日本の投資信託(含むETF)分析

手数料が高い?三井住友トラストが運用する「世界経済インデックスファンド」はおすすめできる?利回りや今後に見通しを含めて徹底評価!

2022年5月16日

世界経済が拡大していくことは間違いないとして世界経済に一括で投資できる投資信託に投資をしている方も多いのではないでしょうか?

当ブログでも以前、全世界に投資するファンドとして「セゾン資産形成の達人ファンド」と「セゾンバンガードグローバルバランスファンド」について取り上げました。

本日はセゾン投信と並んで有名な世界経済に投資することができると評判の世界経済インデックスファンドについて取り上げたいと思います。

 

世界経済インデックスファンドとは?

世界経済インデックスファンドは三井住友トラストによって運用されています。

世界中の株と債券のインデックスファンドを組入

世界経済インデックスファンドは世界の株式だけでなく、債券も組み入れます。分類としては以下の6つに分かれます。

 

【株式ポーション】
✔︎ 国内株式
✔︎ 先進国株式
✔︎ 新興国株式

【債券ポーション】
✔︎ 国内株債券
✔︎ 先進国債券
✔︎ 新興国債券

 

また、それぞれの資産について組み入れているのはアクティブファンドではなく、指数に連動するインデックスファンドです。

→ インデックス型投信(=パッシブ)とアクティブ型投資信託はどっちがおすすめ?成績や手数料を中心に金融庁データをもとに徹底比較!

 

各組み入れインデックスファンドのリターンの比較は以下の通りとなっています。

世界経済インデックスファンドの組み入れ各ファンドの基準価格の推移

 

 

債券と株式で半々に投資をしている

世界経済インデックスファンドは株と債券に半々で投資をしています。

2022年4末時点でのポートフォリオは以下の通りとなっています。

世界経済インデックスファンドの組入比率

資産構成比率 基本構成比率
国内債券インデックス 3.52% 5%
先進国債券インデックス 28.90% 30.00%
新興国債券インデックス 13.90% 15.00%
国内株式インデックス 5.08% 5.00%
先進国株式インデックス 32.18% 30.00%
新興国株式インデックス 15.45% 15.00%
その他 0.97% 0.00%

 

基本構成比率は通常時に目指すポーションということになります。

一方、今の資産構成は実勢状況をみてファンドマネージャーが微妙に調整したり、日々の価格の値動きで変動したポジションということになります。

なお、基本構成比率はGDP構成と比較して新興国の組み入れ比率が少なく、日本と先進国の組み入れ比率が大きくなっています。

世界経済インデックスファンドの組み入れ比率をGDP比率と比較

 

 

 

世界経済インデックスファンドの手数料

世界経済インデックスファンドはインデックスファンドを組み合わせていますが手数料は特に購入手数料で高めに設定されています。

購入手数料:3.3% (税込)
信託手数料:年率0.55% (税込)

 

債券投資を組み入れる意味はあるのか?

よく株式と債券を組み入れることでポートフォリオの安定性が高まって下落を抑制しながら資産を増やすことができると言われています。

実際、以下世界経済インデックスファンドのレポートが示している通り株式と債券を組み合わせたポートフォリオは安定したリターンを出してきました。

債券と株式を組み合わせた時の安定したリターン

 

 

しかし、これは今までの世界では通用しましたが、今後の世界では通用しません。

なぜ、株が下落した時に債券が上昇するのかという理由について皆さんはご存知でしょうか?

 

株価が下落すると、中央銀行による金融緩和が実施されるという観測が市場で発生して金利が下落します。

金利が下落すると債券価格は上昇します。

結果的に株価が下落する時には、債券が上昇するという逆相関の関係がありました。

そのため、今までは債券を組み入れることでポートフォリオのリターンを安定させることができました。

 

しかし、現在の先進国債券利回りはコロナショックを受けて先進国最高水準の米国長期債ですら2%台という水準になっています。

米国の長期金利の推移

 

そして、インフレが発生していることで金利上昇リスクがあり

 

実際、ヘッジファンドの帝王といわれるレイ・ダリオも債券をポートフォリオから2020年6月以降外しています。

2022年の現在も状況は変わっておらず、債券を組み入れる意義は現在殆どないといっても過言ではないでしょう。

 

世界経済インデックスファンドのリターンを評価

それでは肝心な世界経済インデックスファンドのリターンについてお伝えしていきたいと思います。

世界経済インデックスファンドの単体のリターン

以下は設定来の世界経済インデックスファンドのリターンとなります。

世界経済インデックスファンドの価格推移

 

騰落率
1ヶ月 2.08%
3ヶ月 5.45%
6ヶ月 11.23%
1年 21.29%
3年 26.20%
設定来 181.34%

 

12年5ヶ月で181.34%ということは年率リターンに直すと8%程度と優秀な成績を残しています。

しかし、今後は先ほどコラムでお伝えした通り債券が低いパフォーマンスとなることが想定されるのが懸念されるところです。

 

世界の株と債券の半々に投資するeMAXISバランス(4資産均等型)と比較

世界の株と債券を半々で投資しているファンドとしてeMAXISバランス(4資産均等型)があります。

eMAXISバランス(4資産均等型)の投資比率は以下となっています。

世界経済インデックスファンドのポートフォリオ

 

 

ポートフォリオとしては新興国の株式と債券が入っていないという違いがありますが、債券と株式の比率は世界経済インデックスファンドと同じになっています。

青:世界経済インデックスファンド
赤:eMAXISバランス(4資産均等型)

 

セゾン資産形成の達人ファンドとeMAXISバランス(4資産均等型)の比較

 

 

殆ど同様のリターンとなっています。

 

セゾン資産形成の達人ファンドに比べると大幅に劣後

一方、世界株式に分散投資するセゾン資産形成の達人ファンドとの比較は以下です。

青:世界経済インデックスファンド
赤:セゾン資産形成の達人ファンド

 

世界経済インデックスファンドとセゾン資産形成の達人ファンドのリターンの比較

 

株単体のセゾン資産形成の達人ファンドは価格の値動きが激しいですが長期でみると債券を組み入れている世界経済インデックスファンドに対して高いリターンを実現しています。

 

世界経済インデックスファンドの今後の見通し

重要なのは今後の見通しです。それではもう一度現在のポートフォリオを見てみましょう。

世界経済インデックスファンドの組入比率

ここで重要なのは先進国の債券インデックスを28.9%保有しているところです。

現在世界では大きくインフレが進展しており、各国の中央銀行の金融引き締めを意識して金利が上昇基調にあります。

金利が上昇するということは一見すると債券の価値が上がりそうですが、保有している債券の価値は値下がりしてしまうのです。

そのため、債券を組み入れたところで安心という局面ではないのです。

 

さらに世界的に株式市場が下落に転じていますが、この流れは金融引き締めが続く限り継続することが見込まれます。

しばらくは厳しい環境が続くといっても過言ではないでしょう。以下は全世界の株式市場の動きを表すバンガード社のETFであるVTの推移です。

全世界の株式の動き

 

来月のレポートでは成績が悪化していることが示されていることと思います。

 

相場に影響されずに資産を増やすには?

みなさんが気になっていることは相場に影響されずに資産をふやしていくことと思います。

その最も有力な選択肢がヘッジファンドです。ヘッジファンドとはいかなる環境でもプラスのリターンを目指して運用している絶対収益型のファンド形態です。

 

実際、ヘッジファンドは全世界に比べて高いリターンをだしながらも下落を抑えています。

リーマンショックも全世界株や米国のS&P500指数が40%の下落を被っている中でも20%の下落で耐えている点も特筆すべき点です。

 

ヘッジファンドとS&P500指数と世界株式指数のチャート

筆者もヘッジファンドを主な運用先としながら資産を形成しています。

以下では筆者が実際に投資しているヘッジファンドを含めて日本人投資家が投資できるファンドをランキング形式でお伝えしていますので参考にしてみてください!

 

10年間1度も下落なし!?

おすすめファンドランキング

※日本人投資家も投資可能

 

 

まとめ

世界経済インデックスファンドは世界の株と債券に半々に分散投資をしているファンドです。

安定したリターンを積み重ねていますが、今後は債券が上昇余地がないところをみると株式のみの場合に比べてパフォーマンスは劣後し続けることが想定されます。

理想的なのは株式投資のリターンを享受しながらも下落を抑制して安定的に上昇する投資先に投資することだと思います。

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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