1億円以上の資産運用

完全リタイアは2億円あったら資産運用だけで可能?50歳・60歳で労働意欲が無くなっても安定的に不労所得を獲得するための投資ポートフォリオの割合について考察

 

最近では「FIREムーブメント」の流行もあり、資産運用の重要性が多くの人にも伝わってきているように思います。

FIREとは米国発祥の言葉で、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとったものです。経済的独立と早期退職を目標とするライフスタイルを啓蒙するムーブメントです。

 

今回は2億円の金融資産がある人は、リタイア可能なのかどうかを考えていきたいと思います。

2億円とはとても大きな金額ですが、日本にはどれくらいその資産規模を保有する人は存在するのでしょうか。

 

富裕層階層

ここでは1億円以上の富裕層世帯に該当します。

合計5402万世帯の中で、124万世帯グループにいます。全国世帯の2-3%程度の割合の中にいますので、相当な資産家であることが理解できます。

 

これくらいの規模であれば、リタイアは可能ではないかと思うのが普通でしょう。

今回は、2億円はそもそもリタイアは可能なのか、さらに資産を増やしていくにはどのようなポートフォリオを組むべきかについて書いていきます。

 

資産2億円でリタイアは可能か?

リタイアには種類があります。

 

  • 完全リタイア
  • セミリタイア
  • ミニリタイア

です。

 

完全リタイアは資産運用のみで生活が可能な状況。

セミリタイアは、本格的な仕事は必要とせず、少し働きながら資産運用の収入をあてにしてリタイア生活をすることを指します。

ミニリタイアは1年の半分を働き、半分を休暇でバカンスで楽しむような生活です。

完全リタイアができれば、他のリタイアも当然可能です。

結論を述べると、資産が2億円あれば一般的にはぎりぎりですが、リタイア可能です。

 

根拠としては、最低3%程度の資産運用リターンで生活費を賄えればリタイアできるとされているからです。

2億円の3%リターンは600万円、税後で480万円です。

月々の生活費を480/12ヶ月=40万円で賄えれば良いのです。

 

以下は総務省が出している一般的な二人以上世帯の支出平均です。

 

二人以上の世帯のうち勤労者世帯の家計収支

参照:総務省

 

 

消費支出313,057円と非消費支出99,045円を足すと、412,102円です。

年間の資産運用リターンが480万円で、月々40万円、上記消費支出と非消費支出99,045円の合計の412,102円を考えると12,102円不足します。

しかし非消費支出は保険などが含まれますので、ここをうまく調整すれば、完全リタイアは可能ということですね。

 

もちろんこれは一般的な二人以上世帯の平均支出ですので、その他の支出項目をうまくやりくりしても構いません。

…しかし、だいぶカツカツですよね。

運用リターンが3%で600万円があれば楽々リタイアできるかと思いきや、実は税後の金額で考えると厳しいものであることがわかります。

 

ちなみにキャピタルゲインや配当にかかる税率は正確には20.315%です。

 

正直、2億円を資産運用するだけでは心許ない生活になる

資産2億円で完全リタイアは、うまくやりくりすれば可能だと述べました。

しかし、これは最低限の生活をギリギリできるでしょう、という心許ない結果です。

 

もう少しゆとりのある、趣味や文化に浸る、海外旅行などもできるような生活を目指したいものです。

2億円あるのに、余裕のない生活というのはよくわからないですよね。

 

ゆとりある、充実した人生を送るにはどれくらいあれば良いのでしょうか?

ここでも年率3%程度で考え、必要な資産額を考えてみましょう。

 

例えば上記では約40万円の支出がありましたが、余裕がある人生を送るのであれば月に60万円くらいは確保したいです。

月々60万円は年間で720万円です。480万円を生活費に使い、残りの240万円を趣味や海外旅行に使います。

 

年間720万円程度を3%運用で賄うとしたら、301,185,900円が必要です。

約3億円です。本当のリタイアは3億円になると思います。個人的な見解ではあるのですが。

 

2億円の資産を切り崩しながら過ごせば良いのでは?

という意見は当然あります。

しかし、あくまで上記の生活費が月に40万円かかる前提で、取り崩しながら生きていくとどうなるのかを考えてみましょう。

 

50歳夫婦で100歳まで生きると仮定、資産2億円で足りるのか

50歳夫婦で100歳まで生きると仮定して、

年間480万円×余生50年=240,000,000

2.4億円です。2億円の資産だけでは足りません。

 

50歳から65歳までの15年間が上記の収入533,820円、65歳以降は年金が入るのが通常です。

533,820円×12ヶ月=6,405,840円

6,405,840円×15年=96,087,600円

 

国民年金65,000円×2人×12ヶ月×35年=54,600,000円(厚生年金などの兼ね合いがあるので正確には計算できませんが、一番可能性のある金額として計算)

 

96,087,600円+54,600,000円=1.506876 億円

 

・国民年金

国民年金のみの「平均支給月額は約5万5,000円」です。納付期間40年間、満額で支払い続けると、「満額支給月額は約6万5,000円」になります。

参考:厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

 

 

2億円の資産と、年金、労働の金額を足すと、3.5億円ですね。

生活費が2.4億円ですが、1.1億円が残る計算になりますので、最低限の生活は賄えます。これは朗報ですね。退職金(年々減ってますね)1800万円程度と考えると、1.3億円くらい余りそうですね。

退職金推移

 

上記で触れた、余裕ある文化を楽しむ生活で月々60万円の支出がかかる場合でも、

 

年間720万円×50年=360,000,000

3.6億円ですが、年金、労働の金額を足すと、3.5億円ですので、少し足りません。退職金を加えれば、ギリギリ届きますね。

 

50歳で資産2億円あれば、資産を切り崩しながら、平均的な年金、労働収入、退職金があれば賄えることが発覚しました。

資産2億円のインパクトは絶大ですね。もう働く必要はありません。

 

ただし、子供の生活費、私立中学受験、大学までの学費、留学などを考えると不足します。

それ以外にも、不本意な病気や事故などにあった場合の医療費なども一応考えておきましょう。

生活費のみ工面するだけであれば、余りの資産から捻出は可能ですが、この辺は各世帯でカスタマイズが必要ですね。

 

60歳夫婦で100歳まで生きると仮定、資産2億円で足りるのか

60歳夫婦で100歳まで生きると仮定して、

年間480万円×余生40年=192,000,000

1.92億円です。2億円の資産だけでギリギリ足りますね。

 

60歳から65歳までの5年間が上記の収入533,820円、65歳以降は年金が入るのが通常です。

533,820円×12ヶ月=6,405,840円

6,405,840円×5年=32,029,200円

 

国民年金65,000円×2人×12ヶ月×35年=54,600,000円(厚生年金などの兼ね合いがあるので正確には計算できませんが、一番可能性のある金額として計算)

32,029,200円+54,600,000円=86,620,000円

 

2億円の資産と、年金、労働の金額を足すと、3.4億円ですね。

生活費が1.92億円ですが、1.5億円が残る計算になりますので、最低限の生活は賄えます。

これも朗報ですね。退職金1800万円程度と考えると、1.7億円くらい余りそうですね。

 

上記で触れた、余裕ある文化を楽しむ生活で月々60万円の支出がかかる場合でも、

年間720万円×40年=288,000,000

 

2.88億円ですが、年金、労働の金額を足すと、3.4億円ですので、これまた賄えます。

 

60歳で資産2億円あれば、資産を切り崩しながら、平均的な年金、労働収入、退職金があれば賄えることが発覚しました。

資産2億円のインパクトは本当に絶大ですね。もう働く必要はありません。

 

ただし、50歳の項目でも述べましたが、子供の生活費、私立中学受験、大学までの学費、留学など、また不本意な医療費などの可能性も考えておきましょう。

 

気をつけるべきはインフレ

50歳、60歳時点で資産2億円あり、65歳までしっかり働き、年金を貰う前提であれば資産を取り崩しながら完全リタイアができることがわかりました。

しかし、資産を取り崩す前提の場合は、多くの人は「現金」で預金口座に置いておくと思います。

 

この場合、現金の価値が希薄化する可能性があることもしっかり理解しておきましょう。

インフレを考慮するということです。

インフレ率は物価上昇という意味で覚えている人も多いと思いますが、その本質は通貨価値の減価です。

 

現金の価値が下がってしまうと、先ほど計算した余生の計画は崩れてしまいます。

2億円で1%現金の価値が減価するだけで、200万円目減りするということです。

 

2020年の日本のインフレ率は-0.1%でした。

現在は現金の価値は落ちていません。しかし、日本政府はインフレターゲットを2%に置いています。

将来的に、この水準になるよう様々な政策を打っていくことは目に見えています。

 

つまり、現金の価値は希薄化していくことは確定的です。

インフレから2億円を守るためにも、資産に投資をして、リスクを押さえておきましょう。

株式、債券、ヘッジファンドとはなどに資産を割り当てるのが欧米では通常です。

 

資産3億円を目指す人は安定運用ポートフォリオ割合を検討

資産2億円までせっかくきたのだから、さらに資産を高め3億円を目指そうという人もいるでしょう。

そのような場合、安定的に資産を守りながら着実に増やしていく方法を取るべきです。

 

私であれば、以下でポートフォリオを組みます。

 

資産クラス 銘柄名 金額
ヘッジファンド BMキャピタル 50%
全世界株 eMAXIS Slim 全世界株式 30%
ETFのGLD 20%

 

ヘッジファンド

ヘッジファンドを最大ポーションとしているのは、米国一流大学のイェール大学のポートフォリオを参考にしています。

イェール大学は過去20年間の平均リターンは10%を超えています。

資産規模が大きければ、10%という数字は非常に迫力のある数字です。2億円でしたら2000万円のリターンが見込めるということですから。

 

The university’s longer-term results remain in the top tier of institutional investors. Yale’s endowment returned 10.9% per annum over the 10 years ending June 30, 2020

<<中略>>

Yale’s endowment returned 9.9% per annum over the 20 years ending June 30, 2020, exceeding broad market results for domestic stocks, which returned 6.2% annually, and for domestic bonds, which returned 5.1% annually.

参照:Yale Endowment

 

年度 リターン
2011年 21.9%
2012年 4.7%
2013年 12.5%
2014年 20.2%
2015年 11.5%
2016年 3.4%
2017年 11.3%
2018年 12.3%
2019年 5.7%
2020年 6.8%

 

3年間のポートフォリオ構成は以下の通りとなっています。

 

2020年 2019年 2018年
ヘッジファンド 23.5% 23.2% 26.1%
米国株 2.25% 2.7% 3.5%
米国以外の株 11.75% 13.7% 15.3%
PEファンド 17.5% 15.9% 14.1%
商品(金等) 4.5% 4.9% 7.0%
不動産 9.5% 10.1% 10.3%
ベンチャー
キャピタル
23.5% 21.1% 19.0%
現金と債券 7.5% 8.4% 4.7%

 

ヘッジファンドは下落相場でも積極的にリターンを狙う、絶対収益型のファンドです。

欧米では盛んな投資先ではありますが、日本国内ではそこまで多くのヘッジファンドは存在しません。

ヘッジファンドについて詳しくは記事でも紹介していますので参考にしてみてください。

 

 

特に資産が大きい場合には、下落体制の強い、着実にリターンを出せるヘッジファンドを選ぶべきです。私はBMキャピタルで運用していますが、安心感を持って、資産を運用できています。

 

全世界株式(eMaxisSlim)

全世界の成長に劣後しないよう、ポートフォリオに全世界株を組み入れます。

長期のチャートを見ると、ヘッジファンドにリターンは劣後しますが、安全資産としての位置付けとして保有しておけば良いでしょう。

ヘッジファンドとS&P500指数と世界株式指数のチャート

 

ゴールド(金)

世界的にマネタリーベースは上昇しています。

 

米国のマネーサプライの増加

 

市場に札束が舞う量が多いということは、それだけキャッシュの価値が下がるということです。

そして、相対的に資産は大きくなるということです。

 

以下は金のチャートです。

金の価格推移

 

ゴールドは

  • 中国やインドの成長
  • 地政学的リスク高騰
  • インフレ懸念

に敏感に反応し、価値が高まります。

2021年現在はマネタリーベースの上昇でインフレ懸念、中国の一早い新型コロナウィルス脱出、そして景気回復、インドの今後の経済展望などを考えると、十分に金は上昇する環境が揃っています。

まとめ

今回は2億円あったらリタイアは可能なのか。

可能だとして、気をつけるべき点。また3億円を目指す人におすすめのポートフォリオについて解説してきました。

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自分で個別株投資をする自信がないという方はプロに資産を預けて運用をするという選択肢を取ることになります。

長期的に資産を形成していくためのファンドを選ぶ際に重視するポイントは以下となります。

 

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いくら良いリターンを出していても、暴落時に40%下落してしまっては通常の精神状態を保てませんし投資自体から撤退してしまう可能性すらあります。

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