ヘッジファンド型の投信「百戦錬磨の名人ファンド」の実際の成績を見ていきたいと思います。
日本の株式を実質的な主要投資対象としており、非常に新しいファンドです。ファミリーファンド方式で運用。純資産総額は4000万円台の超小型です。運用始めたばかりですしね。
百戦錬磨の名人ファンドの特徴とは?
百戦錬磨の名人ファンドの特徴についてみていきたいと思います。
三菱UFJ国際投信が運用
運用を行うのは三菱UFJ国際投信です。
三菱UFJ国際投信株式会社は市中銀行の王者、三菱UFJ傘下のアセットマネジメント会社です。
ネームバリューだけでもどんな商品も売れてしまうでしょう。このカラクリに個人投資家は注意です。有名であることと、高いリターンは比例しません。
三菱UFJ国際投信は、百戦錬磨の名人ファンドの他に、AI日本株式オープン(絶対収益追求型)、マクロ・トータル・リターン・ファンドなどの金融商品を展開しています。
この他にも数えきれないほどの金融商品を展開しています。津波かと思うほどの数でした。
ちゃんとリターンを出しているのでしょうか
。過去に調べてみたAI日本株式オープン(絶対収益追求型)、マクロ・トータル・リターン・ファンドは、うーんと言ったところです。
投資対象は国内株式の「買い」と「売り」の組み合わせ(絶対収益追求型)マーケットニュートラル戦略
国内株式でポートフォリオを構築し、高いリターンを目指していく絶対収益追求型のファンドです。絶対収益追求とは、特定の市場の動向に左右されにくい収益の追求をめざすことをいいます。
「買い」と「売り」の組み合わせが特徴としています。また以下のメリット・デメリットを挙げています。
メリット・・・株式市場全体の下落の影響を受けない。
デメリット・・・株式市場全体の上昇に追随しない。
株式の「買い」と「売り」*を組み合わせて株式市場全体の価格変動リスクを低減させつ つ、「買いポートフォリオ」における株式市場全体を上回る部分の収益と、「売りポート フォリオ」における株式市場全体を下回る部分の収益の確保をめざします。
買いと売りのポートフォリオをそれぞれ作成するので、市場全体が上昇する時も下落する時も大きな損益変動が出ない設計で安全に運用を行うということですね。はマーケットニュートラル戦略というやつですね。
マーケット・ニュートラル戦略
現物株式と株価指数先物取 引の売建てを組み合わせることによって、株式市場の変動リスクを低減し、安定的 な収益の確保を目指す運用手法をいいます。
百戦錬磨の名人ファンドの構成上位銘柄
資産構成は以下の通りです。
組入上位銘柄 | 業種 | 比率 |
1 九州旅客鉄道 | 陸運業 | 1.0% |
2 出光興産 | 石油・石炭製品 | 0.8% |
3 住友商事 | 卸売業 | 0.8% |
4 アイシン精機 | 輸送用機器 | 0.8% |
5 リクルートホールディングス | サービス業 | 0.8% |
6 小糸製作所 | 電気機器 | 0.8% |
7 東武鉄道 | 陸運業 | 0.8% |
8 京阪ホールディングス | 陸運業 | 0.7% |
9 SMC | 機械 | 0.7% |
10 名古屋鉄道 | 陸運業 | 0.7% |
伝統的な企業が並びます。非常に分散していますね。
手数料
購入手数料はありません。アクティブファンドにしては珍しいですね。
信託報酬は日々の純資産総額に対して、年率0.044%(税抜 年率0.040%)をかけた額です。
その他、成果報酬が存在します。
毎営業日に、当該営業日の成果報酬控除前基準価額が「成果報酬の算出の基準となる価額(実質的な過 去最高値)」を超過した場合に、その超過分に対して16.5%(税抜15.0%)の率をかけた額*に当該営業日 における受益権総口数をかけた額です。 *超過分に対して税抜15%の率をかけた額(成果報酬単価)に1円未満の端数がある場合は、これを切捨 てた額に消費税等がかかります。
非常にシンプルに計算すると、100万円を預けて利益が10万円(10%)出たら、16.5%をファンド側に成果報酬をくださいというものです。10万円×16.5%=1.65万円
百戦錬磨の名人ファンドのリターンを分析
では肝心の百戦錬磨の名人ファンドについて紐解いていきたいと思います。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
2021年 | 0.52% | -1.05% | -- | -- | -- |
まだ運用を開始したばかりのファンドですので、そこまでしっかりと評価はできません。
これまで運用暦の長いファンドの、実績を出し続けている投資信託を中心に色々と分析してきました。今回は運用が始まったばかりのファンドを、世界情勢、マーケット動向と合わせてウォッチしてみたいと考え百戦錬磨の名人ファンドを取り上げています。
現時点で百戦錬磨の名人ファンドはトータルではマイナスになっています。
1カ月 | 3カ月 | 6カ月 | 1年 | 3年 (年率) |
5年 (年率) |
10年 (年率) |
設定来 | |
トータルリターン | -0.50% | -1.05% | -0.53% | -- | -- | -- | -2.93% |
取り上げておいてあれなのですが、現時点のマイナスの運用はどうでも良い数字です。
特に2020年の異次元金融緩和から、2021年の日本株マーケットの不安定な状況を見ると、2021年から運用開始したのであればこのリターンも頷けます。
大事なのは1年を通じてどれくらいのリターンをあげるのか、3年〜5年ほど運用して、どれだけ信頼を積み重ねることができるのか、マイナスを出さないのか、に注目していきたいと思っています。
特に「マイナスを出さない」かどうかはとても注目しています。
マイナスを出さないことの重要性についてはあの世界が誇る投資家であるウォーレンバフェットも、投資で最も重要なルールとして「損失を出さない」を挙げています。
Rule No. 1: Never lose money. Rule No. 2: Never forget rule No. 1.
ウォーレン・バフェット
百戦錬磨の名人ファンドの今後の見通し
今後の見通しとしては、なんとも言えないというのが本音です。
まずは、2021年の通年の成績を待ちましょう。3年ほどは成績を流石に見たいのですが、今年の成績が指数を大きく超えるようであれば、なぜそのようなリターンになったのかを分析して買いにいく戦略もありではあると思います。
安全に考えるのであれば、2024年までプラスを出し続けるようであれば、その頃に買いたい金融商品ですね。成果報酬型で資金を運用するファンドマネジャーの腕がどれほどのものなのか、期待です。
今回は投資信託の選定の考え方、のような記事になってしまいましたが、新興の投資信託もリアルタイムでこのような分析結果を残し、定期的にメンテナンスしていきたいと思います。