2000万円という数字は2019年に老後2000万円問題が財務省から発表されて注目を浴びました。2000万円という貯蓄を持っている世帯は以下の総務省統計から上位28.2%となっています。
統計を見てみると意外に多いなと感じますが、殆どは退職金を受けとった後の高齢世帯に偏っています。2000万円を保有している多くの方が考えていることは以下のことではないでしょうか?
- 老後の資金として足りるのか?
- もっと増やしておきたい
- けど大切な資産を投資で減らしたくない
そのような方に向けて本日は安全し資産を増やしていくために必要な考え方と、おすすめの投資先についてお伝えしていきたいと思います。
安全なリターンを求めるなら年率10%で十分
投資で派手なリターンを求める方もいらっしゃいます。
確かに失ってもよい余剰資金でリスクをとって高いリターンを狙いにいくのは良いのですが、反対に大きく資産を減らしてしまう可能性があります。
特に老後の資産とする予定のお金であれば無理をして高いリスクをとる必要はありません。というか取ってはいけません。
関連:投資におけるリスクとは?標準偏差を理解してシャープレシオの高い投資を実践しよう!
資産運用の世界で長期的に実現可能なレベルとして1つの指標として挙げられるのが年率10%という数字です。投資の神様と称されるバフェットですら長期リターンは20%ですので10%のリターンがあれば十分なのです。
関連:個人投資家が目指すべき投資利回りは10パーセントが妥当?狙うべきリターンと投資先を検証する。
安全に資産を構築するために必要なリターンは年率10%で十分です。2000万円を年率10%で運用すると以下の通り、長期間でみると大きな資産を築くことができます。

資産の推移 | |
現在 | 2,000 |
1年後 | 2,200 |
2年後 | 2,420 |
3年後 | 2,662 |
4年後 | 2,928 |
5年後 | 3,221 |
6年後 | 3,543 |
7年後 | 3,897 |
8年後 | 4,287 |
9年後 | 4,716 |
10年後 | 5,187 |
11年後 | 5,706 |
12年後 | 6,277 |
13年後 | 6,905 |
14年後 | 7,595 |
15年後 | 8,354 |
16年後 | 9,190 |
17年後 | 10,109 |
18年後 | 11,120 |
19年後 | 12,232 |
20年後 | 13,455 |
21年後 | 14,800 |
22年後 | 16,281 |
23年後 | 17,909 |
24年後 | 19,699 |
25年後 | 21,669 |
26年後 | 23,836 |
27年後 | 26,220 |
28年後 | 28,842 |
29年後 | 31,726 |
30年後 | 34,899 |
17年後には1億円、25年後には2億円という資産を達成することができます。急がば回れということですね。
下落を極力免れて安全に増やすことが重要
10%で運用できれば十分大きな資産を形成できることを説明しましたが、一つ気をつけないといけないことがあります。
それは下落を極力回避しながら安定的に資産運用を行うことです。人間は大きな下落を被ると怖くなって投資から撤退してしまう傾向があります。
特に今の日本人はバブル崩壊以降、投資に恐怖症を抱いている方が多いので投資で大きく資産が下落してしまうと投資アレルギーが増長してしまいかねませんね。
実際に大きな下落としては近年だと2000年からのITバブルの崩壊や、2008年のリーマンショックがあります。そのほかにも過去10年だけでも小さいものを含めると数々の暴落を経験してきました。
以下はTOPIXの過去10年の値動きですが度々大きな下落を経験していることが分かります。

想像していただければ分かるのですが、例えば保有している2000万円が30%下落してしまえば資産は1400万円まで下落してしまいます。
大切な資産が600万円も減少してしまっては気が狂いそうになりますよね。派手な利回りを求めるのではなく、下落せずに安定した利回りを狙うことが重要なのです。
つまり、最終的には同じリターンであったとしても以下のBのような値動きをする資産より、Aのような値動きをする資産に投資を行う方が賢明なのです。

同じリターンでも一定に近いレベルで上昇する資産Aのような資産を低リスク資産、乱高下する資産Bのような資産を高リスク資産と呼びます。
同じ10%のリターンを追求するとしても低リスクの資産に資金を投じなければいけないのです。
2000万円を自分で運用?プロに任せる?
いざ運用するとなった時に自分で運用するか、プロに任せるかという壁に最初にぶち当たると思います。
結論から申し上げると個々人によるという回答になります。自分で運用した方がいい方は以下のような方です。
- 既に投資の経験が長い
- 今まで継続的に資産を形成できている
- けど大切な資産を投資で減らしたくない
しかし、誰もが自分で運用を行えるわけではありません。いきなり2000万円という大金を運用すると少しの値動きで狼狽してしまい私生活にも影響がでてしまいます。
また、数百万円失ったところで損切りをして、結局その後株価が上昇して悔しい思いをして株式投資を諦めるという方も続出しています。
プロの投資信託のファンドマネージャーでも株式市場で勝つことは非常に難しいのです。自分の実力を過信せず謙虚に見つめ直してみましょう。
自分で運用する自信がないという方は現実的には多少手数料を払ったとしても投資のプロに任せる方がよいのです。
break time:高学歴だから投資も成功すると過信するのは危険
筆者は東京大学を卒業しているのですが、社会人になってから投資を始めた時にこう考えていました。
自分は今まで習い事や勉強で他の人より優れた成績を残してきたし、投資も上手くできるに違いないと考えてしまっていたのです。
しかし、大きな間違いでした。
勉強と投資は似て非なるものです。
株式市場は理論だけで株価が上下動するわけではありません。
人間の心理によって株価が変動するため、心理状態まで加味して制御しないとリターンを得る事ができないからです。
バフェットの師であるベンジャミン・グレアムは株価をミスターマケットという例に例えて紹介しています。
ミスターマーケットは毎日投資家の元を訪れて、今日はこの価格、明日はこの価格という風に提案してきます。
この価格は理論値として考えられる価格からは大きく乖離しているものなのです。常に歪みが発生し、人間の心情によってゆり動く株式市場を勉強ができるからといって制することは出来ないわけです。
実際市場の平均的な成績である株価指数に対して、多くのアクティブファンドのファンドマネージャーが劣後する成績となっていることからも読み取れますね。自戒ではありますが、自分の実力を過信するのは控えておきましょう。
運用を任せるのに最適な投資のプロとは?
では運用を任せるとするのであればどこが適切なのでしょうか?
最も身近な投資信託は魅力的?
まず一番最初に選択肢に上がるのは投資信託ですね。
投資信託は実はプロに運用を任せているように見えますが、実は殆どの投資判断を投資家自身が行っています。
- どの投資対象に投資をするか?(株?債券?商品?等々)
- インデックス型にするかアクティブ型にするか?
- アクティブ型の場合は運用手法は何を選ぶか?
選ぶ対象が悪ければ、当然結果は悪くなります。
株式市場が暴落している局面で、株式投資を行う投資信託に投資をしても逆流の中を泳ぐようなものですからね。
また、インデックス型はS&P500指数やTOPIXや日経平均のように、指数に連動する成果を目指して運用していく投資信託です。インデックス型は先ほど指摘した通り、度々暴落を経験するので健全な精神力を保つことができない局面がやってきます。
関連:パッシブ運用型(=インデックス型)とアクティブ運用型投資信託はどちらがおすすめ?成績や手数料を含めてわかりやすく比較する!
一方のアクティブ型はインデックスに対して高いリターンを追求する投資信託です。ただ、名前に反して平均するとインデックス型の投資信託よりも低いリターンとなる傾向があります。
しかも、以下の図の通り高い信託報酬を支払うアクティブ型の投信が不安定な結果になっています。

参照:金融庁
近年、話題になっている「ひふみ投信」ですらも、直近3年は日経平均に対して劣後する成績となっていることからも、アクティブ型投信の苦境が伺えますね。
青:ひふみ投信
赤:日経平均

関連:幾度の暴落を経験した「ひふみ投信」の時代は終わった!?評判のアクティブ投信の近年の不調の原因と見通しを徹底評価!
ヘッジファンドという選択肢も考えよう
投資信託は最もオープンに開かれた選択肢ですが、他にも魅力的な選択肢は用意されています。最も代表的な例がヘッジファンドです。

ヘッジファンドは如何なる市場環境においても収益を追求することが求められる絶対収益型のファンドです。ヘッジファンドにとって市場環境が悪かったからリターンが出なかったというのは言い訳でしかないのです。
実際にヘッジファンド全体の成績は株式市場全体の値動きが乱高下する中においても、右肩上がりで安定して上昇していっています。安心して資産を預けられるのはヘッジファンドということができるでしょう。

投資信託は投資リターンの責任の多くが投資家に帰属しますが、ヘッジファンドではファンドマネージャーにお任せをするだけでよいのです。
ヘッジファンドというと欧米の富裕層や機関投資家限定というイメージが強いですが、近年は日本の個人投資家が投資できるヘッジファンドも出てきています。

実際、筆者も2013年から老舗のヘッジファンドで投資を行い着実に且つ堅実に資産を形成してきています。
筆者が投資しているBMキャピタルではヘッジファンドの利点の通り、全ての暴落局面でマイナスのリターンを出さずにリターンをだし年平均利回りは10%以上という好成績を叩き出しています。
BMキャピタルについては以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。まさに、理想とする安定的に着実な資産形成を行える最高のファンドとなっています。

まとめ
2000万円を運用する際に考えないといけない点は以下です。
- 年率10%程度で着実な資産形成を目指す
- 暴落で大きな資産を失わないことを心がける
- 自分で運用するかプロに任せるか考える
プロに任せるとなった時には広い選択肢を持つことが重要です。投資信託が身近ではありますが、投資信託以外にもヘッジファンドという選択肢も魅力的です。
以下、ランキング形式でもお伝えしていますので参考にしていただければと思います。