日本の投資信託(含むETF)分析

【愛称 : サムライバリュー】アセットマネジメントONEが運用するAR国内バリュー株式ファンドの評判とそのリターンは?様々な指標から網羅的に評価。

2022年5月17日

ヘッジファンド型の投信「AR国内バリュー株式ファンド 『愛称 : サムライバリュー』」の実際の成績を見ていきたいと思います。

ファミリーファンド方式で、国内株式の運用を行うアクティブファンドです。35億円程度の小規模ファンドです。

 

AR国内バリュー株式ファンド基準価額

 

 

AR国内バリュー株式ファンド 『愛称 : サムライバリュー』の特徴とは?

AR国内バリュー株式ファンドの特徴についてみていきたいと思います。

 

アセットマネジメントONEが運用

アセットマネジメントONEが運用を行います。

アセットマネジメントOne株式会社の株主構成は以下の通りとなっています。

 

〔経済的持分比率〕
株式会社みずほフィナンシャルグループ 70%
第一生命ホールディングス株式会社   30%

〔議決権保有比率〕
株式会社みずほフィナンシャルグループ 51%
第一生命ホールディングス株式会社   49%

 

みずほと第一生命のアセットマネジメント部門という建てつけと言えます。

ブランド力の強い会社名を全面に押し出さないのはなぜなのか、少し興味を持ってしまいますね。

 

アセットマネジメントOneは、AR国内バリュー株式ファンドの他に、グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド、新光MRFなどの金融商品を展開しています。

REITでも有名な新光 US-REIT オープン(愛称:ゼウス)もアセットマネジメントOneにて運用が行われています。

 

投資対象は国内株式(絶対収益追求型)

日本株で運用です。バリューファンドですから、日本で安値で放置されている企業、株式銘柄を購入していくことになります。

バリュー株投資は非常に難易度が高い玄人手法ですが、どれくらいのリターンを出しているのでしょうか?

 

AR国内バリュー株式ファンドの構成上位銘柄

まずは構成業種です。日本株ファンドに関しては電気機器が上位に来るのはもう定番ですね。特に目新しさは感じません。素直な投資をしている印象です。

順位 業種 比率(%)
電気機器 14.93
小売業 9.23
建設業 8.85
卸売業 7.49
機械 7.19

 

具体的な銘柄は以下の通りです。

 

順位 銘柄名 業種 比率(%)
ミライト・ホールディングス 建設業 4.59
グローブライド その他製品 4.21
新光電気工業 電気機器 3.67
三協フロンテア サービス業 2.73
東京精密 精密機器 2.40
日本KFCホールディングス 小売業 2.07
オルガノ 機械 2.07
芙蓉総合リース その他金融業 2.07
東テク 卸売業 2.03
10 G-7ホールディングス 小売業 1.98

 

建設業のミライト・ホールディングス、釣り用品などを扱うグローブライド、電気機器の新光電気工業。さすがバリュー株ファンドですね。

日本株のファンドのポートフォリオには毎回ソニー、ソフトバンク、キーエンス、日本電産が並ぶのがお馴染みでした。

今回は全くそのような大型株が入っていなくて、これぞファンドマネジャーの腕次第のヘッジファンド、という感じがします。

 

AR国内バリュー株式ファンドのリスクとリターンを分析

では肝心のAR国内バリュー株式ファンドのリターンについて紐解いていきたいと思います。

この好調な相場で2011年から運用して1.4倍にしかなっていないのは正直大きな期待ハズレなのではないでしょうか。

AR国内バリュー株式ファンド基準価額

 

平均点である日経平均と比較したチャートを見ても一目瞭然ですね。

平均点である日経平均大きく劣後した成績となってしまっています。

サムライバリューと日経平均のチャート比較

 

データとしても見ていきましょう。

 

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン 3.89% -4.34% 0.21% --
標準偏差 6.08 6.24 6.23 --

 

バリュー株ファンドに限らず、どのファンドでも長期の実績こそが信頼の証になります。

5年で0.21%は低いですね。あまりリターンがよろしくないです。3年ではマイナス。

もう少し詳しくみてみましょう。

 

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2021年 0.43% 1.86% -- -- --
2020年 -6.06% 0.76% 0.75% 0.81% -3.88%
2019年 -3.35% 0.09% -4.67% 4.06% -4.03%
2018年 -0.57% 0.22% -0.32% -6.94% -7.55%
2017年 2.41% 2.95% 7.44% 0.27% 13.58%

 

2018年からマイナス続きですね。これはいけません。2017年だけがまともなリターンで終わったのですね。

複利で運用するにあたり、「マイナスを出さないこと」の重要性は非常に高いです。

AR国内バリュー株式ファンドはマイナスを3期連続で出してしまっています。この成績で出資者は集まるのでしょうか。

マイナスを出さないことの重要性についてはあの世界が誇る投資家であるウォーレンバフェットも、投資で最も重要なルールとして「損失を出さない」を挙げています。

 

Rule No. 1: Never lose money. Rule No. 2: Never forget rule No. 1.

ウォーレン・バフェット

 

標準偏差は6%台と非常に低く、ボラティリティの低い運用をしていることがわかりますが、それでもリターンが低すぎますね。

 

TOPIXに連動する1308 – 上場インデックスファンドTOPIX (愛称:上場TOPIX)と比較

日本株とTOPIX指数に投資をしているヘッジファンド型投信ですので、TOPIXのインデックス成績を下回るようではダメです。

価値がありません。実際に比較してみましょう。

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
上場インデックスファンドTOPIX 27.21% 6.29% 11.68% 10.90%
AR国内バリュー株式ファンド 3.89% -4.34% 0.21%

大きく差がついてしまっています。TOPIXの直近の1年は27.21%となっていますが、これは異次元金融緩和が理由なので、今後はそうはいきません。

あまり正確に比較はできていませんが、何よりもAR国内バリュー株式ファンドはマイナスを出してしまっている年があることが一番の問題だと思います。

 

AR国内バリュー株式ファンドの今後の見通し

今後の見通しとしては、ポートフォリオにバリュー株が入っており、今後割安銘柄を狙っていく戦略は良いと思うのですが、ここ数年の実績があまりにも信頼できるものではありませんでした。

3年ほど連続で安定した運用成績を出せるようになると、検討の余地があるのですが、もっとよいファンドを選ぶのが正解なのではないでしょうか。

締め括り

 

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資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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