【ゼウス投信】もう売り時!?評判はよいが大損している毎月分配型投資信託「新光US-REITオープン」を徹底評価!今後の見通しは明るい?USリートはどこまで下がる?

日本の投資信託(含むETF)分析

【ゼウス投信】もう売り時!?評判はよいが大損している毎月分配型投資信託「新光US-REITオープン」を徹底評価!今後の見通しは明るい?USリートはどこまで下がる?

2022年5月13日

日本にはREITに投資しているファンドが数多く存在しています。

その中でも非常に有名なのが「アセットマネジメントOne」が運用している「新光US-REITオープン」(通称:ゼウス投信)です。

 

ゼウス投信は名前からわかる通り米国のREITに投資をしている投資信託です。

ゼウス投信は基準価格が運用開始から5分の1程度となり、一見すると大損しているかのように見受けられます。

では、実際のところどうなのでしょうか?

 

本日はゼウス投信の特徴から運用実績にいたるまで詳しく見ていきたいと思います。

ゼウス投信に投資判断をする上で参考にしていただければと思います。

以下は様々な投資信託を分析した筆者の観点で、長期的な資産形成に適したファンドをランキング形式でお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

 

 

ゼウス投信の特徴とは?

ではまずゼウス投信の特徴についてお伝えしていきたいと思います。

投資対象は米国リート

ゼウス投信が投資を行っているのは米国リートです。

不動産投資信託(REIT)とは?

 

リートとは不動産を証券化したものです。投資家から集めた資金で不動産を購入し、得られた収益の90%以上の投資家に分配することで免税となる仕組みが整えられています。

投資家が免税となるわけではなくREIT法人が免税になるということです。

リートについては以下で詳しくお伝えしています。

→ 〈2024年は危ない?〉長期投資でリート(J-REIT)をおすすめしない理由について解説。買い銘柄はコロナ収束→オリンピック後に出てくる?

 

米国のリートは株価と同様に堅調に推移しています。以下は米国株全体の動きと、リートの動きの比較ですが殆ど同様のリターンになっています。

青:米国株
赤:米国リート

米国リートと米国株の比較

 

ただ、後でもお伝えしますが上記は米国リートが分配金をだして税金を回収されなかった場合のリターンになります。

リートは殆どを分配金として拠出するので税金による毀損割合は株式よりも大きくなってしまいます。

実際は分配金を拠出した時に税金が支払われるので上記赤線よりは低いリターンになってしまいます。

 

リートは利益の90%超を拠出することで免税に

 

コラム:分散目的であればREITとは別の選択肢を考えよう

リーとに投資する人の中には、株式だけでは不安だからという方も多いのではないでしょうか?

しかし、上記でみていただければ分かる通り、先進国において日本でも米国でも基本的に不動産市場と株式市場は同じ動きとなります。

つまり、資産分散となっていないのです。

 

資産分散を行うのであれば、異なった動きを行う資産をポートフォリオに組み入れることで安全性を増すことができます。

その資産分散をうまく行っているのが米国のハーバード大学やイェール大学といった一流大学が運用する基金です。

→ エンダウメントの投資戦略を参考に長期的に資産を形成しよう!オルタナティブ投資を活用し資産分散を行うメリットについて

 

彼らはヘッジファンドや金などの商品を食い入れることによって高いリターンを安定して出し続けています。

特に筆者が注目しているのがヘッジファンドです。ヘッジファンドは筆者もポートフォリオの中核として活用しており、安定して高いリターンを出し続けています。

以下では日本人の個人投資家が投資できるヘッジファンドについてランキング形式で纏めていますので参考にして頂ければと思います。

 

 

ゼウス投信の組入銘柄

それでは2023年12月末現在のゼウス投信の組入銘柄についてみていきましょう。

ゼウスの構成上位銘柄

ゼウスの構成上位銘柄

 

以下は前回分析した時からの推移です。

上位銘柄で普遍のものもありますが結構銘柄を入れ替えているのがわかりますね。

 

2023年12月 2023年9月 2023年7月 2023年4月 2022年12月 2022年7月
1 アメリカンタワー WELLTOWER プロロジス プロロジス プロロジス アメリカンタワー
2 WELLTOWER アメリカンタワー アメリカンタワー アメリカンタワー クラウン・キャッスル クラウン・キャッスル
3 リアルティ・インカム VICIプロパティーズ リアルティ・インカム リアルティ・インカム デジタル・リアルティ プロロジス
4 デジタル・リアルティ リアルティ・インカム WELLTOWER WELLTOWER VICIプロパティーズ UDR
5 SBAコミュニケーションズ デジタル・リアルティ UDR VICIプロパティーズ アメリカン・タワー WELLTOWER
6 レックスフォード プロロジス AVALONBAY UDR SBAコミュニケーションズ AVALONBAY
7 UDR SBAコミュニケーションズ VICIプロパティーズ AVALONBAY リアルティ・インカム INVITATION HOMES
8 VICIプロパティーズ サン・コミュニティー デジタル・リアルティ サン・コミュニティー インビテーション・ホームズ SIMON Property
9 アレクサンドリア レックスフォード サン・コミュニティー ヘルスピーク・コミュニティ サン・コミュニティー EQUINIX INC
10 エクストラスペース ヘルスピーク・コミュニティ レックスフォード レックスフォード ヘルスピーク・コミュニティ EXTRA SPACE

 

銘柄を言われてはわからないと思うので、セクターの比率の推移をみていきたいと思います。

1年前から住居の割合を減らして、医療施設やデータセンターなどを引き上げています。

 

2023年12月 2023年9月 2023年7月 2023年4月 2022年12月
産業施設 13.6% 15.3% 18.3% 12.2% 13.2%
インフラ 15.3% 14.8% 12.2% 12.5% 17.3%
医療施設 12.1% 14.8% 12.0% 12.2% 8.9%
商業・小売 11.4% 14.7% 11.6% 12.0% 12.8%
住居 14.4% 12.7% 19.8% 19.4% 19.2%
データセンター 7.6% 8.9% 8.0% 7.1% 7.3%
特殊施設 3.6% 2.0% 1.4% 6.7% 8.6%
貸倉庫 7.1% 4.0% 4.5% 4.6% 5.1%
オフィス 5.9% 3.9% 3.7% 3.7% 550.0%
ホテルレジャー 1.6% 1.5% 3.5% 3.6% 2.2%
森林 3.1% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

 

現在住宅価格が下落していることを反映しています。

これはFRBによる過激な金利引き上げによってローン金利が高くなり住宅用不動産の価格が下落していることにも起因しています。

今、住宅関連に投資をしているのはリスクが高いということですね。産業施設は堅調です。

 

どうしてもセクターローテーションは発生し、投資家は対応が求められます。長期的にホールドしていればいいという単純な話でもありません。

Covid19のように世界が変わってしまうこともあるのですから。

資産運用とは、どんな場面でも安定してリターンを出せる投資先を探すのが肝となるのです。

 

つまり、本気で資産運用をするのであれば、本気で勉強して本気で相場に取り組む必要があるということです。

本業も本気、資産運用も本気というのは実際に難易度が高いので、そのために投信やヘッジファンドなどを活用するのが我々の手段になります。

ゼウスに関しては個別株投資に近いですね。セクターに投資するわけですから、難易度が高いです。

 

【2023〜2024年】日本国内優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ運用先をランキングで紹介!
【2024年4月更新】日本国内優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ運用先をランキングで紹介!

続きを見る

 

 

高い手数料形態

ゼウス投信はアクティブ型の投資信託です。そのため、比較的高い手数料水準となっています。

購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:1.683%(税込)

→ インデックス型投信(=パッシブ)とアクティブ型投資信託はどっちがおすすめ?成績や手数料を中心に金融庁データをもとに徹底比較!

 

ゼウス投信の運用成績とは?毎月分配が成績を毀損

では肝心のゼウス投信についてみていきましょう。

 

税引前分配金を再投資したベースでの基準価格は堅調

以下はゼウス投信の運用が開始された2004年9月からのリターンの推移です。(2023年12月の月次レポート)

 

ゼウス投信の基準価格の推移

ゼウス投信の基準価格の推移

 

赤色の基準価格は一貫して下落しており現在は2004年の基準価格10,000円から5分の1程度の2,000円近辺で推移しています。

ただ、青色の税引前の分配金再投資したベースの基準価格は2004年から3倍になっています。しかし、あくまで税引前の配当金再投資という点が重要になってきます。

 

毎月分配金の罠とは?高い分配利回りは複利効果を毀損する

2023年4末時点でのゼウス投信の基準価格は約1800円ですが、毎月の分配金は25円(年間300円)となります。

つまり、現時点で年間分配利回りは約17%という高い水準になっています。

 

ただ、高い分配金をだすことは複利効果を毀損する結果となります。

わかりやすく年利10%稼ぐ資産が配当を出した場合と、配当を出さなかった場合の比較で考えて見ましょう。

投資資金はわかりやすく100万円として税率は20%とします。(本来投資に関する税率は20.315%ですが単純化します。)

 

分配金なし 分配金あり
基準価格 税後分配金
現在 100 100
1年目 110 100 8
2年目 121 100 8
3年目 133 100 8
4年目 146 100 8
5年目 161 100 8
6年目 177 100 8
7年目 195 100 8
8年目 214 100 8
9年目 236 100 8
10年目 259 100 8
税後
最終リターン
227 180

 

同じリターンをだしていたとしても配当金を出していない方が、最終的により大きな資産を構築することができるのです。

複利効果を最大化できる投資先を選ぶべきなのです。

 

元本から支払われる特別分配金に気をつけよう

米国リートの長年の平均リターンは7%-8%です。にも関わらずゼウス投信は17%もの分配金を拠出しています。

つまり運用リターンからだけでなく、元本からも分配金を拠出しているということになります。結果として基準価格が減少の一途を辿っているのです。

 

特別分配金とは?

 

特別分配金に関しては元本から支払われているので税金は発生しません。

しかし、冷静に考えてみてください。高い手数料を払って預け入れた元本から分配金が支払われているのです。

つまり、ただ手数料を払って預金からお金を引き出しているという結果になっているのです。

 

馬鹿げていますよね。金融機関に手数料を支払うために投資をしているという結果になっているのが特別分配金なのです。

基準価格が下がっている毎月分配型投資信託には注意を据える必要があります。

 

そもそも配当金は下がり続けている

現在のゼウスの配当金は毎月25円、年間で300円となります。現在の基準価額2200円ベースでみると分配利回りは13%ということになります。

しかし、最初の基準価額10,000円ベースで考えると現時点の平均利回りは3%となります。

つまり投資した金額ベースでは配当利回りは決して高くないのです。長期投資をしていれば、どんどんと分配利回りは低くなるのです。

 

元本から支払われる特別分配金がだされているので、どんどん基準価額も下落して配当金は削られていきます。保有していればいるほどジリ貧になっていくのです。

まだ、米国リートが優秀であればリターンもでるのでよいのですが、米国リートが下落すると悲惨なことになります。

配当金の全額が特別分配金となるためです。そして、ここから米国リートが下落する確度が高くなっています。(以下で説明します)

 

そもそも米国リートと比べて成績は優れているのか?

では、そもそもゼウス投信が他のUSリートの指数や投信に比べて優れているのでしょうか?

S&P米国REITインデックス(配当込み、円換算ベース)に連動を目指すeMAXIS 米国リートと比較をしてみましょう。

同投資信託は配当金を出さない性格の投信ですので、ゼウス投信の税引前配当金再投資後の成績と比較します。

 

ゼウス投信 eMAXIS米国リート
1ヶ月 -4.3% 3.7%
3ヶ月 -4.7% 14.5%
半年 -4.7% 9.1%
1年 -16.6% -13.3%
3年 -4.0% 9.7%
5年 -0.8% 5.5%

 

全ての期間でゼウス投信は米国のリートインデックスに劣った成績ということになりますね。

インデックスに対してプラスのリターンを狙うアクティブ型の投資信託としては面目丸潰れということになります。

 

さらにここから配当金を出しているため、リターンが毀損しているのですから投資する価値は非常に低いといえます。

みかけの分配利回りに目を取られて投資判断を誤らない方がよいでしょう。

 

USリートは今後どこまで下がる?売り時は?

ゼウス投信はUSリートに投資をしているので、USリートの見通しが今後のゼウス投信の趨勢を占うこととなります。

住宅市場は正直厳しい局面に立たされています。理由は米国の金利が高い状態を維持しているからです。

米国の30年の固定金利のレートは7.5%近い水準に上昇しています。住宅ローンが7.5% だったら正直厳しいですよね。

 

米国の30年固定金利は7.5%の水準に上昇

米国の30年固定金利の推移

 

さらに直近、商業用不動産問題が顕在化し始めています。

商業用不動産のローンの借り手の借り換えの時期が2024年から2025年に集中しています。

ゼロ金利だった時に借りていたローンを、現在の高金利で借り換えることができず不動産を手放す投資家が続出することが想定されます。

さらにリモートワークが進展したことでオフィスの空室率が上昇していることも価格下落要因となっています。

 

今後の焦点は商業用不動産のリファイナンスが滞りなく行われるかになる。現在はドライパウダー(投資待機資金)が高水準にあり、リーマンショック時の教訓から貸し手が「Pretend and Extend(目をつぶって返済期限を延長)」しているため、資金繰りに窮して不動産の投げ売りを強いられる例はまだ多くない。しかし、米FRBによる大幅な利上げにより、借入金利は急上昇し、米シリコンバレーバンクの破綻で顕在化した中小銀行の経営問題も依然として残っている。そのため、苦境が続くオフィス市場を中心に、商業用不動産は金融危機の潜在的な火種になりうるリスクとして、今後も注視が必要であろう。

参照:ニッセイ研究所

 

実際、商業用不動産指数は以下の通り天井をうって下落を開始しています。2024年の米国の大きな火種となっています。

ここから米国リートに投資をしていくのはリスクが高いといえるでしょう。

商業用不動産価格指数の推移

商業用不動産価格指数の推移

 

 

ゼウス投信の掲示板での評判や口コミ

では掲示板での口コミや評判は以下となります。高い配当金に騙されていない賢明な方のコメントが散見されました。

 

Yahoo掲示板

毎月約130万程分配金が出て再投資に回ってるが基準価格が下がってるので収支プラスになっていないのが現状です。
物価だけが上がって資産運用が上手く行かないってどう言う事何でしょうか?
(笑)(^。^)y-.。o○

 

Yahoo掲示板

再投資で運用してるので激的に悪化してないけど1000万以上の含み損は長期で見たくないな~
┐(´д`)┌ヤレヤレ

Yahoo掲示板

めっちゃ下落ですね。2400迄 戻した事もあったのにね。10年後 どうなってるかな⁉️利上げ10発程したから、アメリカ不動産も活気なくなったなかなー。

Yahoo掲示板

どこまで落ちる?
しばらくは含み損が続きそうです😱😥

 

まとめ

今回のポイントを纏めると以下となります。

 

  • ゼウス投信の投資対象は米国リート
  • 業種はバランスよく配分している
  • 非常に分配金で複利を毀損している
  • 特別分配金を出し基準価格は下落の一途をたどっている
  • 米国リートインデックスを大幅に下回るリターンとなっている

 

長期的に、セクターローテーションの影響を受けずに安定リターンを得られる投資先を選ぶようにしましょう。

 

【2023〜2024年】日本国内優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ運用先をランキングで紹介!
【2024年4月更新】日本国内優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ運用先をランキングで紹介!

続きを見る

 

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

-日本の投資信託(含むETF)分析
-,