今はもう2023年ですが、2020年のパンデミック後の金融緩和によって、特にグロース株が大きく株価を引き上げていきました。特に米国のグロース株には脚光があたり株価が急騰していきました。
そのため、米国株への投資需要は大きく高まりました。今は急落して人気を冷めていますが。当サイトでも米国株に投資している投信について数多く取り上げてきました。
以下は一部です。(米国株比率が7割以上のもの)
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上記の投信は米国株を購入するという選択肢をとっているファンドを取り上げています。
今回取り上げるテトラネクストは買いだけでなく、売りも織り交ぜてどのような市況でもプラスのリターンを狙う設定の投信です。
どのように運用をしているのか、成績はどのようになっているのかについて取り上げていきたいと思います。
テトラ・ネクストの特徴とは?
まずは特徴について見ていきたいと思います。
投資対象はナスダック100先物
他の投信の投資対象は個別銘柄となりますが、テトラネクストは先物指数の売買としています。
取引対象の指数はナスダック100指数となります。ナスダック100指数に連動するETFであるQQQの説明文が以下となります。
Invesco QQQ is an exchange-traded fund based on the Nasdaq-100 Index®. The Fund will, under most circumstances, consist of all of stocks in the Index. The Index includes 100 of the largest domestic and international nonfinancial companies listed on the Nasdaq Stock Market based on market capitalization. The Fund and the Index are rebalanced quarterly and reconstituted annually.
参照:Invesco
ナスダック100指数は米国内外のナスダックに上場されている非金融機関100社で構成された指数です。
この100社は時価総額が高い順に選ばれ、ナスダック100指数は時価総額加重平均指数になっています。
また、構成銘柄は1年に1回見直しが実施されています。
構成上位銘柄は以下となっています。
構成銘柄 | 比率 |
Apple Inc | 12.91% |
Microsoft Corp | 10.38% |
Amazon.com Inc | 5.13% |
Google(A) | 3.34% |
Google(C) | 3.24% |
NVIDIA Corp | 3.22% |
Tesla Inc | 3.08% |
PepsiCo Inc | 2.38% |
Meta Platform(旧Facebook) | 2.22% |
Costco Wholesale Corp | 2.02% |
GAFAMTをはじめとした錚々たる銘柄が名を連ねています。
採用している投資戦略
採用しているベンチマークは「米国テクノロジー株マルチモメンタム指数(円建て、エクセスリターン)」としています。
当該指数は米国の新興企業向け株式市場において、日中に発生するトレンドと特定の時期に月次で発生する 月初トレンド、月中トレンド、月末トレンドの4つのトレンドを捉えることを目的とするパフォーマンス指数です。
参照:テトラネクストの目論見書
では具体的に日中トレンドと月のトレンドについて次の項目でお伝えしていきます。
日中トレンド戦略とは?
前日のナスダック100先物の終値に対して上下それぞれトレンドラインを設定し、上方トレンドラインを上回ったらナスダック100先物を買いたてて、下方トレンドラインを下回ったら売り建てるという戦略です。
ポジションは当日中に決済するとしています。つまり勢いがある方にポジションをとって1日で手仕舞いするということですね。
「月初トレンド戦略」「月中トレンド戦略」「月末トレンド戦略」
月のトレンド戦略として以下の3つを実行するとしています。
月初に購入して、月中と月末はトレンドに応じてポジションを変更するという戦略をとるとしています。
正直、複雑で儲かりそうな気がしますよね。しかし、複雑な商品だからリターンが高いというほど金融の世界は甘くありません。後述します。
テトラネクストの手数料
テトラネクストの手数料は以下となります。
購入手数料:2.2%
信託手数料:年率0.954%
テトラネクストの運用実績
テトラネクストの運用実績は以下となります。約2年運用して10%マイナスという結果となっています。
非常に不甲斐ない結果ですね。ではナスダック100指数を保有していた場合の比較はどうなるでしょうか?
以下が円建のナスダック100指数とテトラネクストの比較です。
青:テトラネクスト
赤:ナスダック100(円建)
2021年の上昇局面で大きくアンダーパフォームし、2022年の下落局面でも一緒に下落してしまっています。ちなみに2023年も下落しています。
残念ながら投資するに値しない投信と断じざるを得ません。解散した方が良いのではないでしょうか。
掲示板での口コミや評判
低い運用成績ということもあり、散々なコメントの嵐となっています。
口コミ①
なんでこんなファンドを買ってしまったのか…
後悔してます。
口コミ②
投資は自己責任と言うが、このファンドを勧めた銀行担当者つまりプロに責任はないのか?と不思議に思う。
どんなに下がっても、顧客に対して何のフォローも情報共有もないところをみると、プロに責任はないということか。
三井住友銀行とはもう付き合わないことにした。
口コミ③
銀行から御守りファンドとして設定時に購入して、一度も購入価格を上回ることなく、先週捨てました。10%の損失、数十万が消えました。
これでアホみたいに下がることに一喜一憂しなくて済むのが救い。とんだ御守りでした。
口コミ④
ダブルブレインコアにまで抜かれた…
口コミ⑤
いつまでストレスを持ち続けるのか?
口コミ⑥
10000円の時に売却すれば良かった
口コミ⑦
まだ持っていますけど!悲しみしかありません。
口コミ⑧
お守り代わりになると言われ購入したが不安になるだけだったので売却した。
スッキリしました。
相場環境に依拠せず安定したリターンを獲得するには?
テトラネクストに投資する方は下落相場を免れて安定的に資産を増やしたいという思惑がある方が多いかと思います。そのような方におすすめなのがヘッジファンドという選択肢です。
ヘッジファンドは名前の通り、相場環境をヘッジして、どのような環境でもリターン獲得を狙うファンドです。
実際、以下のとおり世界株式の下落局面を抑制または収益獲得をしながら高いリターンを出し続けています。
テトラネクストはお守り代わりの投信と投信販売員に言われた方が多そうですが・・・マイナスを出さないファンドこそがお守りではないでしょうか?
以下では筆者が実際に投資しているファンドを含めて日本の個人投資家が投資できるファンドについてまとめているのでご覧いただければと思います。