資産1000万円超え向けの運用法

預金1000万円以上になったらどこに預ける?大口定期預金の優遇金利の利息を前提として資産運用すべき?

2022年5月17日

資産運用において「1000万円」という金額を達成するまでが一番の鬼門と言われています。

数百万円程度で安全な資産運用を実施していっても、元本の大きさによるレバレッジ効果、そして複利の効果が弱いためです。

 

従い、1000万円までは年収を高める努力、しっかり貯金をする、そして日々の生活の無駄を省き節約に努めることが必要です。

しかし、1000万円を達成した時点で、ステージが上がります。1000万円を運用する際に、選択肢はたくさんありますがどの運用先を選ぶかでこれまた数年後に大きな差が出てきます。

 

今回は1000万円を定期預金で運用する場合に、どの銀行を選ぶべきなのか、資産運用先として定期預金は正解なのかを解説していきます。

 

 

 

一般的な定期預金金利をチェック(あおぞら銀行/オリックス銀行/ローソン銀行/新生銀行/ゆうちょ銀行/三菱UFJ銀行/みずほ銀行/三井住友銀行/りそな銀行)

資産運用で重要なのは「利回り」です。利回りが全てといっても過言ではありません。

定期預金の利回りはどうなっているのでしょうか?(引用:価格.com

 

以下は1000万円を預けた場合のシミュレーションも実施しています。

銀行 商品 預入期間 受取利息額(税引後) (預入期間:1年)
6ヶ月 1年 3年
あおぞら銀行 あおぞらネット定期預金 0.1500% 0.2000% 0.1500% 15,900円
オリックス銀行 eダイレクト定期預金 0.1000% 0.1200% 0.2500% 9,563円
ローソン銀行 スーパー定期・スーパー定期 300 0.0300% 0.0300% 0.0300% 2,390円
新生銀行 パワーフレックス円定期預金 0.0100% 0.0100% 0.0100% 796円
ゆうちょ銀行 定期貯金 0.0020% 0.0020% 0.0020% 159円
三菱UFJ銀行 スーパー定期 0.0020% 0.0020% 0.0020% 159円
みずほ銀行 スーパー定期 0.0020% 0.0020% 0.0020% 159円
三井住友銀行 スーパー定期 0.0020% 0.0020% 0.0020% 159円
りそな銀行 スーパー定期 0.0020% 0.0020% 0.0020% 159円

 

1000万円を1年間預けた場合、一番利回りの良いあおぞらネット定期預金で15,900円のリターンが返ってきます。

非常に厳しい結果になりました。

 

しかし、これは一般的な定期預金利回りです。

1000万円ほどの大きな金額になれば「大口定期」「プレミアムバンク」というコースがありますので、そちらであれば優遇金利があるはずです。

流石に0.2%にも満たない金利では、定期預金を選択する気になりませんよね。

 

大口定期・プレミアムバンクの利回りとは?

1000万円以上の資金を銀行側も預かる訳なので、少額のお客様と同列に扱うことは当然ありません。

銀行の本業である企業への融資の大切な原資になる訳ですから。

 

この1000万円以上の定期預金を「大口定期」「プレミアムバンク」など一線を画した名前が付けられているのが通常です。

一般的な定期預金金利が高くても1.5%-2%でしたが、大口の場合はどのような金利になるのでしょうか。

 

大口定期

 

大口定期の特徴

1,000万円から運用できます。

期間は1ヵ月から最長10年まで。

期限前解約時の金利情勢によっては、お利息が付かないことがあります。

お預け入れ期間中に中間利息を受け取られた後、期限前解約された場合、解約時のお受取額が元本を下回る場合があります。(ただし、すでに受け取られた中間利息と解約時のお受取額を合算すれば、元本を下回ることはありません。)

参考:SMBC

 

以下はSMBCの定期預金金利です。

 

スーパー定期 スーパー定期300 大口定期
(300万円未満の標準金利) (300万円以上の標準金利) (1,000万円以上の標準金利)
1ヵ月 0.0020% 0.0020% 0.0020%
2ヵ月 0.0020% 0.0020% 0.0020%
3ヵ月 0.0020% 0.0020% 0.0020%
6ヵ月 0.0020% 0.0020% 0.0020%
1年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
2年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
3年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
4年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
5年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
7年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
10年 0.0020% 0.0020% 0.0020%

 

300万円未満の人と1000万円以上の定期預金をする人の金利が全く同じ0.02%になっています。何か悪い夢を見ているようです。

この表自体が、定期預金をおすすめしていませんよと我々に伝えているようです。

しかし、メガバンクは上記のSMBCと全く同水準の金利を出していますが、あおぞら銀行などはもっと高い利回りを出しているはずです。チェックしましょう。

 

預入金額 6ヶ月 1年 3年 5年
<単利型> <単利型> <半年複利型> <半年複利型>
50万円以上300万円未満 年0.15% 年0.2% 年0.15% 年0.15%
300万円以上1,000万円未満 年0.15% 年0.2% 年0.15% 年0.15%
1,000万円以上 年0.15% 年0.2% 年0.15% 年0.15%

 

預け入れる金額は関係ないようです。どうあがいても、定期預金は0.15%が最高水準です。

流石にこれは違和感が大きいので、複数の銀行に電話をして聞いてみたところ、窓口で多少の交渉はできるようですが、ほぼ誤差のようです。

 

プレミアムバンク

大口定期がダメなら、「プレミアムバンク」を当たってみましょう。

プレミアムバンクとは、一部の金融機関で1000万円以上の大口向けに特化して行われているサービスです。

 

有名どころでいうと、三菱UFJ信託銀行が提供している『エクセレント倶楽部』。

三菱東京UFJ銀行の『Quality Life Club』(サービス終了)。

みずほ銀行が提供している『みずほプレミアムクラブ』。

 

特典は以下のようなものが主となります。

 

  • 定期預金の金利上乗せ
  • 住宅ローンや賃貸マンション・アパートローンの金利引き下げ
  • ATM引き出し手数料無料
  • インターネットバンキング振込手数料無料
  • 貸金庫使用料割引
  • 資産の健康相談サービス手数料割引

 

三菱UFJ信託銀行が提供している『エクセレント倶楽部

三菱UFJ信託銀行が提供している『エクセレント倶楽部』

 

 

エクセレント倶楽部の名にふさわしい、気品溢れるホームページです。

基本サービスは以下の通りです。

 

  • エクセレント倶楽部会員専用デスク
  • 会員誌『エクセレント倶楽部ニュース』
  • エクセレント倶楽部会員専用ホームページ
  • エクセレントセミナーご招待
  • キャッシュカード盗難保険
  • バースデーサービス
  • 定期預金金利上乗せ
  • インターネットバンキング振込手数料無料※
  • ATMお引き出し手数料無料
  • ATMお預け入れ手数料無料
  • 貸金庫使用料割引
  • 遺言執行報酬・遺産整理業務手数料割引
  • 不動産仲介手数料割引

 

サービスの口コミ画面

 

ターゲットはマネーリテラシーがそこまで高くない、また老後の生活を楽しみたい方だと想像します。

定期預金金利の上乗せのみが欲しくてプレミアムバンクを活用するのはどうかと思いますが、サービストータルで見ると価値があるのかもしれません。

しかし、資産が2億円(十分な不労所得を獲得できる水準)以上ある人が、筆者個人的には遊びで使うサービスではないかと思います。

 

会員資格は世帯合計のお取引残高1,000万円以上です。

ステージはゴールド、ダイヤモンド、ロイヤルステージとなっています。

まだ1000万円ほどの資産しか保有していない方は、こちらのサービスで余生を送ろうとするのは絶対に間違いです。

 

みずほ銀行が提供している『みずほプレミアムクラブ

『みずほプレミアムクラブ』

 

みずほ銀行が富裕層向けに提供している会員サービス。

会員資格はエクセレント倶楽部と同様、1000万円以上の円資産を有する人です。

招待状が来ない限り入会できませんが、招待状が来たからといって安易に入会して、大事な資金を低利回りな定期預金に入れておくなんてことはないようにしましょう。

 

基本サービス

  • 高島屋での割引
  • NHK出版のNHKテキストの定期購読優待
  • 資産運用の相談サービス
  • ATM手数料無料
  • 提携サロンの優待
  • 外貨両替レートの優遇
  • 旅行の専門家への相談・予約代行
  • 年4回の会員情報誌の送付 など
  • 大手病院の優先予約枠の確保

 

 

入会すると、みずほプレミアムバンクの会員専用のブースがあります。

 

個室で人生設計に応じたファイナンシャルプランを相談可能です。

遺言、相続、弁護士や税理士などの紹介も含まれていますが、これらは全てみずほ銀行の信用を入り口にした紹介サービスではないかと筆者は想像しています。

 

どうしてもメガバンクしか信用できない、という人は、価値のあるサービスなのではないでしょうか。

しかし人生100年時代、自分の頭で考えて、資産運用を実施していかなければどこにいっても損を被ってしまいます。社会とはそのようにできています。

リテラシーのない人に、容赦無く課金を命じます。

 

気になるプレミアムバンクの定期金利上乗せとは

一番気になる定期預金の金利上乗せですが、知人に聞いたところ金利0.1%~0.3%のみの上乗せでした。

普段の定期預金が0.0020%、上乗せ0.3%でも0.302%の利回りと素晴らしい低金利になっていますね。定期預金で資産運用は考えるまでもないことがよくわかりました。

 

<小休止>なぜ定期預金の利回りは低いのか?

定期預金金利、低いですよね。定期預金をする人のほとんどが三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、ゆうちょなどに預け入れると思います。利回りは0.002%です。

<SMBC>

スーパー定期 スーパー定期300 大口定期
(300万円未満の標準金利) (300万円以上の標準金利) (1,000万円以上の標準金利)
1ヵ月 0.0020% 0.0020% 0.0020%
2ヵ月 0.0020% 0.0020% 0.0020%
3ヵ月 0.0020% 0.0020% 0.0020%
6ヵ月 0.0020% 0.0020% 0.0020%
1年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
2年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
3年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
4年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
5年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
7年 0.0020% 0.0020% 0.0020%
10年 0.0020% 0.0020% 0.0020%

 

昔からこんなにも低い水準だったのでしょうか?

 

定期預金の推移

 

いえ、1980年には約3%をつけそこから日本バブル崩壊を辿り、1990年代に一度2%程度の水準までは戻しますが、そこからは下降線を辿り今日に至ります。

銀行に預けておくだけで3%の利回りが見込めるのはとても優秀ですね。

 

2001年以降、米国同時多発テロにより世界景気が悪化しました。日銀はゼロ金利政策を実施し、民間の金融機関に資金を大量に供給し、景気刺激策を講じました。

この際に、預金金利も同時に引き下げ、金融機関の資金調達コストを減らし企業への融資を積極的に実施するよう促したのです。

 

しかし、今の日本を見ての通り、金融機関は企業に融資を積極的に行うことなく、景気は停滞、景気停滞により人々の消費は抑制され、

さらに消費税、社会保険料の引き上げによりデフレスパイラル状態に陥っています。

 

テクノロジーやサイエンス分野でも米国、欧州、中国に置いていかれている状況で、このまま日本経済は沈んでいってしまうのでしょうか。

我々が沈みゆく国に生きていても自分の身は自分で守らなければなりません。つまり、資産を築き、自分と家族を守る準備をしておく必要があるのです。

 

定期預金のリスクとは?1000万以上の預金は保護されない!?

定期預金は元本安全性は間違いなく高いのですが、一つリスクがあります。

それは預け入れている金融機関が破綻した時です。

 

ただ、金融機関が破綻した時でも預金者1人あたり元本1000万円までと破綻日までの利息等は保護されます。

 

万が一金融機関が破綻した場合に、預金保険で保護される預金などの額は以下のとおりです。「当座預金」、「利息のつかない普通預金」など決済用預金(①決済サービスを提供できる、②預金者が払い戻しをいつでも請求できる、③利息がつかないという三つの要件を満たしている預金)に該当するものは、全額保護されます。

利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、掛金、元本補てん契約のある金銭信託(ビッグなどの貸付信託を含みます)、金融債(保護預り専用商品に限ります)などは、1金融機関ごとに合算して、 預金者1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。

参照:預金保険機構

 

わかりやすく図にすると以下となります。

金融機関が破綻した場合に保護される範囲

 

利回りで定期預金のインパクトを考えてみる

1000万円を運用するとして、上記のプレミアムバンクで定期預金金利を上乗せした場合、どのような推移で資産が増えていくのでしょうか?

今30歳と考えて、40歳までの10年で考えてみます。あまりに長い期間を同じ運用法で実施するのは、激動の時代では悪手です。

 

以下は定期預金が最大の0.302%で運用できた場合です。

10年で1000万円が10,306,137円に成長します。306,137円がリターンです。

1000万円を10年間定期預金で運用した場合の推移

 

さて、ここでTOPIXで一般的な資産運用をした場合はどのようなリターンになるでしょう。TOPIXの20年間の平均利回りは3.1%です。

すでに定期預金の最大金利の10倍以上になっています。

1000万円を10年間TOPIXで運用した場合の資産推移

 

TOPIXのインデックス投資をすると、10年で1000万円が13,570,213になります。

3,570,213円のリターンです。年間35万円ほどです。1年で定期預金の10倍です。

続いて、米国株のS&P500指数でインデックス投資をした場合。こちらはTOPIXよりも優秀です。20年平均7%のリターンです。(そもそもTOPIXは乱高下が激しすぎますね)

→ インデックス型投信(=パッシブ)とアクティブ型投資信託はどっちがおすすめ?成績や手数料を中心に金融庁データをもとに徹底比較!

 

SP500の運用

 

こちらで1000万円を運用した場合はどのような結果になるのでしょう。

1000万円を10年間S&P500指数で投資した場合

 

S&P500でインデックス投資をすると、10年で1000万円が19,671,514になります。

年間100万円程度のリターンで、こちらは定期預金の10年のリターンを1年で楽々超えていきます。1年で4倍の規模になります。

 

ただし、インデックス投資で気をつけなければならないのは、毎年確実に平均リターンが出るという訳ではないということです。

以下の表の通り、利回りがマイナスであった年が90年の間で30年存在します。

 

過去90年のS&P500指数の年次毎のパフォーマンス

 

今後10年、20年とインデックスに投資をした場合にマイナスの年の比重が大きければ想定したリターンにならないというリスクがあることは認識しておくべきでしょう。

また、調子よく資産が増加していても後半で2020年のようなコロナショック、2008年のようなリーマンショックが起きてしまった場合、積み上げてきた資産が無に帰してしまいます。

 

さらにハイリターンを目指す場合、筆者が運用しているヘッジファンドですと、年利回り10%以上を目指していくことになります。

ヘッジファンドは下落相場でも積極的にリターンを狙っていく、機関投資家や富裕層、ハーバード大学など一流基金が活用している資産運用方法です。

詳しくは「日本でも知名度上昇中のヘッジファンドとは?投資信託との違い・投資手法・運用を任せるリスクと失敗するファンド選びについて簡単にわかりやすく解説」を参照してください。

1000万円をヘッジファンドで運用した場合の資産推移

 

ヘッジファンド投資で10%利回り以上を前提とすると最低でも10年で1000万円が23,579,477になります。

高い利回りと複利効果が存分に活かせていますね。

 

まとめ

今回は定期預金の利回りとは最大でどれくらいが見込めるのか、定期預金の利回りで資産を運用した場合にどれくらいのリターンが見込めるのか。

また、その他安全運用ではどれくらいのリターンが得られるのかも併せて紹介しました。

基本的に、定期預金にお金を置いておくのは「死に金」となってしまうことは明白です。

より高い利回りを目指して、資産を運用していくよう心がけましょう。

 

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締め括り

 

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資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

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しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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