日本の投資信託(含むETF)分析

三井住友DSアセットマネジメントの「マイ・ウェイ・ジャパン」(TOPIX先物&日本株)の評判とそのリターンとは?様々な角度からわかりやすく評価!

2022年5月16日

ヘッジファンド型の投信「マイ・ウェイ・ジャパン」の実際の成績を見ていきたいと思います。

TOPIX先物と日本株で運用するとのことで、実際のところはどうなのでしょうか?詳しく見ていきたいと思います。

ふと目に入り今回調べていますが、評判らしい評判は見当たらず、あまり話題になるような投信なのではないかという第一印象です。

 

マイ・ウェイ・ジャパンの特徴とは?

マイ・ウェイ・ジャパンの特徴についてみていきたいと思います。

三井住友DSアセットマネジメントが運用

運用を行うのは三井住友DSアセットマネジメントです。

三井住友DSアセットマネジメント

 

三井住友DSアセットマネジメントは、スパークス・ベスト・ピック・ファンド(H型)の他に、グローバルAIファンド、テトラ・エクイティなどの金融商品を展開しています。

設立は1985年7月15日。運用する投資信託財産の合計純資産総額9兆9,701億円(2021年4月30日現在)と、老舗の大手です。

但し大手だからといってリターンが良いことには繋がりません。会社のネームバリューで普通(またはそれ以下)の商品を売っていることがほとんどなのが、金融業界の不思議です。

<三井住友DSアセットマネジメントのその他展開商品>

  • グローバルAIファンド
  • 日興FW・日本債券ファンド
  • SMBCファンドラップ・日本債
  • テトラ・エクイティ
  • 三井住友・DC外国株式インデックスファンドS 他

 

今流行りのファンドラップも展開していますね。

 

投資対象は国内株式と株価指数の売り建て(絶対収益追求型)

国内株式でポートフォリオを構築し、高いリターンを目指していく絶対収益追求型のファンドです。絶対収益追求とは、特定の市場の動向に左右されにくい収益の追求をめざすことをいいます。

 

マイ・ウェイ・ジャパンは『マーケット・ニュートラル戦略』にて投資を行っていきます。

マーケット・ニュートラル戦略

現物株式と株価指数先物取 引の売建てを組み合わせることによって、株式市場の変動リスクを低減し、安定的 な収益の確保を目指す運用手法をいいます。

http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/prospectus/2016053102_P1_20210618.pdf

 

マイ・ウェイ・ジャパンの構成上位銘柄

まずは構成業種です。日本株ファンドに関しては電気機器、情報・通信業が上位に来るのはもう定番ですね。特に目新しさは感じません。素直な投資をしている印象です。

上位10業種

 

業種別上位(株式) 構成比率
電気機器 16.2%
情報・通信業 11.0%
輸送用機器 5.3%
化学 5.1%
小売業 4.0%
銀行業 3.8%
機械 3.7%
医薬品 3.6%
サービス業 3.5%
卸売業 2.8%

 

具体的な銘柄は以下の通りです。

 

ポートフォリオ

銘柄名 業種  比率
ソフトバンクグループ 情報・通信 2.7%
トヨタ自動車 輸送用機器 2.5%
三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 2.5%
ソニーグループ サービス業 2.5%
日本電信電話 輸送用機器 1.6%
信越化学工業 電気機器 1.3%
電通国際情報サービス 精密機器 1.3%
東京エレクトロン 機械 1.2%
キーエンス 情報・通信業 1.2%
富士フイルムホールディングス 化学 1.1%

 

ソフトバンク、ソニー、キーエンス辺りは2020年に天井をつけ、今は非常に株価は軟調ですが、リターンに大きく影響していそうです。

キーエンス株価

 

 

キーエンスは堅調に推移していましたが直近厳しいですね。

そもそも投資比率は1位のソフトバンクグループで2.7%程度の保有のみであり、個別株式はそこまで大きくパフォーマンスに影響を与えることはなさそうです。

セクターに着目する方が良さそうです。つまり電気機器と情報通信業の年初来リターン次第で今年のパフォーマンスはほぼ決まります。

とは言え、ファンド選びは「長く付き合っていける」金融商品を選ぶことです。

長年のリターンがどれくらいなのかに着目していきましょう。

 

マイ・ウェイ・ジャパンのリスクとリターンを分析

では肝心のマイ・ウェイ・ジャパンのリターンについて紐解いていきたいと思います。

マイウェイジャパンの株価推移

 

1年 3年(年率) 5年(年率) 10年(年率)
トータルリターン 4.38% 1.36% 1.29% --

 

複利で運用するにあたり、「マイナスを出さないこと」の重要性は非常に高いです。マイ・ウェイ・ジャパンは辛うじてプラスで終わっており、最低限のパフォーマンスは出していることがわかります。

マイナスを出さないことの重要性についてはあの世界が誇る投資家であるウォーレンバフェットも、投資で最も重要なルールとして「損失を出さない」を挙げています。

Rule No. 1: Never lose money. Rule No. 2: Never forget rule No. 1.

ウォーレン・バフェット

 

もう少し詳しくリターンを見ていきましょう。2018年が通期でマイナスになってしまっています。多くの投資信託がマイナスリターンを出さない、という掟を守れない中で、マイ・ウェイ・ジャパンは第一関門クリアかと思いましたが、やはりダメでした。

 

1-3月期 4-6月期 7-9月期 10-12月期 1-12月期
2021年 1.41% 1.25% -- -- --
2020年 -1.36% 0.62% 0.19% 1.47% 0.90%
2019年 -0.89% 0.63% 0.60% 0.92% 1.26%
2018年 -0.77% -0.29% 0.29% -1.02% -1.77%
2017年 0.93% 0.16% 0.91% 1.21% 3.24%

 

それだけマイナスを出さない運用というのは難しいことがわかります。

標準偏差は1年1.87%、3年2.72%、5年2.42%。ボラティリティは低いです。日本の大型株ですからね。

 

TOPIXに連動する1308 – 上場インデックスファンドTOPIX (愛称:上場TOPIX)と比較

日本株とTOPIX指数に投資をしているアクティブ投信ですので、TOPIXのインデックス成績を下回るようではダメです。価値がありません。実際に比較してみましょう。

 

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
上場インデックスファンドTOPIX 27.21% 6.29% 11.68% 10.90%
マイ・ウェイ・ジャパン 4.38% 1.36% 1.29% -

 

大きく差がついてしまっています。TOPIXの直近の1年は27.21%となっていますが、これは異次元金融緩和が理由なので、今後はそうはいきません。

あまり正確に比較はできていませんが、何よりもマイ・ウェイ・ジャパンはマイナスを出してしまっている年があることが一番の問題だと思います。

 

マイ・ウェイ・ジャパンの今後の見通し

今後の見通しとしては、ポートフォリオがSBGやソニーなどですでに割高感否めず、株価も軟調な銘柄がたくさん入っていることが気がかりです。

今後もポートフォリオを調整して、株価が伸びる企業を選ばなければならない局面ですが、マイ・ウェイ・ジャパンが選んでいる銘柄の傾向を見ると、

今は安全で割高といった企業を選ぶのではないかと思います。

もっとよいファンドを選ぶのが正解なのではないでしょうか。

締め括り

 

堅実複利運用

おすすめ投資先ランキング

長期で資産を着実に育てる

 

資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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