ダブルブレインはMorningstarが選出する「ファンド・オブ・ザ・イヤー2019〜2021」のオルタナティブ型部門で受賞したファンドです。
野村アセットマネジメントによって運営されています。そもそも、「オルタナティブ投資」がどのようなものかも分からないという方も多いと思います。
本日はオルタナティブ型運用とはどのような分類なのか?
- ダブルブレインがどのようなファンドなのか?
- ダブルブレインの運用成績はどうなのか?
という点を中心にお伝えしていきたいと思います。
基本的には、筆者は手を出すべき投資信託ではなく、どのような相場でも堅実にリターンを得られる投資先を選ぶべきかと思います。
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<2022年〜2023年>ダブルブレインは販売停止中!なぜ?掲示板などで(三井住友銀行)批判の声も
2022年1月以降ダブルブレインシリーズは運用停止となっています。2023年5月現在も販売停止状態は継続しています。
理由については以下にて「運用資産規模を適正な範囲内に維持する」としています。
つまり、運用規模が大きくなったので従来の運用ができなくなったからという意味です。しかし、運用純資産は2000億円規模と巨額ではないので理解できない理由ですね。
あまりにも資産が大きくなってしまうと戦略が機能しなくなることを危惧しているのかもしれません。
これ以上詳しくは書いていませんので推察になってしまいます。厳しい意見を述べている人もいました。
テトラエクイティっていつの間にか販売停止になってたのね。
三井住友フィナンシャルグループの悪い癖だよ、
こういう説明がつかない商品でお客さんをカモにしようとするの。
安心スイッチしかりダブルブレインしかり。金融庁がよく許してるよ。。。
通貨選択よりよっぽど複雑だぞ?— じゃむ (@jamforlife2) May 31, 2022
1.さすがにこの状況でも上がらなくなったので販売員達も説明する事ができなくなり、このスレから去っていったみたいですね。手数料か0.1%程度のインデックスのほうが成績か良いファンドが多くなりはじめている
2.ここはバランスファンドでリスクが少ないはずなのに、上げが弱く大きな下げがいくつか重なって戻りが遅いので投資する側からするとこれから数年間はリスクでしかない。下がってから戻ったとしても10年以上はかかりそう。
上がる気配がなく下がる方向なので損切りして現金にしてから、株価がもっと下落した時にS&Pを購入するのが安全で効果が大。
自身は既に9割を損切りして現金に。もう少し早くしておけばよかったがややホッとしている。3.ダブルブレインで大損💸💸💸
1000万円が半年で880万円に。
せめて元金まで戻したいがどれぐらい
(期間)かかりますかね?そもそも戻る?💦4.ダブルブレインコアなんて新商品作るより、なぜ積立追加購入を再開させないんだ?
価額が下がってる時に買い増し出来ないなんてダメダメファンド確定だね!
結構損されてる方が多いのですね。
販売停止が流動性の問題が本当であれば、ひふみ投信のように大規模ファンドになったことでインデックスを上回れなくなった経緯もありまる。小型ファンドを維持しようという目論見なのかもしれません。
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オルタナティブ投資とは?
「ダブル・ブレイン」はオルタナティブ型運用を行っている投資信託です。ではそもそもオルタナティブ投資とはどのような投資なのか見ていきましょう。
オルタナティブ投資とは株や債券などの伝統的な資産と連動しない値動きをしない資産に投資を行うことを指します。
主なオルタナティブ投資の対象としては以下のものが挙げられます。
ヘッジファンド | 如何なる市況でもプラスのリターンを狙う絶対収益型のファンド |
PEファンド | 未公開株に投資をするファンド |
商品 | 金や原油などのコモディティ |
不動産 | 不動産に投資をする。REITも含まれる。 |
オルタナティブ投資はポートフォリオの安定性を高めることを目的として組み入れられることが多く、年金基金をはじめとした機関投資家に重宝されています。
→ 貯金3000万円を長期分散投資で安全なポートフォリオで運用して1億円を構築しリタイアを目指そう!
実際、長期間にわたって年率10%以上のリターンをだして安定運用に定評のあるハーバード大の年金基金のポートフォリオは以下となっています。
全体の約70%がオルタナティブ投資となっているのです。
資産クラス | 比率 |
上場株 | 14% |
未公開株 | 34% |
ヘッジファンド | 33% |
不動産 | 5% |
商品(金等) | 1% |
債券 | 4% |
その他 | 1% |
現金等 | 8% |
ダブル・ブレインはどんな投資信託?特徴を紐解く
では本題のダブル・ブレインについて見ていきたいと思います。
ダブルブレインはヘッジファンド型の運用を行なっている
先ほどオルタナティブ投資の種類についてお伝えしました。ダブルブレインの運用はヘッジファンド型の運用となります。
→ 日本でも知名度上昇中のヘッジファンドとは?投資信託との違い・投資手法・運用を任せるリスクと失敗するファンド選びについて簡単にわかりやすく解説
ヘッジファンドは下落局面でも損失を免れながら、安定した高いリターンをだしており機関投資家を中心に重宝されています。
以下の記事ではヘッジファンド含め様々な投資先をまとめていますので参考までに。
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ダブル・ブレインはファンド・オブ・ファンズ形式で運用
「ダブル・ブレイン」はファンドに投資するファンドです。
このような形式で運用するファンドを「ファン・オブ・ファンズ」といいます。以前、お伝えした「セゾン資産形成の達人ファンド」と同じですね。
→ 【ブログ更新】評判の「セゾン資産形成の達人ファンド」を実績を中心に徹底評価!世界の株価指数と比較を通して分析する。
投資しているのは以下の二つのファンドです。
- マン・ファンズⅣ-マン・インスティテューショナル・ポートフォリオ・チタニウム
- 野村マネーインベストメント マザーファンド
後者は現金で置く場合のファンドなので実質は前者の運用を享受することになります。
マングループとは?
マン・ファンズⅣ-マン・インスティテューショナル・ポートフォリオ・チタニウムを運用するのはロンドンに本拠地を置くマングループ傘下のAHLです。
AHLは物理学や数学の博士号を持つ社員が多く在籍する金融工学の専門家集団として知られています。
金融テクノロジーによる資産運用を1987年に世界に先駆けて開始したフロントランナーです。
最先端のテクノロジーやAIを駆使して運用をおこなっていくとしています。
戦略①:ターゲットリスク戦略
ダブルブレインは名前の通り2つの戦略で運用されています。ターゲットリスク戦略が85%を占めています。
一つ目はターゲットリスク戦略です。以下は目論見書の中に記載されている内容です。
ターゲットリスク戦略は、各投資対象を買い持ち(ロング)するポジションをとり、安定した収益の獲得を目標に運用を行ないます。運用にあたっては各投資対象のボラティリティを考慮しポートフォリオ全体のリスク水準が一定の範囲内に収まるよう調整します。また、投資対象の下 落リスクを抑制する多数の独自の定量モデルを活用します。
難しく書かれていますが、要は様々な資産を購入して安定したポートフォリオを構築していくという内容ですね。現在までのポートフォリオの推移は以下となっています。
投資元本よりも大きな金額を投資していることから、レバレッジをかけて運用していることが読み取れますね。
相場が下落する局面ではブレーキが発動され、ポジションが縮小されています。しかし、これは別の見方をすると、損値で損切りしているとみることもできます。
3月の大底で投げ売りになってしまっているということですね。投資リターンの項目で詳しくみていきましょう。
戦略②:ダイバーシファイド(トレンド)戦略(売り持ち(空売りショート)または買い持ち(ロング))
もう一つの戦略がダイバーシファイド戦略です。全体の15%程度なのでインパクトは小さいですが説明は以下となります。
ダイバーシファイド戦略は、各投資対象を売り持ち(ショート)または買い持ち(ロング)する ポジションをとり市場の上昇トレンドならびに下降トレンドの双方に追随し絶対収益の獲得を目標に積極的な運用を行ないます。
運用にあたっては、日々の価格データ等を勘案した多数の独自の定量モデルと24時間体制の取引システムを活用し、各投資対象の相関、流動性およびボラ ティリティ等を考慮し、機動的かつシステマティックにポジションを調整します。
先ほどは買い持ちだけでしたが、ダイバーシファイド戦略戦略は空売りを組み合わせて下落局面も収益化しようという戦略です。
現在の各資産のロングショートの比率は以下となります。
買い持ち | 空売り | ネット | |
---|---|---|---|
株式 | 68.7% | -19.1% | 49.7% |
通貨取引 | 133.4% | -133.4% | 0.0% |
社債 | 88.4% | -0.2% | 88.3% |
債券 | 24.9% | -105.6% | -80.7% |
コモディティ | 18.1% | -20.7% | -2.6% |
株式と社債をロングしているということになります。債券はショートしていますが、FRBの利上げが打ち止めになりそうな今、どのような結果になるのでしょう。
ダブルブレインの運用成績(利回り)とは?
ではダブルブレインの戦略について見ていきたいと思います。
<2023年5月更新>ダブルブレインの運用実績の推移
ダブルブレインの運用実績をみると以下の通りとなっています。2018年11月からと運用暦は浅くなっていますが20%ほど上昇しています。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
---|---|---|---|---|---|
2023年 | 0.01% | 2.24% | -- | -- | -- |
2022年 | -2.81% | -8.15% | -2.78% | -1.15% | -14.21% |
2021年 | 1.79% | 5.62% | 2.82% | 1.99% | 12.74% |
2020年 | -3.41% | 0.60% | 2.33% | 4.03% | 3.44% |
2019年 | 7.71% | 5.39% | 4.24% | -0.07% | 18.25% |
ただ、この成績自体が高いリターンなのか?他の資産と比べて相関性が低いオルタナティブ投資としての側面を有しているのかという点で紐解いていきたいと思います。
4.5年近く運用して年率は4%となっています。
ダブルブレインのリターンを株式インデックスやバランス型投信と比較
ではダブルブレインと株式インデックスの代表ともいえる米国のS&P500指数とバランス型投信と比較したものが以下となります。
青:ダブルブレイン
赤:S&P500指数(円建)
緑:eMAXISバランス(4資産均等)
黄:eMAXISバランス(8資産均等)
リターンはS&P500指数に大きく劣後しています。ただ、重要なのはバランス投信に負けているところですね。
株式や債券や不動産に投資をしているファンドに比べて劣後しているのは残念な結果ですよね。敢えて、ダブルブレインに投資をする理由が見当たりません。
結局、分散投資していても資産を守ることに繋がっていないということになっています。
2023年以降の今後の見通しとは?
重要なのは今後の見通しです。現在のポートフォリオをもう一度みていきたいと思います。
現在、2023年7月時点で株式と債券と社債でポートフォリオの半分以上を占めています。ここから景気後退が発生すると金利が低下して債券価格は上昇していくので、巻き返しを期待できるかもしれません。
ただ、社債に関しては本格的に景気が悪化すると下落する可能性があるので注意をする必要があります。
また、当然ですが景気後退の中では企業収益が下落するので株価にもネガティブに働きます。景気後退になるとインフレも急落するのでインフレ連動債の価値も下落していきます。
総合すると、国債以外は期待できず今後も厳しい展開が想定されます。
安全性を担保しながら安定したリターンをだしていきたいのであれば、他の選択肢が魅力的になります。
筆者はヘッジファンドという選択肢を採用しています。ヘッジファンドは如何なる環境であってもリターンを狙っているファンド形態です。
筆者が投資しているファンドについては以下で纏めていますのでご覧いただければと思います。
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ダブルブレインのリターンについての掲示板での口コミ
掲示板ではどのような評価になっているのでしょうか。ネガティブな評判がやはり多いですね。

最近の下がり方がエグい‼️😖⤵️
自己責任にも程がある💢
政府は「貯蓄から投資へ」などと
たわけたことを言ってるが
夢のようなことだけではなく
リスクの現実をちゃんと
伝えて欲しい。😤


物価上昇を抑えるために金利を上げて今度は景気後退。
景気後退により、NASDAQ、S&Pの指数も下がる。
金利が下がり始め、円高に舵を切る。
為替とにらめっこしてNASDAQ、S&Pの買い始めですかね?


上がる気配がなく下がる方向なので損切りして現金にしてから、株価がもっと下落した時にS&Pを購入するのが安全で効果が大。
自身は既に9割を損切りして現金に。もう少し早くしておけばよかったがややホッとしている。
まとめ
今回のポイントについて纏めると以下です。
- オルタナティブ投資は伝統的資産と違う動きをする資産
- ポートフォリオの安定性を高めるのにオルタナティブ投資は有効
- ダブルブレインはヘッジファンド型の運用を行っている
- ダブルブレインが投資しているのは英国マングループのファンド
- リターンは低いが株式とは異なる動きでリスクは低い
ダブルブレインよりも魅力的なヘッジファンドについて以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
資産運用の基本は「複利」を活用し、資産額を伸ばしていくことです。複利が本業の年収を超えていくほどになってくると、改めて「資産を運用する」という凄まじいインパクトを感じると思います。
しかし、多くの人が年率40%など派手な利回りを好み、そしてハイリターンとはハイリスクの裏返しでもあり、大きく損失を出してします。
世界一の投資家であるウォーレン・バフェットは「人々は早く金持ちになりたがる」という言葉を残していますが、その通りだと思います。
損失を可能な限りミニマイズし、複利を利かせて長年運用することが最も大切なのです。バフェット氏の資産の95%以上は60歳以降の複利運用益です。筆者が複利を利かせて運用するのであればおすすめのファンドを、以下の記事でまとめていますので参考にしてみてください。
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