儲けるケースも、

ROAは同じく500万円 ÷ 3000万円 = 16.6%となります。

 

ROAは高い方がいいんですが、結局財務諸表の中までみにいかなければ健全な経営が出来ているかというところまでは見えてこないですね。

本質的にはROEと大して変わらない指標といえるでしょう。

ROEとROAの関係を数式的に説明する

ROEとROAは以下の式で表すことができます。

デュポン・システム

デュポン・システム

 

つまり簡単にすると、以下の通りROEはROAに財務レバレッジをかけた指標ということができます。

 

ROE=ROA✖️財務レバレッジ

 

 

ROAが低いにも関わらず、ROEが高い企業は多額の借り入れを行いレバレッジを効かせていることができまするのです。

 

ROAの目安とは?

ROAの目安は以下の通りです。ROEと同様に日本はROAにおいても欧米同様に低い数値となってしまっています。

日米欧のROAの推移

 

ROAも米国の基準である8%以上、できれば10%あると非常に効率的な経営ができているといえますね。

 

まとめ

ROEはいかに株主から預かった資本で効率よく儲けているかといった指標であり、

高いROEが維持できるのであれば理論株価の成長を伴い株価の飛躍的な上昇が期待できる。

マクドナルドやボーイングなどの消費者独占型企業で高い傾向にあります。

 

注意点としては過度なレバレッジをかけることにより、ROEを高く見せかけることが出来ることです。企業が過度な財務リスクをとっていないかを精査する必要があるという点。

そこで、総資産ベースでの収益力をみるROAと合わせてみることが有効となります。

ROAとROEがともに高い企業は財務体質が健全で、なおかつ効率よくリターンを叩き出している企業ということができます。

 

割安さを示す指標であるPBRとPERについても参考にしてください。

PERとPBRとROEとは?株式投資の重要な指標の見方や目安をわかりやすく解説する!

締め括り

 

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