日本の投資信託(含むETF)分析

良く耳にする「たわらノーロード」とはどんな商品群なのか?評判をチェック。一般的なインデックスファンドであることは理解。

2022年5月16日

投資信託の購入を検討しているとよく話題になるのがたわらノーロードです。

でも「たわらノーロード」ってなんなんでしょうね。よくわからないネーミングですが、これも見ていきたいと思います。

 

たわらノーロードとは?特徴は○○○

たわらノーロードとは、以下のような商品です。

「たわらノーロード」は、購入時手数料なしで購入ができる信託報酬を低く抑えたアセットマネジメントOneのファンドシリーズです。みなさまのさまざまな資産形成の目的のために、「たわらノーロード」をご提供します。毎月積み立てたり、分散投資をしたり、投資の仕方もみなさまのスタイルで行うことができます。

参照:たわら用語集

特徴は購入時手数料なし、信託報酬を低く抑えているという点ですね。

手数料が低いというのは投資家からすると嬉しいですよね。

といってもインデックス投信であれば今時手数料はとても安いのでそこまで特別感はありません。

ブロガー経由で人気になった商品みたいですね。現代を感じさせます。

 

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2016」において、「たわらノーロード 先進国株式」が全ての公募投信の中で第2位に選ばれました。
ブロガーからは、「他社ファンドと比較して、圧倒的に規模の大きいマザーファンドと信託報酬のバランスでは、群を抜いている」、「専用サイトもわかりやすく好印象」といったコメントが寄せられました。

 

しかし、人気だからといって高いリターンを生むわけではありません。今回は、私もブロガーとして詳しく見ていきたいと思います。

まずは商品ラインナップを見てみましょう。

 

たわらノーロードインデックスファンドシリーズ

ラインナップが非常に幅広いです。

国内株式

  • たわらノーロード日経225・・・日経平均株価
  • たわらノーロードTOPIX・・・東証株価指数(配当込み)

日経225とは、よく新聞でも話題になる「日経平均株価」のことですね。225の企業が組み入れられている株価指数です。

 

日経平均株価とは、日本経済新聞社が発表する株価指数のことで、東証1部上場銘柄のうち、代表的な225銘柄をもとに計算されています。日本の株式市場の大きな動きを把握する代表的な指標として用いられ、投資信託や先物取引などの商品にも利用されています。
東証1部の代表的な銘柄を選定して指標としているため、定期的に組み入れ銘柄の見直しが行われていますが、分母(除数)の修正などで株式分割や銘柄入れ替えなど市況変動以外の要因を除去して指数値の連続性を保っています。
日本の株式市場の代表的な指標として、日経平均株価の他にはTOPIXなどの株価指数があります。

参照:https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ni/J0036.html

 

TOPIXとは、一部上場企業全銘柄を対象としています。日経平均株価よりも、日本の株式市場の実態を表しているのはどちらかと言えばこちらです。

日経平均株価はユニクロのファーストリテイリングとソフトバンクグループのみで株価が乱高下している印象しか私にはありません。

あまり見ても仕方のない指数だと思いますが、報道で使われるのはどういうわけか日経平均ですよね。

 

東証株価指数(とうしょうかぶかしすう)とは、東京証券取引所第一部上場全銘柄を対象として、算出・公表している株価指数のことです。TOPIX(トピックス。Tokyo Stock Price Indexの略)とも呼ばれます。日経平均株価と並ぶ、日本の代表的な株価指標です。東証1部上場の全銘柄(2020年1月21日現在、2,159社)を対象として、各銘柄の浮動株数に基づく時価総額を合計して計算しています。1968年1月4日を基準日として、当時の時価総額を100として指数を算出しています。

参照:https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/ni/J0036.html

 

先進国株式

  • たわらノーロード先進国株式・・・MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし
  • たわらノーロード先進国株式・・・MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジあり
  • たわらノーロードNYダウ・・・ダウ・ジョーンズ工業株価平均(円換算ベース、為替ヘッジなし)

 たわらノーロード先進国株式は評判通りのパフォーマンスをもたらすのか。まとまった資金を投下するにはどうか?

 

MSCIコクサイ・インデックスとは、以下の通りです。

構成銘柄 日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株のうち、約1,300銘柄を採用。市場カバレッジ85%を目標に浮動株調整後時価総額の上位銘柄から採用。
算出方法 時価総額加重型(時価総額は浮動株調整後)
公表元 MSCI Inc.(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社)

 

寂しいですが、日本を除いている、先進国22カ国に上場する企業を対象にしています。

泣く子も黙るモルガン・スタンレーが公表している指数です。

 

ダウ・ジョーンズ工業株価平均はNYダウですね。

こちらも日本のメディアでは米国株式市場の解説をするときにNYダウで説明することが多いです。

 

といっても30種類しか銘柄が入っておらず、たわらノーロードのようにインデックスファンドとしてNYダウの連動を目指すファンドも珍しいのですが、

日経平均株価のようにこれまた、個人的には見ても仕方のない指数だと思っています。

米国で見るべき指数はS&P500のはずです。たわらノーロードのラインナップにはSP500に連動する商品はなぜかありません。不思議です。

 

アメリカのダウ・ジョーンズ社が発表する工業株30銘柄を対象とした平均株価指数で、NYダウ工業株30種やNYダウとも呼ばれています。

1896年に12種平均として作成、1928年10月1日からは30種平均として公表しており、株式市場動向や世界経済の方向性を考える上で欠かせない、アメリカを代表する株式市場の重要な指標として活用されています。

参照元:https://kabu.com/sp/glossary/1204196_3152.html

 

新興国株式

  • たわらノーロード新興国株式・・・MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)

 

MSCIエマージング・マーケット・インデックスとは、新興国株式市場への投資を検討する時にまずチェックする株価指数です。

新興国の大型株と中小株合計1000銘柄以上で構成されています。

 

MSCI エマージング・マーケット・インデックスは、新興国の株式を対象とする代表的な株価指数です。世界的な指数算出会社であるMSCI社(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出しています。

新興国の株式市場の動向を知るのに最も利用されている指数の一つです。英語ではMSCI Emerging Markets Indexと記載します。 MSCI エマージング・マーケット・インデックスは、2019年5月現在、エマージング・マーケット(新興諸国市場)26カ国の大型株と中型株を対象として1,198銘柄で構成されています。

構成内訳を見ると、上位5カ国(中国、韓国、台湾、インド、ブラジル)で70%以上を占めており、中でも中国の構成比率(31.11%)が大きくなっています。

参照元:https://www.toushin.com/faq/benchmark-faq/msciemerging/

 

グローバル(世界株式)

  • たわらノーロード全世界株式・・・MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)

 

MSCIオールカントリー・ワールド・インデックスとは、約70カ国以上の株式市場に存在する銘柄をカバーしている株価指数です。

こちらの指数に連動するよう投資をしておけば、世界経済の成長に劣後するパフォーマンスにはなりません。

非常に幅広い範囲での運用になりますので、米国インデックスなどよりもさらに堅実です。

 

MSCI グローバル株式インデックス シリーズ。米MSCI社が提供する外国株式インデックス。国内外において、グローバル投資の際のベンチマークとして最も有名なインデックス シリーズで、多くのETF、投資信託が同社インデックスと連動する形で提供されている。

特に、日本以外の先進国を対象としたMSCI コクサイ(KOKUSAI)インデックスは、日本における外国株式投資の際のベンチマークとして有名。

対象は先進国24か国、新興国(エマージング)21か国、フロンティア国25か国の約70か国。各国市場の時価総額上位約85%(Small Capシリーズを含めると最高99%)をカバーする広範なインデックス。

インデックスの主な分類として、先進国(DM:Developed Markets)、新興国(EM:Emerging Markets)、フロンティア国(FM:Frontier Markets)、先進国と新興国を組み合わせた全世界(AC:All Country)があり、それぞれがさらに、地域別(北米、ヨーロッパ、アジアなど)、国別(約70か国)、スタイル別(バリュー、グロース、高配当)、サイズ別で細分化されている。

引用:https://myindex.jp/data_i.php?q=MS1025USD

 

国内債券

  • たわらノーロード国内債券・・・NOMURA-BPI総合

 

先進国債券

  • たわらノーロード先進国債券・・・FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ベース、為替ヘッジなし
  • たわらノーロード先進国債券・・・FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ベース、為替ヘッジあり

 

国内リート

  • たわらノーロード国内リート・・・東証REIT指数(配当込み)

 

先進国リート

  • たわらノーロード先進国リート・・・S&P先進国REITインデックス(除く日本、円換算ベース、為替ヘッジなし
  • たわらノーロード先進国リート・・・S&P先進国REITインデックス(除く日本、円換算ベース、為替ヘッジあり

 

たわらノーロード バランス

たわらノーロードバランス

 

 

 

たわらノーロードの実績と評判

さて、ラインナップを確認した上で実績です。

正直、商品を選ぶ際には「リスクリターン」を大前提に考えてください。

 

過去にリターンが良いか今後もリターンが見込まれるか、

ダウンサイドはどれくらいあるかがインデックスファンドのみならず投資商品を選ぶ上では重要です。

 

各資産ごとにリスクとリターンが異なります。リターンが高いに越したことはありませんが、その分リスクが高くなる傾向があります。投資をする際には、自分がリスクをどのくらい取れるか考えることが重要です。下のグラフを参考にしてください。

たわらが連動を目指すそれぞれの資産のリターンとリスクを表したものです。例えば2000年8月~2019年7月の実績では、国内株式(日経225)のリターンは年率1.7%で、リスク(リターンの1標準偏差)年率18.9%とあります。それは、1.7%を基準におおむね2/3の確率で年率±18.9%の範囲内のリターンに収まるということで、リスクとは価格の変動性を表しています。

各資産のリターンとリスクの実績

 

最もリターンが高いのが、先進国リートの9.8%、次に国内リート9%、そして新興国株式7.7%。

リスクが高いのは順に新興国株式、先進国リート、国内リート。

 

標準偏差が大きいものが順に新興国株式、先進国リート、国内リートです。

国内株式(日経225)はリターンが1.7%で標準偏差が±18.9・・・? 粗悪な商品すぎないでしょうか・・・? 驚愕してしまいました。

 

これは、真ん中のバランスの良い先進国債券を買いましょう、とセールスするための資料に感じてなりません。

年利回り5.4%で標準偏差±9.6。堅いですね。

 

標準偏差の見方については以下の記事を参考にしてみてください。急に標準偏差と言われてもわからないですよね。

簡単に言えば、リスク量を測るものです。

 

たわらノーロードの評判

やはりブロガーが選ぶファンドオブザイヤーで先進国ファンドが2位に入ったのは大きいでしょう。

しかし直近のリアルな声はどうなっているのでしょうか。

 

 

 

 

つみたてには良い商品であることがわかります。

ただ、1000万円以上を超えるような大きめの金額であれば、より効率的な資産運用の方法がいくらでもあります。

これは記事の後半でまた触れたいと思います。

 

たわらノーロードのつみたてnisa

つみたてNISAは金融庁が商品を選別していますので、なんでも買えるわけではありません。

たわらノーロードシリーズで購入可能なのは以下のファンドです。

「つみたてNISA」対象ファンド

 

つみたてNISAは、年間40万円の枠でつみたてしていく方式ですね。

獲得した配当やキャピタルゲイン(値上がり益)は無税になります。

ポートフォリオの一部として積み立てておくのはありかもしれません。

 

たわらノーロードの手数料

たわらノーロードの特徴は手数料が安くブロガーに人気、ということでしたがどれくらい安いのでしょうか?

投資信託の手数料

 

購入・売却時にかかる直接的な費用と、投資信託を保有しているときにかかる間接的な費用の2つに分けられるようです。

購入時手数料は無料。インデックスファンドであれば当たり前な気がします。

信託報酬などは各目論見書をみなければならないようですね。辛い。

 

インデックスファンドであれば私個人としてはバンガードのETFでも良いと思うのですが、

たわらノーロードがバンガードよりも安い手数料であることを祈ります。

ちなみにバンガードのS&P500インデックス型(VOO)の手数料は信託報酬0.03%のみです。

 

たわらノーロード日経225/たわらノーロードTOPIX

例えば、たわらノーロード日経225の信託報酬(運用管理費用)は年率0.187%(税後)です。

その他、以下がかかりますがこちらは具体的な数字が示せるものではなくブラックボックスです。

 

  • 組み入れ有価証券の売買の際に発生する売買委託手数料
  • 信託事務の処理に要する諸費用
  • 外国での資産の保管等に要する費用
  • 監査法人などに支払うファンドの監査にかかる費用 等

 

たわらノーロードTOPIXも、信託報酬(運用管理費用)は年率0.187%(税後)です。

その他、以下がかかりますがこちらは具体的な数字が示せるものではなくブラックボックスです。

 

  • 組み入れ有価証券の売買の際に発生する売買委託手数料
  • 信託事務の処理に要する諸費用
  • 外国での資産の保管等に要する費用
  • 監査法人などに支払うファンドの監査にかかる費用 等

 

たわらノーロード先進国株式

たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジなし)の信託報酬(運用管理費用)は年率0.10989%(税後)です。日経225とTOPIXより安いですね。

その他費用は日経225とTOPIXと同様です。

 

たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり)の信託報酬(運用管理費用)は年率0.22%(税後)です。日経225とTOPIXより高いですね。

その他費用は日経225とTOPIXと同様です。

 

たわらノーロード新興国株式

たわらノーロード新興国株式の信託報酬(運用管理費用)は年率0.374%(税後)です。

やはり新興国という取引が難しい商品は手数料が高めに設定されていますね。

信託財産留保額は0.3%です。

その他費用は日経225とTOPIXと同様です。

 

たわらノーロード全世界株式

たわらノーロード全世界株式の信託報酬(運用管理費用)は年率0.132%(税後)です。

日経225やTOPIXより安いです。(国内なのになぜ高いのでしょう)

その他費用は日経225とTOPIXと同様です。

 

結局手数料は安いのだろうか?

債券やリートまで見にいきたいところですが、私は株式投資こそが最もリターンをあげられる質実剛健とした資産と考えているのでここまでです。

結局、信託報酬を見ると、

 

たわらノーロード日経225・・・年率0.187%(税後)

たわらノーロードTOPIX・・・年率0.187%(税後)

たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジなし)・・・年率0.10989%(税後)

たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり)・・・年率0.22%(税後)

たわらノーロード新興国株式・・・年率0.374%(税後)

たわらノーロード全世界株式・・・年率0.132%(税後)

バンガードのS&P500インデックス型(VOO)・・・年率0.03%(税後)

 

となりました。運用対象も異なり、また投資信託とETFの違いもありますので、一概にたわらノーロードの手数料は比較的高いとは言い切れませんが、

インデックス投資をするのであればVOOで良いのではないでしょうか、というのが私の結論です。

 

たわらノーロードシリーズおすすめファンド

あえてたわらノーロードで商品を選ぶのであれば、たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジなし)が良いと思います。

MSCIコクサイ・インデックスに連動する形で、運用をしておけばそれなりのパフォーマンスが残せるでしょう。

先進国なら私は米国一択と考えてしまいますが。

 

また、たわらノーロードにこだわらないのであれば、国内でも良い投資先は多々あります。

私自身、長年の運用生活を経て獲得した知見を持って以前にまとめたファンド記事がありますので、そちらも参考にしてみてください。

 

 

まとめ

たわらノーロードについてまとめてみました。

ラインナップの中で、投資をするならこれかなというものが先進国インデックスだったのですが、もう少し次回、深掘りしてみていきたいと思います。

手数料についてはあまり優位性を感じなかったのは残念でした。

 

締め括り

 

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おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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