日本の投資信託(含むETF)分析

のむラップ・ファンド(積極型・普通型・保守型)の評判はどうか?其々の特徴や口コミ、今後の見通しについてもブログで徹底評価!

2022年11月19日

今回は巷でも中々評判の良いのむラップ・ファンドを取り上げてみたいと思います。

これまで様々な投信を分析していますので、他の分析も参考になさってください。

筆者自身は良い投資先を見つけるため、また自分の目利きが衰えないように日々鍛錬のために分析している側面もあります。

 

→ 日本の投資信託(含むETF)分析

 

のむラップファンドは名前の通りファンドラップ 型の投資信託となります。

ファンドラップは金融機関がヒアリングを行い、投資家の各人のリスク許容度に応じてポートフォリオを提案します。

そのかわり運用手数料だけでなく相談手数料ともいえるファンドラップフィーが徴収されます。

→ ひどいと評判のファンドラップ口座とは?手数料が高く運用実績が悪く儲かった人はいるのか?金融庁が問題視する金融商品をメリットとデメリットを含めわかりやすく解説!

 

のむラップファンドは野村アセットマネジメントが運用している投資信託ですが、野村證券が提供しているファンドラップも存在しています。

野村ファンドラップは野村證券がリスク許容度を分析して最適と思われるポートフォリオを提案して運用をします。

→ 評判のひどい野村ファンドラップや野村SMAを徹底評価!大損する?サービス概要をはじめ運用実績や口コミを含めて紐解く!

 

一方、「のむラップファンド」は自分でリスク許容度を分析して、適したファンドを選択するという内容になっています。

それでは詳しくみていきたいと思います。

 

のむラップ・ファンドとは?

のむラップ・ファンドは、その名の通り野村アセットマネジメントが組成している投資信託になります。

具体的に、目論見書をもとに概要を紐解いていきましょう。基本的には日本を含む世界株や債券で運用しているファミリーファンドとなります。

ポートフォリオマネジャーの手腕が問われる内容ですね。

のむラップ・ファンド概要

 

 

運用は野村アセットマネジメント株式会社

野村アセットマネジメント株式会社が自社で行なっています。のむラップ・ファンドで個人投資家より資金を集め、自社の各資産運用部隊(マザーファンド)へ投資をしていく形となります。

ファンド方式

のむラップ・ファンドで配分を決め、運用は各マザーファンドが責任を持ってやっていく形ですね。

REITや国内株式などは2022年は特に酷い年でした。債券も売られ、結果的に現在は高利回りになっていますが、どんな成績になっているのか見ものですね。2023年もどのようになっているかも見ていきましょう。

 

3つの型「積極型」「普通型」「保守型」とは?

「国内株式マザーファンド」、「外国株式 MSCI-KOKUSAI マザーファンド」、「世界 REIT インデックス マザー ファンド」への投資⽐率の合計が、「積極型」は制限なしで運用が行われます。ポートフォリオマネジャーの腕が最も反映されるのがこの積極型です。

保守型 やや保守型 普通型 やや積極型 積極型
50%以内 60%以内 75%以内 85%以内 制限なし

 

各マザーファンドへの投資⽐率は、上記制限のもと、下記を上限の⽬処とされています。

保守型 やや保守型 普通型 やや積極型 積極型
国内株式マザーファンド 20% 25% 30% 35% 40%
国内債券NOMURA-BPI総合 マザーファンド 80% 70% 60% 50% 40%
外国株式MSCI-KOKUSAIマザーファンド 30% 35% 45% 50% 60%
外国債券マザーファンド 50% 50% 50% 50% 50%
世界REITインデックス マザーファンド 20% 25% 30% 35% 40%

 

保守型はやはり国内債券の上限が高いですね。積極型も普通型と比べそこまで突出してリスクを取るという感じでもありませんね。

2023年6月末時点での構成は以下となっています。

保守型 やや保守型 普通型 やや積極型 積極型
国内株式マザーファンド 9.1% 11.4% 14.3% 14.0% 11.3%
国内債券NOMURA-BPI総合 マザーファンド 44.3% 31.9% 20.0% 8.1% 4.5%
外国株式MSCI-KOKUSAIマザーファンド 9.8% 15.3% 23.2% 38.9% 52.3%
外国債券マザーファンド 28.4% 30.8% 28.6% 24.0% 17.3%
世界REITインデックス マザーファンド 7.3% 9.6% 12.6% 13.9% 13.5%

 

保守型ほど国内債券の比率が高く、積極型にいくほど「国内株式」「外国株式」「世界REIT」といったリスク性資産の比率が高くなっていきます。

 

買付手数料と信託報酬

購入単位は⼀般コースは1 万⼝以上 1 万⼝単位です。1万円からですね。

⾃動けいぞく投資コースは1 万円以上 1 円単位となっています。

 

購⼊時⼿数料は購⼊価額に1.1%(税抜1.0%)以内で販売会社が独⾃に定める率を乗じて得た額となっています。

信託財産留保額は基準価額に0.3%の率を乗じて得た額を1⼝あたりに換算して、換⾦する⼝数に応じて負担することになります。売買で最低1.4%かかるということですね、

 

信託報酬率は積極型、やや積極型、保守型、やや保守型、普通型で異なります。

保守型 やや保守型 普通型 やや積極型 積極型
年1.188%
(税抜年1.08%)
年1.2705%
(税抜年1.155%)
年1.353%
(税抜年1.23%)
年1.4355%
(税抜年1.305%)
年1.518%
(税抜年1.38%)

 

当然ですが、積極型が一番高くなります。

ファンド間のスイッチングも可能なので、手数料なども検討に入れて運用を行なっていくのが良いでしょう。

各ファンド間でスイッチングができます。 スイッチングの⽅法等は、購⼊、換⾦の場合と同様です。 (販売会社によっては、⼀部または全部のスイッチングのお取扱いを⾏なわない場合があり ます。) なお、販売会社によっては「(年 3%⽬標払出)のむラップ・ファンド(普通型)」「(年 6% ⽬標払出)のむラップ・ファンド(普通型)」の換⾦代⾦をもって、各ファンドへのスイッ チングが可能です。

目論見書

 

のむラップ・ファンドの過去の基準価額推移とは?肝心の運用成績や利回りを確認

それでは成績を見ていきましょう。まずは成績を羅列していきますが、最後に比べていきます。

2023年2月末までのデータとなります。

 

のむラップ・ファンド(保守型)

〈のむラップ・ファンド(保守型)〉の運用実績

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 4.58% 4.39% 3.02% 3.46%
標準偏差 6.92 5.34 5.13 4.91

 

本当に保守的ですね。10年で年率利回りは3.46%です。

 

やや保守型

のむラップ・ファンド(やや保守型)の運用チャート

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 6.67% 7.19% 4.74% --
標準偏差 8.57 7.06 7.13 --

 

普通型

のむラップ・ファンド(普通型)のチャート推移

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 8.96% 10.46% 6.62% 6.68%
標準偏差 10.53 9.14 9.65 9.14

 

10年率はインデックスファンドを下回りますので、やはりインデックスに軍配が上がります。

 

やや積極型

のむラップ・ファンド(やや積極型)の運用成績

やや積極型 1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 12.25% 13.46% 8.23% --
標準偏差 12.63 10.99 11.78 --

 

積極型

のむラップファンド(積極型)のチャート

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 14.22% 15.92% 9.70% 9.10%
標準偏差 13.89 12.46 13.54 12.31

10年率は9.10%となっており、2020年からの米国株バブルにて一気に二倍近くのリターンを獲得しています。運用期間として、リーマンショック後のタイミングで投資をしているので、まさに奇跡のタイミングで運用を開始しています。

 

各ファンド成績の比較

運用開始からのチャートの比較は以下となります。積極型は近年は素晴らしいリターンでしたが2022年からは停滞しています。むしろ少し下落しています。

青:保守型
赤:やや保守型
緑:普通型
黄:やや積極型
紫:積極型

のむラップファンドの5つの型のチャートの比較

 

2020年、2021年はパンデミックによる株式市場の急落後、米FRBが歴史上類を見ない緩和を行い、株式市場はバブルとなりました。

積極型はコロナショックを被弾し、2020年はバブル相場だったにも関わらず、米国の代表株価指数である S&P500、ナスダックに大幅にアンダーパフォームしています。

青:積極型

のむラップ・ファンド(積極型)比較

2018年、2022年の相場などでも下落についていってしまう状況で、下落耐性に不安がありますね。

<積極型年間運用成績>

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2022年 1.19% -5.02% -1.96% -1.09% -6.81%
2021年 9.45% 5.75% 1.31% 7.37% 25.90%
2020年 -16.60% 10.82% 4.17% 8.22% 4.19%
2019年 9.87% -0.18% 1.74% 6.58% 18.93%
2018年 -6.96% 4.21% 5.45% -12.02% -10.05%

 

10年の年平均利回りが10%というのも、2020、2021年があまりにも異次元相場だったため、少し基準をきつくしたくはあります。それでも他の投資信託に比べると相対的には素晴らしいです。

ただ今後の見通しは必ずしも良好とはいえません。この点については見通しの項目でお伝えします。

 

バランス型のインデックスファンドとの比較

重要なのは債券と株式に分散投資しているファンドに比べてアウトパフォームしているのかという点にあります。

eMAXISバランス(4資産均等)と比較していきましょう。同ファンドは「国内債券」「国内株式」「外国株式」「外国債券」に25%ずつ分散するファンドです。

のむラップファンドと比較したものが以下となります。

 

青:保守型
赤:普通型
緑:積極型
黄:eMAXIS4資産均等

eMAXISバランス(4資産均等)とのむラップファンドの比較

 

積極型以外はeMAXIS4資産均等に劣後しています。

積極型はリスク資産の比率が90%を超えているのでアウトパフォームして当然なのですが、わずかのリードとなっています。

 

掲示板などにおける口コミや評判

 

今後の見通し

重要なのは今後の見通しです。今後の見通しですが、積極型の場合はやはり米国株市場次第でリターンが決定する部分があります。つまりはS&P500の行方を占えば良いことになります。

 

2023年7月末時点で、米FRBはまだまだ利上げを継続しており、これは株式市場に逆風となります。実際に2022年より急速な利上げを行なっておりますが、のむラップの積極型も2022年はマイナス運用になっています。

そして、利上げに関してはコアインフレの高止まりや失業率の低さから「強いアメリカ」が健在であり、今後も続くでしょう。現在はAIブームとソフトランディング期待で一時反発していますが、株式市場は歴史的に利上げを終え、利下げに転じたところで暴落に見舞われることがほとんどです。

 

つまり、のむラップファンドの今までの動きは優秀なのですが、今からあえて買うかというと、無理はしなくても良いと思います。

FRBが利下げ転換した後に、じっくりと買っていくのが良いのではないでしょうか。基本的に投資はニュースが出た後に買っても長期トレンドになる場合は、そのニュース後の投資でも上昇の初動になるのです。慌てなくても大丈夫です。

暴落を免れながらリターンを積み重ねている、市場環境に関わらず投資妙味があるファンドは以下でもまとめていますので参考にしてみてください。

 

【2022年】日本国内の優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ先を紹介!選択に必要な知識と魅力的な金融商品をランキング形式で初心者にもわかりやすく解説
【2023年】日本国内の優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ先を紹介!選択に必要な知識と魅力的な金融商品をランキング形式で初心者にもわかりやすく解説

続きを見る

 

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

-日本の投資信託(含むETF)分析