資産1000万円超え向けの運用法

1000万円を元本保証で資産運用するのは逆に危険!定期預金や債券投資など低リスク・低利回り金融商品が招く危険性を解説。

2022年5月16日

ようやく苦労して1000万円を貯蓄することが出来た。そろそろ本格的に資産運用を行なって資産の増加スピードを加速させたい。

しかし、リスクをとって運用するのは怖いという理由で、定期預金や債券投資のような元本保証型の投資に走る方もいらっしゃると思います。

 

実際私の元同僚も怖いからという理由で、定期預金に2000万円程突っ込んでる人もおりました。如何に日本人が定期預金を始めとした元本保証型の投資に傾倒しているかがよく分かります。

以下は、日米欧の家系資産に占める現預金の比率を示したものです。

 

日米欧の預金比率の比較

 

日本の現金比率は54%と群を抜いています。しかし、定期預金をはじめとした元本保証型の投資には危険が潜んでいます。

本日は以下の点についてお伝えしていきたいと思います。

 

必要なモノ

  • 元本保証の投資先の種類
  • 各投資先の問題点
  • 元本保証ではないがリスクが低い投資先

 

本日は元本保証型の投資の欠点についてお伝えしていきたいと思います。

 

 

 

絶対に元本割れしない!「元本保証」の投資先4選

では、まず元本保証の投資先についてお伝えしていきたいと思います。

 

利用者の多い定期預金

deposit

 

まずは定期預金です。定期預金は一定期間銀行に預ける代わりに、普通預金よりも高いリターンを付与するという制度です。

銀行は預金者から低金利で借りてきて、企業や自営業者に貸し付けて高い利息を得る利鞘ビジネスで利益を得ています。

 

ただ、金利は高いといっても2022年8月時点で最も高い利息は新生銀行の年率0.3%です。

1000万円を0.3%で複利で運用したとしても以下のようになります。

 

10年後 1030万円
20年後 1061万円
30年後 1094万円
40年後 1127万円
50年後 1161万円
100年後 1349万円
232年後 2003万円

 

2倍になるのに232年かかります。江戸時代中期までさかのぼらないといけません。

最早当時の通貨は日本円ではなく両でしたね。200年という悠久の時期を経て倍増することができるのです。

 

この間通貨は両から日本円に代わり、更に戦後に旧円から新円に変わりました。

200年という期間の間には様々なことが起こる為、もはや2倍程度になる程度では全くたらないといえるでしょう。

 

殆ど資産が増えないのにも関わらず資金が拘束されてしまいます。

メリットは殆どなく資金拘束というデメリットを受けることになるのです。正直いっておすすめできません。

 

日本国債や国内企業の社債は魅力的なのか?

日本国債や社債

 

次に元本保証の代表格ともいえる債券で運用した場合を考えましょう。現在日本では超低金利政策を敷いています。

結果として日本の国債は財務省が発行している優遇金利であっても年率0.05%という定期金利の6分の1という水準なので議論の対象から外すこととします。

財務省の販売している個人向け国債の利回り

 

国債より高い投資先として見込めるものに社債があります。社債とは企業が事業を行うために投資家から資金を集めて、見返りとして利息を支払うという仕組みです。

 

株式の場合は企業に投資をして、企業の収益が増加して株価が上昇すれば利益を得ることができます。しかし、投資した企業がうまくいかず株価が減少すれば逆に資産を失うことができます。

一方、社債の場合は満期まで保有すれば企業が倒産しない限りは元本が保証された上で利息を受け取ることができます。

 

ただ、日本企業は積極的に社債を活用しておらず、なかなか社債を個人投資家が購入することができません。

以下は米国と日本の社債発行残高ですが日本は低い水準で安定していますが米国は毎年拡大してきています。

 

日米の社債発行残高の推移

 

個人投資家が購入できる社債としてソフトバンクグループの個人向け国債があります。

投資して大丈夫?2022年も売り切れで評判のソフトバンクグループの社債(劣後債)の危険性について紐解く

 

皆さんソフトバンクと聞くと通信会社と勘違いされている方がいらっしゃいますが、ソフトバンクグループはファンドを運営している会社です。

しかし、ユニコーンといわれるような今後成長が見込まれるような、未上場企業も数多く含まれています。つまり非常にリスクの高い投資を行っているのです。

 

そのような企業に大切なお金を貸して得られるリターンが税後で1.5%程度の利息しか得られません。

直近、3.2兆円の巨額赤字をだして今後に対する懸念がでてきています。

 

ソフトバンクグループの業績の推移

 

今後、もし倒産ということになったら預けた資金を全て失う可能性があります。リスクに見合ったリターンを受け取れないのです。確かに元本保証ではありますが、危険な元本保証投資ということができるでしょう。

 

直近の決算でこれまでの利益をほぼ全て吐き出してしまったとも公表していたので、当然の流れといえばそうなります。

ビジョンファンドの損失

 

 

外国の債券への投資は為替リスクに注意

外国の債券

 

日本の債券が魅力がなかったとしたら、外国の債券は如何でしょう?代表的な米国の債券についてみていきたいと思います。2020年のパンデミック以降、米国の中央銀行であるFRBが大規模な金融緩和を行ったことで長期金利でも0.5%程度に落ち込みました。

しかし、2021年後半からインフレが発生したことをうけて拙速な利上げを行っています。結果的に以下の通り米国の10年債金利は3%程度まで上昇しました。

 

米国の10年債金利

 

結果として以下の通り楽天証券で取引できる米国債で3%程度、米社債だと4%近い利回りを得ることができる状態となっています

以下、利率と利回りがありますが、最終的なリターンとして重要なのは参考利回りです。

楽天証券で取引できる米国債や米国の社債

 

しかし、あくまで上記は米ドル建の話です。ドル円が下落するとリターンが下落します。円建に直すと元本割れするということが多々あるのです。そして、2023年1月現在は既に151円と極限まで円安が上昇し、すでに下落に転じています。

ドル円レートの推移

 

ドル円は日米の金利差を背景に上昇してきました。しかし、これから米金利は景気後退が現実化するにつれて下落することが見込まれています。今まで拡大してきたドル円は急激に巻き戻しが発生することが見込まれています。

金利で3%を獲得したとしても為替で20%の損失を被ったら本末転倒ですからね。現在、極限まで円安が進行している状態で外国債券へ投資をすることは控えた方が賢明でしょう。

ちなみにこれまでは米国側が利上げ、日本側は金融政策維持を背景とした円安でしたが、日銀が2022年末にYCC見直しをサプライズで発表しました。

日本銀行は12月19日・20日開いた金融政策決定会合で、事前予想に反してイールドカーブ・コントロール(YCC)の柔軟化措置を決めた。0%という10年国債利回りの目標は維持しつつも、変動幅を従来の「±0.25%程度」から、「±0.5%程度」へと拡大する。そのうえで、0.5%での毎営業日指値オペを継続し、+0.5%を上回る10年国債利回りの上昇は引き続きけん制する。

野村総研

 

つまり、米国は利下げに転じ、日本は実質利上げ(引き締め)に転じるとのことで、今度は急激な円高リスクが見込まれているのです。

 

コラム:ドル円レートは長期的に理論的には下落する

先ほどドルの国債はドル建であり、為替リスクを負うとお伝えしました。そして、インフレが発生している国と発生していない国では、インフレが発生している国の通貨の価値は下落する傾向にあります。

現在日本のインフレ率はゼロパーセントで、米国は2%程度ですので最終的にはドル安円高傾向となります。

 

例えば、例を用いて説明していきたいと思います。今、日本のインフレ率は0%で、米国のインフレ率は2%だとします。現在、リンゴが日本では100円で、米国で1USDで販売されていたとします。

リンゴはリンゴなので1USD=100円ということになります。

インフレしている国の通貨が下落することを説明

 

では、一年後どうなっているでしょうか。日本ではインフレは発生していないのでリンゴは100円のままです。一方。米国では2%のインフレが発生しているので1.02USDになります。

同じくリンゴはリンゴなので100円=1.02USDとなります。変換すると1USD=98.04円となり、円高ドル安傾向となるのです。

つまり、米ドル建で得た利益は長期的には為替レートで解消されることになってしまうのです。

 

 

積立型保険の罠とは?

積立型保険

 

次に代表的な元本保証型の投資先として積立保険が挙げられます。私も一時期外資保険への転職を考えたこともあったので、積立型の保険についての説明を受けたことがあります。

積立保険型では毎年3万円30年間積みたてることにより、元本1080万が1300万円となって返ってくるというものでした。

 

保険の機能までついて、元本の1.2倍になって返ってくるなんてなんてお得であると思われた方もいらっしゃると思います。しかし冷静に考えてみて下さい。逆算して計算した場合、年利は約0.8%という結果になりました。

いくら保険という機能がついているとはいえ、30年間資金が拘束された上で年率1%未満では全く割にあいませんよね。

更に途中解約の場合は元本割れした金額となることも注意が必要な点となります。

 

説明を聞いた上での印象としては月4000円の掛け捨て型の保険で、死亡時最大4000万円貰える保険もありました。掛け捨て保険をかけた上で、運用は自分で行ったほうがよいでしょう。

積立型の場合は毎月3万円積立で65歳までに死んだ場合はたったの1000万円ですからね。一見お得なように見えますがあまりペイしない型の保険であると断言せざるをえません。

 

コラム:日本にも訪れているコストプッシュ型のインフレ

インフレというのは基本は需給によって発生します。非常に単純な話で供給を需要が上回っている時にインフレが発生します。需要とは皆さんの購買力で、供給力とは企業や事業主によるモノやサービスの供給です。

 

現在の日本は需給ギャップがマイナスなので需要が供給に足りない状況となっています。

つまり、強い需要がインフレを生み出すデマンドプル型のインフレは発生しません。

需給ギャップ

 

しかし、コストプッシュ型のインフレは発生します。戦国時代のように基本的に国内で全ての生産活動を行なっているのであればインフレは発生しません。一方、現在は多くの食料品やエネルギーを国外から輸入しています。

たとえ、国内の需要が弱くデマンドプルインフレは発生しなくても海外から入ってくるモノの価格が上昇すればコストが上昇します。そのため、需給ギャップがマイナスでも海外要因でインフレが発生するのです。

 

そして、2022年現在まさにエネルギー価格や食料品価格の高騰は上記のコストプッシュインフレによって値上がりしています。日本でインフレが発生しなくても海外でインフレが継続する限り日本でもインフレは発生してしまうのです。

インフレが発生する状態において利回りの著しく低い元本保証型の投資をおこなっていると実質的に資産をうしなっていくことになってしまうのです。

 

元本保証ではないが低リスクの魅力的な投資先

インデックス投資で1000万円を一括投資?

全くもって元本保証ではありませんが、インデックスファンドへの投資は多くの人が考えますよね。

特に米国代表株価指数であるS&P500指数連動型は2020年以降、日本人の間でも大ブームとなっています。以下の通りここ10年は右肩上がりでしたので、ブームになるのも理解できますね。

S&P 500

 

しかし、2021年末に猫も杓子もインデックス投資が最高である、という話が市場で溢れた後に、すぐに米国株は暴落に見舞われました。初心者投資家までもがインデックスファンドに夢中になっていたため、結局はこれが靴磨きの少年となったのでした。

株価のピークを伝えた「靴磨きの少年」と「ホームレス」

1929年の夏、ケネディが靴磨きの少年に靴を磨いてもらおうとしたときのこと。少年は米紙ウィール・ストリート・ジャーナルを読んでいて、株取引に夢中でした。ケネディに対して自慢げに、推奨銘柄を教えたりなどします。この少年との出会いで、ケネディは相場撤退を決意したと伝えられています。

株価下落でもうけるのはどんな人? 歴史に学ぶマネー術

 

しかし、どんな暴落も乗り越えてきたのが米国株である。このように主張する人も非常に多いです。それは正しいのですが、投資をするタイミングを間違えてしまうと10年以上のスパンでリターンを獲得するチャンスを逃してしまうリスクがあります。

例えば1995年から始まったドットコムバブル、そして崩壊がありました。このドットコムバブルの頃にインデックス投資を開始していたら高値を回復したのは13年後の2013年です。一瞬、2007年に高値を回復してはいますが、リーマンショックにより大暴落してしまいました。

S&P500

 

このように、もし経済に明るく、米国株の景気サイクルに応じた株価サイクルなどをタイミングよく実施できるのであれば、インデックスファンドは良い投資になるのかもしれません。そして、いつか上昇すると米国株を信じてインデックスファンドを狼狽売りせずに、保有を続けられるのであればそれも良いでしょう。

2023年現在、米国株は下落していますが、これは高まるインフレを背景にFRBの利上げが要因となっています。現在はCPIが鈍化し始めたので、ついにFRBが利下げ転換に向かっているとの期待が市場には溢れています。

しかし、1970年台のインフレは非常にしぶとく、インフレ第二波が起きました。最終的にCPIは14%越え、この頃の政策金利は20%でした。

 Consumer Price Index for All Urban Consumers: All Items in U.S. City Average (CPIAUCSL)

 Federal Funds Effective Rate (FEDFUNDS)

 

もし歴史が韻を踏むのであれば、2023年の米国株も暴落が待っている可能性が大いにあります。はたまた、今回は第二波もなく、スムーズに来る米国の不況を救うべく利下げに転じるかもしれません。

これは各指標を観察し、自己判断できる投資家でなければインデックス投資をタイミング良く実行するのは難しいと思います。

ついでに言えば、すでに30年来の大金融緩和時代は終わり、またすでにGAFAMを始めたテック企業など成長ドライバーが失われた米国のインデックスは上昇しない未来があるのかもしれません。筆者としては、米国株インデックスは安全投資に見えて、実は機会損失の面も含めてリスクの高い投資なのではないかと考えています。

大緩和時代の終焉

 

<GAFAMTの株価(成長ドライバーの終焉)>

META株価 AMZN株価 MSFT株価 GOOGL株価 AAPL株価

 

 

私募ファンドであるヘッジファンドにて運用

元本保証だと全く増えないけど資産を失いたくはない。そのような方におすすめなのが株式市場の下落を回避または抑制しながら高いリターンを出しているヘッジファンドという投資先です。

ヘッジファンドは名前の通り市場の値動きをヘッジするという目的をもって運用されています。

 

つまりリーマンショックのような下落時でも資産を守りリターンを狙っていくというファンド形態です。

実際以下の通り数ある市場の下落局面も回避または逆に利益をあげながら堅調にリターンを積み上げています。

 

ヘッジファンドは市場環境に関係なく安定したリターンを叩き出しインデックスをアウトパフォーム

 

どのヘッジファンドを選ぶかが重要になってきますが、筆者の場合は老舗である国内ヘッジファンド、BMキャピタルで運用をしております。

同社はバリュー株投資、アクティビスト戦略にて非常に堅実なリターンを積み重ねています。年利回り20%、30%が欲しいという人は選ぶべきファンドではないですが、毎年暴落を避けながら着実にリターンを積み重ねていく同ファンドに筆者は全幅の信頼を置いています。

概要は以下ですが、最新の情報などは担当者と直接面談してヒヤリングした方が良いと思います。懇切丁寧にどんな質問でも答えてくれますので、疑問点はどんどんぶつけた方が良いと思います。

BMキャピタル

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まとめ

元本保証型の投資は利回りが低いだけでなく、資金を長期間に渡り拘束されるというリスクを抱えています。資金拘束の間に日本の財政破綻が現実のものとなり強烈なインフレが発生した場合は、資金の大部分がインフレによって奪われてしまうという悲惨な結果になることが見込まれます。

大切な資産を守りたいのであれば、元本保証型の投資ではなく寧ろ積極的に資産運用を行うことが必要となってくるのです。

 

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締め括り

 

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資産運用で資産を増やす方法は様々あります。効率を求めるのであれば、株式投資が最良の選択肢であることは疑いようのない事実です。

過去の歴史を見ると、それは火を見るより明らかです。「市場が伸びるところ」が最も効率よいです。苦労なく成果を挙げられます。

 

各資産の超長期リターン

 

しかし、株式投資も医者になるくらい勉強をしなければ勝てません。であれば、我々は早々にリスクの高い個別株投資という選択肢は捨てるべきです。

そして、投資のプロが運用する「ファンド」(投資信託、ETF、ヘッジファンド)を選ぶべきなのです。

ここでファンド選びが最も大切です。長年、筆者も資産運用を実施してきました。

 

結局は絶対にマイナスになる年を作らない、小さい利回りでも良いのでしっかりプラスを出す、それを長年続けるファンド。このようなファンドを活用することがベストプラクティスであり、正しい資産運用です。資産が強烈に伸びていきます。

 

上記の条件を主眼に置きながら、筆者のポートフォリオを構成するファンドを中心にランキング記事を作成してみましたので参考にしてみてください。

 

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