日本の投資信託(含むETF)分析

たわらノーロード先進国株式は評判通りのパフォーマンスをもたらすのか?まとまった資金を投下するのに適切かを検討する!

「たわらノーロード」は、購入時手数料なしで購入ができる信託報酬を低く抑えたアセットマネジメントOneのファンドシリーズです。

たわらノーロードについて、そもそもどのような商品群が展開されているのかは以前に見てみました。

今回はたわらノーロードの中でも人気を博しているたわらノーロード先進国株式についてみていきたいと思います。

 

ブログ界隈で有名なたわらノーロード

再掲となりますが、たわらノーロードとは、以下のような商品です。

「たわらノーロード」は、購入時手数料なしで購入ができる信託報酬を低く抑えたアセットマネジメントOneのファンドシリーズです。みなさまのさまざまな資産形成の目的のために、「たわらノーロード」をご提供します。毎月積み立てたり、分散投資をしたり、投資の仕方もみなさまのスタイルで行うことができます。

参照:たわら用語集

 

ブロガー経由で人気となったファンドです。

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2016」において、「たわらノーロード 先進国株式」が全ての公募投信の中で第2位に選ばれました。
ブロガーからは、「他社ファンドと比較して、圧倒的に規模の大きいマザーファンドと信託報酬のバランスでは、群を抜いている」、「専用サイトもわかりやすく好印象」といったコメントが寄せられました。

 

個人の時代を感じますね。たわらノーロードの特徴といえば手数料の安さを売りにしていますが、個人的にはそこまで安いとは思いませんでした。

VOOなど海外ファンドが出しているインデックスファンド(ETF)の方が安かったからです。

たわらノーロード先進国株式が人気ということですがどのようなファンドなのでしょうか。これもおさらいになりますが、みていきたいと思います。

たわらノーロード先進国株式とは

中身をみていきましょう。

 

  • たわらノーロード先進国株式・・・MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし
  • たわらノーロード先進国株式・・・MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジあり
  • たわらノーロードNYダウ・・・ダウ・ジョーンズ工業株価平均(円換算ベース、為替ヘッジなし)

 

MSCIコクサイインデックスに連動するパフォーマンスを狙うのは理解できるのですが、ダウ平均への連動を目指すファンドは珍しいですね。

MSCIコクサイ・インデックスとは、以下の通りです。

 

構成銘柄 日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株のうち、約1,300銘柄を採用。市場カバレッジ85%を目標に浮動株調整後時価総額の上位銘柄から採用。
算出方法 時価総額加重型(時価総額は浮動株調整後)
公表元 MSCI Inc.(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社)

 

寂しいですが、日本を除いている、先進国22カ国に上場する企業を対象にしています。

一流投資銀行であるモルガン・スタンレーが公表している指数です。

 

ダウ・ジョーンズ工業株価平均はNYダウですね。こちらも日本のメディアでは米国株式市場の解説をするときにNYダウで説明することが多いです。

といっても30種類しか銘柄が入っていません。

 

米国で見るべき指数はS&P500のはずです。たわらノーロードのラインナップにはSP500に連動する商品はなぜかありません。

 

アメリカのダウ・ジョーンズ社が発表する工業株30銘柄を対象とした平均株価指数で、NYダウ工業株30種やNYダウとも呼ばれています。

1896年に12種平均として作成、1928年10月1日からは30種平均として公表しており、株式市場動向や世界経済の方向性を考える上で欠かせない、アメリカを代表する株式市場の重要な指標として活用されています。

参照元:https://kabu.com/sp/glossary/1204196_3152.html

 

さて、具体的なたわらノーロード先進国のパフォーマンスとリスクをみていきましょう。

 

たわらノーロード先進国株式のパフォーマンスとリスク

たわらノーロード先進国株式・・・MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジあり・なし

まずは基準価額です。投資信託を検討する上で基準価額を最初に見ることは重要です。

この基準価額が下がっているということはパフォーマンスが悪く投資家からも見放されているということだからです。

たわらノーロード先進国株式の基準価格の推移

 

2020年2月までの業績相場が終わるタイミングまでしっかりとパフォーマンスを上げ、コロナショックを経て、しっかりリバウンドしていますね。

それもそのはず、MSCIコクサイインデックスの組入の詳細を見ると以下のようになっています。

たわらノーロード先進国株式の国別構成比率と業種別構成比率

 

左グラフを見ると、米国が大半を占めております。なんと65%です。

セクターは金融、ITが多く、低金利で金融セクターはコロナショックで沈んだものの、そこからの大規模な金融緩和、追加経済対策などを経て業績が回復しています。

情報技術は巣篭もり需要により、米IT企業は異次元の株価の伸びを見せました。組入銘柄は以下の通りとなっています。

 

銘柄 国別 業種 構成比率
1 アップル アメリカ 情報技術 2.4%
2 マイクロソフト アメリカ 情報技術 1.7%
3 アマゾン・ドット・コム アメリカ 一般消費財・サービス 1.3%
4 フェイスブック アメリカ 情報技術 1.1%
5 JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー アメリカ 金融 1.0%
6 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) アメリカ ヘルスケア 1.0%
7 エクソンモービル アメリカ エネルギー 1.0%
8 アルファベット クラスC アメリカ 情報技術 0.9%
9 アルファベット クラスA アメリカ 情報技術 0.9%
10 バンク・オブ・アメリカ アメリカ 金融 0.8%

 

王道中の王道ポートフォリオです。

組入1位のアップルは、2020年に大きな株価上昇をみせ、世界一の時価総額を誇る企業になりました。

アマゾンもフェイスブックも巣篭もり需要で大幅に株価が上昇しました。

具体的なトータルリターンをみていきましょう。(引用元はモーニングスター

 

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
トータルリターン 11.10% 7.99% 11.29%
カテゴリー 10.52% 4.51% 8.99%
順位 61位 25位 17位
ファンド数 177本 159本 125本
標準偏差 26.21 19.7 17.24
カテゴリー 29.4 21.85 19.51
順位 115位 98位 72位
ファンド数 177本 159本 125本
シャープレシオ 0.42 0.41 0.66
カテゴリー 0.4 0.25 0.5
順位 52位 21位 14位
ファンド数 177本 159本 125本

 

5年でトータルリターンが11.29%、3年で7.99%、1年で11.10%です。インデックスファンドの中でも優秀な部類に入るリターンと言えるでしょう。

ちなみに上記は為替ヘッジなしの場合ですが、有りの場合は以下の通りとなっています。

 

1年 3年(年率)
トータルリターン 12.84% 8.61%
カテゴリー 14.54% 8.18%
順位 14位 9位
ファンド数 32本 30本
標準偏差 25.81 18.07
カテゴリー 26.06 18.79
順位 24位 21位
ファンド数 32本 30本
シャープレシオ 0.5 0.48
カテゴリー 0.55 0.44
順位 16位 8位
ファンド数 32本 30本

 

2020年は金余りで特殊な相場であり、上昇相場でしたので1年のリターンは12.84%と高く、3年になると8.61%となります。

 

たわらノーロードのリターンは米国株式市場に強く依存しますので、2021年以降、続伸はするも2020年ほどのリターンを出すのは難しいのではないかという見解も多く、

個人的には今後のリターンは少し落ち着くものとみています。

大統領選挙で大統領が変わった次の年の米国株式市場のリターンは3%程度であり、年末には3%前後、もしくはもう少し上の5%程度に落ち着くのではないかなとみています。

 

 

たわらノーロードNYダウ・・・ダウ・ジョーンズ工業株価平均(円換算ベース、為替ヘッジなし)

たわらノーロードNYダウはどのように進捗しているのでしょうか。まずは基準価額をみていきます。

想像通りですが、たわらノーロード先進国株式を下回る形になっています。

 

たわらノーロードNYダウ

 

といってもしっかりリバウンドしています。米国株式なので当然なのですが。

NYダウの組入30種は以下の通りです。

マクドナルド、コカコーラなどオールドエコノミーが多数を占めています。

上記のMSCIコクサイほどITセクターに資産を振っていないのでどうしてもリターンは劣後します。

 

No. コード 銘柄名
1 AAPL アップル
2 AXP アメリカン・エキスプレス
3 BA ボーイング
4 CAT キャタピラー
5 CSCO シスコシステムズ
6 CVX シェブロン
7 DIS ウォルト・ディズニー
8 DWDP ダウ・デュポン
9 GS ゴールドマン・サックス・グループ
10 HD ホーム・デポ
11 IBM IBM
12 INTC インテル
13 JNJ ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
14 JPM JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
15 KO コカ・コーラ
16 MCD マクドナルド
17 MMM 3M
18 MRK メルク
19 MSFT マイクロソフト
20 NKE ナイキ
21 PFE ファイザー
22 PG プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
23 TRV トラベラーズ
24 UNH ユナイテッドヘルス・グループ
25 UTX ユナイテッド・テクノロジーズ
26 V ビザ
27 VZ ベライゾン・コミュニケーションズ
28 WBA ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス
29 WMT ウォルマート
30 XOM エクソンモービル

 

リターンは以下の通りです。

 

1年 3年(年率)
トータルリターン 3.38% 5.88%
カテゴリー 14.31% 6.00%
順位 146位 92位
ファンド数 226本 185本
標準偏差 26.46 19.64
カテゴリー 31.49 23.88
順位 114位 61位
ファンド数 226本 185本
シャープレシオ 0.13 0.3
カテゴリー 0.58 0.32
順位 145位 92位
ファンド数 226本 185本

 

直近1年が3.38%、3年で5.88%。2020年の米国株式相場でこのリターンは少ししんどいですね。

 

 

たわらノーロード先進国株式の評判

評判が良いのは間違いなく、MSCIコクサイインデックスに連動するたわらノーロード先進国株式です。

 

 

NYダウ連動型は購入は控えましょう。

 

たわらノーロード 先進国株式 つみたてnisa・iDeCoとしては優秀

たわらノーロード先進国株式は「インデックス投資」です。

投資信託にはインデックス型とアクティブ型の2種類があります。

この点については以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

 

基本的にアクティブ型投信はパフォーマンスが悪いので、私は購入を完全に避けています。

インデックス型であれば一部資産の運用には良いと思います。

 

特に、つみたてNISAやイデコ積み立てにはもってこいの運用だと思います。

まとまった資金の運用には向きませんが、積み立てにおいては非常に優秀です。

 

まとまった資金の運用には

まとまった資金というのは武器です。

資本主義ゲームで勝ち上がっていくには、その武器をうまく使いこなしていく必要があります。

 

上記のようなたわらノーロード先進国株式は優秀ではあるものの、資産増加に時間がかかり、また、現在は米国株式が上昇を見せているので無敵感があります。

しかし、ITバブル崩壊時には3年連続暴落し、またそのマイナスを取り返すのに10年以上かかったこともありました。

 

まとまった資金が、その間に死に金になってしまう可能性すらあるのです。

 

投資には様々な選択肢がありますが、私の経験則からオススメのファンドを絞ってみましたので、以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。

安定的、かつ、インデックス型投信より高いリターンを狙える、まとまった資金を投下するのに効率の良い投資先を掲載しています。

 

まとめ

資産運用は資本主義というゲームで生き残るには必須のツールです。

資金効率を考えてしっかり運用先を選定していきましょう。

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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