日本の投資信託(含むETF)分析

【愛称:ポジティブ・チェンジ】ESG投信として評判のベイリー ・ギフォードインパクト投資ファンドを徹底評価!今後の見通しについても考察する。

2022年5月17日

ベイリー ・ギフォードインパクト投資ファンドはESG部門の優秀ファンドとしてモーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤーに選出されています。

モーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤーに選出

 

ベイリー・ギフォードインパクト投資ファンドはポジティブ・チェンジの愛称で親しまれています。以前、取り上げたロイヤルマイルの兄弟投信ということですね。

→ 【ロイヤル・マイル】昨年までの高いリターンが評判の投信「ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド」をわかりやすく評価!評判通りなのか?

 

本日はポジティブチェンジがどのような投信なのかという点についてお伝えした上で、リターンや今後の見通しについても考察していきたいと思います。

ベイリー ・ギフォードも検討に入れた上で優良投資先について以下でまとめていますのでよろしければ参考にしてください。

 

 

ベイリー・ギフォードインパクト投資ファンド(=ポジティブ・チェンジ)の特徴とは?

ベイリー・ギフォードインパクト投資ファンドの特徴についてみていきたいと思います。

長期視点から成長が期待できる世界の株式に分散投資

ポジティブ・チェンジの投資対象は目論見書で以下のように記されています。

 

持続可能であらゆる人々を受容する世界の実現に向け、好ましい社会的インパクト(社会的変化)をもたらす「インパクト・テーマ」に沿って、重要な社会的課題の解決に資する事業活動を、公正かつ誠実に行う企業の中から投資機会を発掘します。

参照:ポジティブ・インパクトの目論見書

 

インパクトのあるテーマとしてポジティブ・チェンジが選定しているのは以下の4つです。

✔︎ 平等な社会・教育の実現
✔︎ 環境・資源の保護
✔︎ 医療・生活の質向上
✔︎ 貧困層の課題解決

これらの観点から銘柄を選定しているのでモーニングスターのESGファンドとして選出されています。

 

ESGとは?

そもそも最近耳にするESGとは何かと疑問に思われる方も多いとおもうので取り上げたいと思います。ESGとは「Environment」「Social」「Governance」の頭文字です。

これらを重視する企業は長期的に成長を実現できると考えられています。以下が野村総研の説明となっています。

 

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉です。気候変動問題や人権問題などの世界的な社会課題が顕在化している中、企業が長期的成長を目指す上で重視すべきESGの観点での配慮ができていない企業は、投資家などから企業価値毀損のリスクを抱えているとみなされます。
そのため、ESGに配慮した取り組みを行うことは、長期的な成長を支える経営基盤の強化につながると考えられています。

「ESG投資」とは「ESGに配慮した企業に対して投資を行うこと」です。
2018年における世界のESG投資額は3100兆円で世界の投資額の3分の1を占めています。ESGが投資で重視されるようになった背景に、国連が2006年に「責任投資原則(PRI)」を提唱したことが挙げられます。2015年には日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)もPRIに署名し、それ以降、国内においてもESG投資が進んでいます。日本におけるESG投資額は336兆円ですが、前年比45%増で伸びています。

参照:野村総合研究所

 

ESG投資は以下の通り年々右肩上がりに増加していっています。

拡大するESG投資

 

構成上位は米国銘柄が多い

以下は2022年7月末時点での構成銘柄です。

上位は先進国のテクノロジー銘柄ですが、9位と10位に新興国の銘柄が入っているのが特徴的ですね。

 

構成銘柄 テーマ 構成比率
ASML オランダ 平等な社会・教育の実現
半導体製造装置
8.8%
TSMC 台湾 平等な社会・教育の実現
半導体製造会社
6.3%
MODERNA 米国 医療・生活の質向上
コロナワクチンの会社
7.0%
DEERE & Co アメリカ 環境・資源の保護 6.3%
MERCADOLIBRE ブラジル 平等な社会・教育の実現 5.0%
DEXCOM 米国 医療・生活の質向上 4.5%
ORSTED デンマーク 公益事業 4.0%
TESLA INC 米国 環境・資源の保護 3.8%
BANK RAKYAT インドネシア 貧困層の課題解決 3.7%
HOUSING DEVELOPMENT インド 平等な社会・教育の実現 3.3%
合計 53.6%

 

ASMLとTSMCは半導体関連で、MODERNAはワクチン銘柄です。

因みに以下は2022年2月末時点での構成上位銘柄です。TSLAは2月時点の2位から今は8位に落ちています。

結構比率が入れ替わっていますし、銘柄も入れ替わっています。

 

構成銘柄 テーマ 構成比率
MODERNA 米国 医療・生活の質向上
コロナワクチンの会社
9.0%
TESLA 米国 環境・資源の保護
電気自動車の会社
7.0%
ASML オランダ 平等な社会・教育の実現
半導体製造装置
7.0%
TSMC 台湾 平等な社会・教育の実現
半導体製造会社
6.3%
MERCADOLIBRE ブラジル 平等な社会・教育の実現 5.0%
ILLUMINA 米国 医療・生活の質向上 4.5%
DEXCOM 米国 医療・生活の質向上 4.0%
NIBE INDUSTRIER スウェーデン 環境・資源の保護 3.8%
UMICORE ベルギー 環境・資源の保護 3.7%
M3 INC 日本 医療・生活の質向上 3.3%
合計 53.6%

 

ポジティブ・チェンジの手数料形態

ポジティブ・チェンジの手数料形態は以下となっています。

購入手数料:3.3%(税込)
信託手数料:年率1.463% (税込)

 

ポジティブ・チェンジの運用実績

それでは重要なポジティブ・チェンジの運用実績についてみていきたいと思います。

ポジティブ・チェンジの運用チャート

 

現在9月1日ですが上記は最新レポートのもので7末までとなっています。現在は再び下落に転じています。(下の図参照)

参考指数は全世界の株式に分散投資しているMSCIオールカントリー・ワールド・インデックスとしています。

ポジティブ・チェンジは全世界株を大幅に上回るリターンを叩き出しています。

ただ、これはあくまで昨年ブームだったテスラやモデルナを保有していたからに過ぎません。

 

直近これらの銘柄は上昇し過ぎた調整をおこなっており株価は年初来停滞しています。

結果的にMSCIオールカントリー・ワールド・インデックスに連動するeMAXIS Slim全世界株式とのこの一年間の比較は以下となります。

青:ポジティブチェンジ
赤:eMAZIS全世界株式インデックス

ポジティブチェンジとeMAXIS Slim全世界株式との年初来のリターンの比較

 

ポジティブチェンジは不安定な動きを繰り返しており、全世界株のリターンに劣後する結果となってしまっています。

調子のよかった分野の好調というのはいつまでも続くものではありません。

一旦の時代が終焉しており、今後も難しい局面が続くことが想定されます。

 

今後の見通しもしばらく暗い

以下はポジティブチェンジの国別の構成比率です。

 

比率
米国 40.9%
デンマーク 9.9%
オランダ 8.8%
台湾 7.7%
ブラジル 5.9%
インドネシア 3.9%
インド 3.8%
ベルギー 3.4%
ドイツ 2.6%
日本 2.4%

 

米国株の趨勢が大きな影響を占うこととなります。欧州と合わせると約60%になります。

米国や欧州は現在、強烈なインフレが発生しており拙速な金融引き締めを行なっています。

金融引き締め中は株式のリスクプレミアムが減少して株価が下落するだけでなく、時間の経過とともに実態経済に波及して企業業績が悪化します。

そのため、今後もしばらくは世界的に株価が下落する可能性が高くなっているのです。

 

まとめ

ポジティブチェンジについてまとめていくと以下となります。

 

✔︎ ESG的なテーマに即して銘柄を選定している
✔︎ 上位銘柄に比較的多くのポーションを割いている
✔︎ テスラやモデルナなどの話題の銘柄を組み入れている
✔︎ 昨年はブームにのって堅調だったが、直近は調整にあい苦戦している

 

以下ではどのような相場であっても安定したリターンが期待できる銘柄について纏めていますので参考にしていただければと思います。

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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