2020年、新型コロナの騒動で、大きく生活が一変した人も多いのではないでしょうか?
リモートワークに株高、外出できず、ストレスの溜まる年でしたが、様々なことがありましたね!
東京オリンピックが開催されなかったのは本当に残念ですが....
今回は昨今の資産運用の必要性の高まりを受けて、そもそもなぜ資産運用をしなければならないのかをデータを踏まえて説明してみたいと思います!
日本人の所得推移が上昇していない事実
それではまず、日本人の所得の推移を見てみましょう。
当然ですが、所得があるから資産が増えます。所得がとても高い人は貯金で十分老後の資金が作れる可能性があります。
ただし、日本全体で見たときに、日本人の所得は上がっているのでしょうか?
全体の所得が上昇している状態であれば、年収を上げることの難易度は大きく下がります。では、実際に見ていきましょう。
皆さんの肌感とあっているのではないでしょうか?
あろうことかこの20年程度日本人の所得水準は変わっていません。
変わっていないどころか若干減少しています。
こんな国は恐らく世界中、紛争地域か日本だけです...。
更に、毎年のように積み重なる増税によって、自分の手元に入ってくる実入りである可処分所得という観点においては減り続けているというのが現在の日本の状況となっています。
1980年代の日本人の方が今の日本人んより裕福ということです。
停滞国家日本の悲惨な状況を見事に表しています。
日本人の純金融資産
毎年収入が減少傾向にあるということが分かった上で、以下の図を見てください。
因みに純金融資産とは1億円の自宅を借金で購入した場合、この1億円は資産とは数えません。
いくら純粋に金融資産を有しているかということをカウントした基準になります。
まず5億円以上の純金融資産を持つ世帯が8.7万世帯もいます。
これには驚愕しますね。ただ重要なところは別の点にあります。最も驚くべきは収入が増えていないにも関わらず超富裕層、富裕層、準富裕層の数が増加していることです。
2005年時点で超富裕層の世帯数は5.2万世帯、2019年時点で8.7万世帯。富裕層は81.3万世帯から124万世帯、準富裕層は280.4万世帯から341.8万世帯です。
これはどういうことなのでしょうか?次の項目で見ていきたいと思います。
減少する収入、増える資産?
実入りが減少しているのに、資産は増えている。
当然天からお金が降ってくるわけないので、考えられる原因は一つです。貯めて資産を増やしているのです。
実は投資に慎重な日本人も資産運用に目を向け始めていることの裏付けです。
特に超富裕層、富裕層、準富裕層の順に、この15年間の金融資産の増加は大きく、お金持ちほど資産運用に精を出していることが分かります。
実際、上位10%の富裕層によって金融資産の約7割が保有されていることが内閣府によって示されています。
ただ、富裕層ではないからといって諦めるのはまだ早いです。
また一般のマス層、アッパーマス層に分類されている方も、資産運用によってランクを一つずつ上げている方々がいらっしゃります。
資産運用をしていなければ、時代に取り残されることになるのです。
資本収入の偉大さ
資産運用を行うことにより、日本の家計の金融資産は増加していっているのですが、
この事象について一昨年『21世紀の資本』を執筆し一躍有名になったトマ・ピケティ氏の主張と重なる部分があります。
トマ・ピケティ氏の核論は、資産運用によって資産は増えていき、この資産の成長率は労働による収入の成長率を上回るという点です。
「純粋な資本収益率r」は資産運用のリターンです。「世界産出成長率g」は労働による収入と捉えて問題ありません。
資産運用を行っている富裕層と労働収入だけを頼りにしている一般人との格差は拡大する一方であるという主張を声高らかに発信しています。
世界の上位1%が全世界の半分の資産を有しているということからも、非常に納得がいく理論です。
これだけを聞くと、なんだ、もう富裕層との差は拡がるだけで人生逆転なんて無理だと諦める方もいらっしゃると思いますが、実はそうではありません。
実はトマ・ピケティが言っていることを明治~大正時代に実践した公務員が日本にいます。
本多静六さんという方です。毎月の給与所得の2割とボーナスを投資に回していくという手法を実践し、40代の時に現在の価値にして100億円程度の資産を築いた方がいらっしゃいます。
特筆すべきは、彼は元々富裕層であったわけではなく、寧ろ少年時代から学生時代、更に倹約を始めたころの社会人生活中は貧乏極まりなく生活に困窮するレベルであったということです。
給与所得から初めても彼のように積極的に資産運用を行えば、大きな財を築くことができるという夢のある話なので、現在富裕層でなかったとしても諦める必要性は全くありません。
分かり易く手取り収入が600万円程度(通常給480万円、ボーナス120万円)あったとしましょう。
この場合の本多静六式貯蓄額は以下のように220万円となっています。
480万円 × 20% + 120万円 = 220万円
本多静六ほどの投資利回りは難しいとして、年間投資利回り10%を上げ続けると仮定すると資産総額は以下のように増加していきます。
資産推移 | 元本 | |
現在 | 220 | 220 |
1年後 | 462 | 440 |
2年後 | 728 | 660 |
3年後 | 1,021 | 880 |
4年後 | 1,343 | 1,100 |
5年後 | 1,697 | 1,320 |
6年後 | 2,087 | 1,540 |
7年後 | 2,516 | 1,760 |
8年後 | 2,987 | 1,980 |
9年後 | 3,506 | 2,200 |
10年後 | 4,077 | 2,420 |
11年後 | 4,705 | 2,640 |
12年後 | 5,395 | 2,860 |
13年後 | 6,154 | 3,080 |
14年後 | 6,990 | 3,300 |
15年後 | 7,909 | 3,520 |
16年後 | 8,920 | 3,740 |
17年後 | 10,032 | 3,960 |
18年後 | 11,255 | 4,180 |
19年後 | 12,600 | 4,400 |
20年後 | 14,081 | 4,620 |
21年後 | 15,709 | 4,840 |
22年後 | 17,499 | 5,060 |
23年後 | 19,469 | 5,280 |
24年後 | 21,636 | 5,500 |
25年後 | 24,020 | 5,720 |
26年後 | 26,642 | 5,940 |
27年後 | 29,526 | 6,160 |
28年後 | 32,699 | 6,380 |
29年後 | 36,189 | 6,600 |
30年後 | 40,028 | 6,820 |
すると13年目で資産は6500万円となり、その年の10%の資本収入は650万円となり、なんと手取収入を上回ってしまいます!!
因みに保守的に5%で見積もっても、26年目に資産総額が1.3億円となり資本収入5%の収入は650万円となり労働収入を上回ります。
如何でしょう。無理な仮定を置いているわけではありません。
現在の手取りからの貯蓄額も、運用利回りも現実的なラインで想定して13年~26年の間に働く必要がなくなってしまいます。時間と複利のマジックを使えば、このようなことが可能なのです。
データからも分かるように、徐々に賢明な方から資産運用を行っていますので、自分が相対的に貧しくならない為にも、
生活に余裕を持つためにも、仮にまだ計画的な貯蓄と資産運用を行っていないのであれば、即始めた方がいいでしょう。
インフレの発生に対応
資産運用を行うのは上記のように大きく自分の資産を殖やし、労働から解放されるという目的の他に今後発生するであろうインフレから資産を守るという側面もあります。
年配の方は年々モノの価値が上がっていくインフレを経験していることと思いますが、今の30代の方くらいまではあまりインフレの実感がなく、
モノの値段は常に一定だと体で学んでいる方ばかりだと思います。
然しこのような国は世界中で日本だけです。既に完全雇用が達成されている日本においては今後労働需給の逼迫による給与所得の上昇と、
海外からの資金の流入により緩やかな年2%程度のインフレが発生していくことが見込まれます。
そもそも日本政府自体がインフレ率2%をターゲットとしています。
また上で述べております通り、日本人自体の金融資産が増えているので、消費が拡大し需要の高まりによる物価の上昇が起こることも十分に考えられるという状況になっています。
2%というと大した数値ではないように思われますが、10年後には20%物価があがり、20年後には50%物価があがるので決して馬鹿にできる数値ではありません。
攻撃的な意味合いだけでなく、このように資産防衛という観点からも資産運用を行う必要があります。
おすすめの資産運用法
サラリーマンをしている方や、本業があり時間がない方に私がおすすめしているのはヘッジファンドへの投資です。
→ 日本でも知名度上昇中のヘッジファンドとは?投資信託との違い・投資手法・運用を任せるリスクと失敗するファンド選びについて簡単にわかりやすく解説
投資信託については日本の投資信託の質は低く、資産形成に適していない点を既に指摘しておりますので、今回は割愛させて頂きます。
ヘッジファンドは欧米の富裕層が自身の資産を殖やす為に、利用してきた歴史がありますが、最近日本でも富裕層の間での利用が広まり始めております。
上記の緑色が所謂ヘッジファンドなのですが、近年急速に運用額が日本でも伸びていることが分かります。
これは富裕層がヘッジファンドへの投資を加速させていることと、公募の投資信託に比して運用成績がよいことを示しています。
以下はヘッジファンドの成績ですが、世界株や米国のS&P500指数を凌駕した成績を収めています。
公募投信を安易に買ってしまうとマイナスが出てしまうことも少なくなく、時間と複利を活用する上で、利回りがマイナスになってしまうと反対方向(お金が減る)に資産が向かってしまいます。
固く利回りを出しているヘッジファンドは安心感がありますね。
ただし、最低出資額が1000万円ほどとなっていますので、まとまった資金がある人が検討すべき運用方法でしょう。
まとめ
所得が増えない現在の状況で資産を増やす為には投資の力を増やすしかありません。実際、富裕層の殆どが資産運用を行い資産を構築していっています。
資産運用を行う上で重要な考え方については以下でも詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います!