日経平均株価が上昇し、日本株が盛り上がっていますね。もしかしたら史上最高値を超えるのではないかと期待をしている人は多いかと思います。
そこで今回はフィデリティ・日本成長株・ファンドを取り上げてみたいと思います。
-
-
【2023年】日本国内の優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ先を紹介!選択に必要な知識と魅力的な金融商品をランキング形式で初心者にもわかりやすく解説
続きを見る
フィデリティ・日本成長株・ファンドとはどのような投資信託か?
概要
- 単位型・追加型・・・追加型投信
- 投資対象地域・・・国内
- 投資対象資産 (収益の源泉)・・・株式
- 投資対象資産・・・その他資産(投資信託証券 (株式(一般)))
- 決算頻度・・・年1回
- 投資対象地域・・・日本
- 投資形態・・・ファミリーファンド
ファンド名の通り、日本株への投資に特化した運用を行います。
特色
特色は以下の通りとされています。
- わが国の取引所に上場(これに準ずるものを含みます。)されている株式を主要な投資対象とします。
- 個別企業分析により、成長企業(市場平均等に比較し成長力があり、その持続が長 期的に可能と判断される企業)を選定し、利益成長性等と比較して妥当と思われる株価水準で投資を行ないます。
- 個別企業分析にあたっては、日本および世界の主要拠点のアナリストによる企業調査結果を活かし、ポートフォリオ・マネージャーによる「ボトム・アップ・アプローチ」 を重視した運用を行ないます。
- ポートフォリオ構築にあたっては、分散投資を基本としリスク分散を図ります。
- 株式への投資は、原則として、高位を維持し、信託財産の総額の65%超を基本とします。
- 日本の株式の代表的な株価指数であるTOPIX(配当込)をベンチマーク(運用目 標)とし、長期的にベンチマークを上回る運用成果をあげることを目標とします。 (ベンチマークとの連動を目指すものではありません。)
長期投資を前提に日本株へ資金を投じます。株式への投資は65%は常にポジションを取るとありますが、基本的にはキャッシュ比率を高く設定するのかもしれません。
日本成長株という名ですが、割と保守的な運用をするような方針を立てています。ベンチマークはTOPIXであり、昨今の日経平均株価よりは難易度が低そうですね。
手数料は?
手数料は以下です。
- 購入時手数料:3.30%(税抜3.00%)
- 信託手数料:1.683%(税抜1.53%)
初年度は5%程度かかる計算です。
組み入れ銘柄は?
ポートフォリオの状況は以下です。
65%超の株式を持つ方針でしたが、4月末時点で97.5%が株式と非常に強気であることがわかります。東証プライムの株式がほとんどですので、大型株がほとんどですね。投資家としては比較的安心なのではないでしょうか。
以下が2023年4月末時点の最新のポートフォリオ組み入れ銘柄です。切り口がほとんどデジタル革命ですね。成長株なのでやはりテクノロジー特化になります。
銘柄 | 業種 | 比率 | 選定切り口 | |
1 | キーエンス | 電気機器 | 4.4% | 自動化・省人化/デジタル革命 |
2 | ソニーグループ | 電気機器 | 3.1% | デジタル革命 |
3 | ミスミグループ本社 | 卸売業 | 2.9% | 自動化・省人化/デジタル革命 |
4 | 東京エレクトロン | 電気機器 | 2.7% | 自動化・省人化/デジタル革命 |
5 | 伊藤忠商事 | 卸売業 | 2.6% | 新興国の消費拡大/デジタル革命 |
6 | オリエンタルランド | サービス業 | 2.5% | - |
7 | 日立製作所 | 電気機器 | 2.4% | 脱炭素・省資源/デジタル革命 |
8 | 三井ハイテック | 電気機器 | 2.3% | 脱炭素・省資源/デジタル革命 |
9 | 村田製作所 | 電気機器 | 2.2% | 脱炭素・省資源/デジタル革命 |
10 | 三菱UFJフィナンシャルグループ | 銀行業 | 2.2% | - |
上位10銘柄で27.4%なので、かなり分散が効いているファンドであることがわかりますね。
1位のキーエンスは2022年は下落したものの、ここ5年で2倍になっています。円安の追い風を受け飛躍していますね。
それでは、実績を見ていきます。
フィデリティ・日本成長株・ファンドの実績は?基準価額チャートから確認
累積投資額がベンチマークを上回っていますね。10年率で8.76%となっており、今年は円安で大幅に日本株が上昇していますので、インデックスと同等の利回りですね。
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 13.58% | 11.55% | 5.88% | 8.76% |
標準偏差 | 14.8 | 14.84 | 17.7 | 16.12 |
シャープレシオ | 0.92 | 0.78 | 0.33 | 0.54 |
上記は直近10年であり、アベノミクス、コロナ相場、超円安というこれ以上ない相場環境の中での成績が年率8%です。
本来の実力を見るにはやはり設定来を見たいものです。同ファンドの設定来のリターンは25年で226.84%です。
これは年率で直すと、4.84%になります。つまり、直近10年のここ50年でも最も簡単な相場で年率8%と、実は実力はかなりいまいちであることがわかります。
フィデリティ・日本成長株・ファンドの今後の見通し
今後の見通しについてですが、基本的に日経平均株価が上昇している中、東証マザーズは低迷しているところを見ると、本当に円安による外国人投資家の日経平均先物の買いが進んでいるだけであることがよくわかります。
つまり、日本経済がスゴイ、というものではなく、単純に為替安で日本が割安になり資金が集まっているだけなのです。

マザーズ指数
為替が大きな影響となれば、今後の米国の動向を確認する必要がありますね。
2022年以降の円安は明らかに米国政策金利と日本金利の金利差で発生しているので、米国がいつ利下げするのか?が焦点になるのです。
そして、2023年6月現在は米国FRBパウエル議長はついにFOMCでの利上げをストップさせました。そしてインフレ率も鈍化しています。
米労働省が13日発表した5月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年比の伸び率が4.0%で、4月の4.9%から大きく鈍化し2021年3月以来、2年余りぶりの穏やかな伸びとなった。
エネルギーや食品からの圧力緩和が寄与した。ただそれら変動の大きい項目を除外した基調インフレ圧力は根強く、米連邦準備理事会(FRB)はあす14日に政策金利は据え置くもののタカ派スタンスを維持するとみられる。
まだまだ利上げは継続という姿勢をFRBメンバーはしているのですが、正直最終局面かと思います。そして、いずれは利下げ転換し、円高局面はくるので、その時までに日経平均がどこまで伸びるかが肝です。
ただ、日本側もデフレ国家だったとは思えないほどの強いインフレを現在は誇っているため、日銀新総裁である植田氏が利上げに踏み切る可能性もあります。
つまり、米国の利下げ、そして日本の利上げが重なった瞬間には大きく円高に進み、また日経平均は大幅下落に陥ることになりますので、その点のリスクは考えておいた方が良いです。
筆者のドタ勘では、2023年9月のレイバーデイあたりで一波乱あるのではないかと考えています。
昔は真剣に相場を張っていましたが、相場タイミングを読むのは難しいので、筆者の場合は大半をヘッジファンドで運用し、自分で運用するのは遊び程度ではありますが。
-
-
【2023年】日本国内の優良ヘッジファンド(&投資信託)のおすすめ先を紹介!選択に必要な知識と魅力的な金融商品をランキング形式で初心者にもわかりやすく解説
続きを見る